王国再興物語〜無理ゲーオタクの異世界太平記〜
約束
数日後。
その後の諸々の作戦会議等を済ませているとあっという間に数日が過ぎていった。
しかし、一つやり残していることがある事を思い出した。
そう、セラに想いを告げることだ。
正直まだ、先でもよいと思っていたし、なんなら母上が生き返ってからにしようと思っていた。
ただ、イリスが言うには結婚とかは後回しでいいから想いを告げて欲しいと。
確かにいつ死ぬかもわからない今、告げられるうちに想いを告げたほうが良いかもしれない。
そう思った。
だが、彼女居ない歴イコール年齢の童貞(鹿之助の頃を会わせるとそうではないが。)には正直難易度が高すぎる。
俺にとっては無理ゲーかもしれない。
……いや、難易度が高い無理ゲーならばやるしかないな。
場についてはイリスの方でセッティングしてくれたらしい。
一体なんのセッティングなのかはわからないが、取り敢えず指定された部屋へ行く。
部屋へ入るとさほど広くはない部屋にテーブルと椅子が2つ置かれており、テーブルには菓子とお茶がおいてあった。
そして、夕焼け差し込む部屋の窓際にいつもの服装とは違い、まるで、一国の姫かのような衣装を身にまとったセラがいた。
「お、お待ちしておりました。……その、変では無いでしょうか?イリスがどうしても着ろと言うので着てみたのですが……。」
セラが頬を赤らめながら言う。
「……綺麗だ。」
思わず言葉に出してしまう。
しかし、それほどに美しかった。
「……え?」
「あ、いや!えーとその、あれだ!夕焼けが綺麗だなー……なんて……。」
言い訳をしようと思ったがやめる。
ここまで来たのならもう腹を決めるとしよう。
「……いや、そうだな。正直に言おう。今、綺麗と言ったのは紛れもなくセラ。お前のことだ。」
セラからはなんの返答もない。
いや、返答を待つのが怖い。
俺はやはり根性無しなのでセラの顔を見ながら言えない。
もし、断られたらと思うと逃げ出したくなる。
ならばとにかく想いをぶつけるとしよう。
「あー、はじめてお前を見たときから既に惚れていた。一目惚れってやつだな。強く美しく戦場で戦う姿にはいつも目を奪われていた。お前がいる戦場で負ける気など起きなかった。そして、お前と別行動になったとき、まぁあれの原因は置いといて、セラが近くに居ないだけでこんなにも辛いんだと感じた。それに……。」
「ア、アルフレッド様!わかりました!わかりましたから!」
セラの顔を見ると真っ赤である。
そんな様子も久々に見た気がする。
「そうやって顔を赤らめるところも正直可愛く感じてしまってな、ますます好きになってしまった。」
「アルフレッド様!」
我に返る。
「あ、すまん。つい。」
「つい、じゃありません!」
セラは深呼吸をすると返事をしてくれた。
「私もアルフレッド様のお気持ちにお答えします。私はフレン様にお仕えしていた時からフレン様から何度もアルフレッド様の嫁にすると言われてきており、昔から意識はしておりました。ですが、それはフレン様の冗談だと思っていました。そして、いざ共にいると冷静で、そして時には豪快な決断力で大軍を翻弄し、そして兵や民の事を思いやる姿、そして私を従者としてではなく、仲間として扱ってくれた姿を目にし、段々と惹かれて行っておりました。最初は従者としてだと思っていたのですが、気づかぬうちにそれが恋心へと変わっていたのだとイリスのお陰で分かりました。ですので私もアルフレッド様をお慕いしております。」
なるほど確かにこれは恥ずかしい。
でも、これは成功で良いのだろうか。
正直ここまでうまくいってくれるとは思っていなかった。
「あ、ありがとう。それで、今後のことだが。」
「はい。結婚しますか?」
何故かそこは恥ずかしがらずに言う。
「いや、流石に早すぎだろう!」
「そうですか?私は今すぐにでも結婚まで行きたいのですが。」
なんだろう。
両想いだと分かったとたんにグイグイ来てる気がする。
もしやイリスの入れ知恵か?
「まぁ、その事についてなんだが。結婚は母上を生き返らせてからにしたいんだ。」
「なるほど……そうですね。確かにフレン様にお見せしたいです。」
まぁ、セラは元々は母上の従者である。
そこはわかってくれたようだ。
「だからそれまでは、そうだな。周りにはこの関係は伏せておいて置くことにしよう。その方がサプライズにもなるしな。」
「確かに、それは面白そうですね。」
笑うセラ。
やはり笑った姿も可愛いと感じる。
「そういえばその服は一体どうしたんだ?」
「あぁ、これは何やらイリスがジョナサンやジゲン殿に頼んで手を回して貰った物の様です。詳しくは分かりませんけど。」
なるほど。
つまりはジゲンやジョナサンもグルということだ。
絶対イリスから話を聞いて面白がってやっているにちがいない。
あとで絶対問い詰めてやる。
「そういえばセラ。」
「はい?」
「俺達2人きりの時は敬語はやめにしよう。もうそんな間柄でもなくなったんだしさ。」
「……分かりま……分かったわ。じゃあこれからよろしくねアルフレッド様。いえ、アルフレッド。」
そこで一つ思い出した事があった。
「あ、そういえば母上が俺の事をアルと読んで良いのは母親である私とアルの婚約者だけ!とかっていってたな。」
ちらりとセラの方を見る。
するとセラは笑ってくれた。
「ふふ。なら私も貴方をアルと呼ばせてもらうわ。改めてよろしく。アル。」
「あぁ。よろしくなセラ。」
この結果をもたらしてくれた母上の縁には感謝しなくてはならない。
今ここにいると言うことも、あの仲間たちと共にいれるのも、セラとこういう関係になれたのも全ては母上のお陰だ。
必ずや生き返らせて、感謝をのべなくては。
「ところでアル?」
「どうした?」
セラの方を見ると少し顔を赤らめている。
「こ、子供は何人くらい欲しい?私はアルが望むならいくらでも頑張るから。」
いきなりとんでもない事を言う。
流石にそれは飛躍しすぎだ。
「流石に早すぎだろう!それに俺はあまりセラに無理をかけたくないからな、そうだな、セラが望むだけにしようか。」
「ふふ。ありがとうアル。じゃあ考えておくわね。」
今後のセラとの、幸せな結婚生活の為にも一刻も早くこの大乱を終わらせなければ。
そして、レインとの事も考えなくてはならないな。
レインにはこの事を黙っているわけにも行かないだろう。
……言ったら言ったで後ろから刺されそうだが。
セラにも言うべきなのだろうが、正直この雰囲気をもっと味わいたいので、やめておこう。
結局やらなければならない事は山積みだ。
その後の諸々の作戦会議等を済ませているとあっという間に数日が過ぎていった。
しかし、一つやり残していることがある事を思い出した。
そう、セラに想いを告げることだ。
正直まだ、先でもよいと思っていたし、なんなら母上が生き返ってからにしようと思っていた。
ただ、イリスが言うには結婚とかは後回しでいいから想いを告げて欲しいと。
確かにいつ死ぬかもわからない今、告げられるうちに想いを告げたほうが良いかもしれない。
そう思った。
だが、彼女居ない歴イコール年齢の童貞(鹿之助の頃を会わせるとそうではないが。)には正直難易度が高すぎる。
俺にとっては無理ゲーかもしれない。
……いや、難易度が高い無理ゲーならばやるしかないな。
場についてはイリスの方でセッティングしてくれたらしい。
一体なんのセッティングなのかはわからないが、取り敢えず指定された部屋へ行く。
部屋へ入るとさほど広くはない部屋にテーブルと椅子が2つ置かれており、テーブルには菓子とお茶がおいてあった。
そして、夕焼け差し込む部屋の窓際にいつもの服装とは違い、まるで、一国の姫かのような衣装を身にまとったセラがいた。
「お、お待ちしておりました。……その、変では無いでしょうか?イリスがどうしても着ろと言うので着てみたのですが……。」
セラが頬を赤らめながら言う。
「……綺麗だ。」
思わず言葉に出してしまう。
しかし、それほどに美しかった。
「……え?」
「あ、いや!えーとその、あれだ!夕焼けが綺麗だなー……なんて……。」
言い訳をしようと思ったがやめる。
ここまで来たのならもう腹を決めるとしよう。
「……いや、そうだな。正直に言おう。今、綺麗と言ったのは紛れもなくセラ。お前のことだ。」
セラからはなんの返答もない。
いや、返答を待つのが怖い。
俺はやはり根性無しなのでセラの顔を見ながら言えない。
もし、断られたらと思うと逃げ出したくなる。
ならばとにかく想いをぶつけるとしよう。
「あー、はじめてお前を見たときから既に惚れていた。一目惚れってやつだな。強く美しく戦場で戦う姿にはいつも目を奪われていた。お前がいる戦場で負ける気など起きなかった。そして、お前と別行動になったとき、まぁあれの原因は置いといて、セラが近くに居ないだけでこんなにも辛いんだと感じた。それに……。」
「ア、アルフレッド様!わかりました!わかりましたから!」
セラの顔を見ると真っ赤である。
そんな様子も久々に見た気がする。
「そうやって顔を赤らめるところも正直可愛く感じてしまってな、ますます好きになってしまった。」
「アルフレッド様!」
我に返る。
「あ、すまん。つい。」
「つい、じゃありません!」
セラは深呼吸をすると返事をしてくれた。
「私もアルフレッド様のお気持ちにお答えします。私はフレン様にお仕えしていた時からフレン様から何度もアルフレッド様の嫁にすると言われてきており、昔から意識はしておりました。ですが、それはフレン様の冗談だと思っていました。そして、いざ共にいると冷静で、そして時には豪快な決断力で大軍を翻弄し、そして兵や民の事を思いやる姿、そして私を従者としてではなく、仲間として扱ってくれた姿を目にし、段々と惹かれて行っておりました。最初は従者としてだと思っていたのですが、気づかぬうちにそれが恋心へと変わっていたのだとイリスのお陰で分かりました。ですので私もアルフレッド様をお慕いしております。」
なるほど確かにこれは恥ずかしい。
でも、これは成功で良いのだろうか。
正直ここまでうまくいってくれるとは思っていなかった。
「あ、ありがとう。それで、今後のことだが。」
「はい。結婚しますか?」
何故かそこは恥ずかしがらずに言う。
「いや、流石に早すぎだろう!」
「そうですか?私は今すぐにでも結婚まで行きたいのですが。」
なんだろう。
両想いだと分かったとたんにグイグイ来てる気がする。
もしやイリスの入れ知恵か?
「まぁ、その事についてなんだが。結婚は母上を生き返らせてからにしたいんだ。」
「なるほど……そうですね。確かにフレン様にお見せしたいです。」
まぁ、セラは元々は母上の従者である。
そこはわかってくれたようだ。
「だからそれまでは、そうだな。周りにはこの関係は伏せておいて置くことにしよう。その方がサプライズにもなるしな。」
「確かに、それは面白そうですね。」
笑うセラ。
やはり笑った姿も可愛いと感じる。
「そういえばその服は一体どうしたんだ?」
「あぁ、これは何やらイリスがジョナサンやジゲン殿に頼んで手を回して貰った物の様です。詳しくは分かりませんけど。」
なるほど。
つまりはジゲンやジョナサンもグルということだ。
絶対イリスから話を聞いて面白がってやっているにちがいない。
あとで絶対問い詰めてやる。
「そういえばセラ。」
「はい?」
「俺達2人きりの時は敬語はやめにしよう。もうそんな間柄でもなくなったんだしさ。」
「……分かりま……分かったわ。じゃあこれからよろしくねアルフレッド様。いえ、アルフレッド。」
そこで一つ思い出した事があった。
「あ、そういえば母上が俺の事をアルと読んで良いのは母親である私とアルの婚約者だけ!とかっていってたな。」
ちらりとセラの方を見る。
するとセラは笑ってくれた。
「ふふ。なら私も貴方をアルと呼ばせてもらうわ。改めてよろしく。アル。」
「あぁ。よろしくなセラ。」
この結果をもたらしてくれた母上の縁には感謝しなくてはならない。
今ここにいると言うことも、あの仲間たちと共にいれるのも、セラとこういう関係になれたのも全ては母上のお陰だ。
必ずや生き返らせて、感謝をのべなくては。
「ところでアル?」
「どうした?」
セラの方を見ると少し顔を赤らめている。
「こ、子供は何人くらい欲しい?私はアルが望むならいくらでも頑張るから。」
いきなりとんでもない事を言う。
流石にそれは飛躍しすぎだ。
「流石に早すぎだろう!それに俺はあまりセラに無理をかけたくないからな、そうだな、セラが望むだけにしようか。」
「ふふ。ありがとうアル。じゃあ考えておくわね。」
今後のセラとの、幸せな結婚生活の為にも一刻も早くこの大乱を終わらせなければ。
そして、レインとの事も考えなくてはならないな。
レインにはこの事を黙っているわけにも行かないだろう。
……言ったら言ったで後ろから刺されそうだが。
セラにも言うべきなのだろうが、正直この雰囲気をもっと味わいたいので、やめておこう。
結局やらなければならない事は山積みだ。
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