王国再興物語〜無理ゲーオタクの異世界太平記〜
予定外の連続
「アルフレッドだと?」
「はい。確かにそう名乗っていましたね。」
高台から護衛の兵に囲まれつつ下の騒ぎを見守る皇帝。
その傍らには第一皇子であるフルートがいた。
「ご報告します!」
「どうした?」
伝令の兵が駆け込んでくる。
「帝国領内全域にて突如として火の手が上がりました!まだ詳細は不明ですが民衆の暴動、もしくは反乱の可能性も!」
伝令の兵は大慌てである。
「……そうか。お前はダメだな。」
「は?」
疑問を口にした刹那伝令兵の首が落ちる。
首から血を吹き出しその場には首のない遺体と困惑の表情のままの顔をした頭部が転がっている。
剣をしまう第一皇子。
(一体いつ抜いたんだ!?)
セイン配下の隠密部隊の一人が護衛の兵に紛れ込んでいた。
あわよくば現場の最高指導者の首をとるように言われていたのだ。
「伝令の原則。事実のみを伝える事だ。それも出来ない奴はいらん。」
皇帝の方へと振りかえる。
「お見苦しいところをおみせしました。ですが、もうひとつご無礼を働きます。」
殺気が向けられる。
剣を抜いたかどうか確認する前にその場を全力で退く。
「ほう。反応は良いな。」
第一皇子は既に剣を抜ききっていた。
後数秒遅ければ彼もそこの伝令と同じ命運を辿っていただろう。
そのまま、その場にいるのはまずいと思い、全力でその場を後にした。
(あんなのがいるなんて聞いてないぞ!)
「どうやら向こうも始まったみたいだな。」
「そうですね。」
セインとローゼンは盗賊ギルドとセインの隠密隊の手勢を一部連れて宝物庫内に侵入していた。
騒ぎに乗じて、手薄になったところを侵入したのであった。
「お、この道は左だな。」
前に侵入したこともあるローゼンの手引きで難なく神具の保管庫まで進めている。
「待て!」
ローゼンが止まるように指示を出す。
「誰かいるな……。」
保管庫へと繋がる部屋の扉の前に誰かがいる。
曲がり角で止まる。
「人数は?」
こちらの手勢は10に満たない。
相手の数によっては何か策を考えなければならない。
「一人だな……。」
「なら……。」
そこでセインは突如として嫌な予感を感じた。
「伏せろ!」
「え?」
前にいたローゼンを押し倒す形で前に倒す。
すると突如として後ろが爆発し瞬く間に炎に包まれる。
こちらの手勢も数名犠牲になってしまった。
「おぉ、久しぶりだな。セイン。」
倒れた状態のまま声の方に振り向く。
爆発から逃れるために曲がり角から出て来たので、そこにいた人物に見つかってしまう。
そこには扉の前にいた見覚えのあるものがそこにはいた。
「何故、貴方が生きている……。」
そこにいたのはセインの父親であるセイルズであった。
「父上!」
「じゃあ行ってくるね。イリス。」
「うん。気を付けてね。」
孤児院にて別働隊の準備をしていたセラとイリス。
この作戦の要でもあるセラはしばらく会えなくなるかもしれないイリスに分かれを告げていた。
「私も出来れば旅に付いて行きたかったんだけど……。」
「ありがとう。でも、孤児院のこともあるからここは任せたよ。」
イリスは孤児院を守るためにこの場に残ることになっている。
イリスは作戦のために最大限の協力をしてくれていた。
「ところでさ、あの王子様のこと好きなの?」
「え!?」
変な声が出るセラ。
「な、なんで!?」
「いやーセラが年下好きなんてねー。」
セラの顔は真っ赤である。
「ち、違うから!」
「あ、そうなの?じゃあ私がもらっちゃおうかな?」
イリスはニヤニヤしながらセラを見る。
「それは駄目!」
「やっぱり好きなんだー。」
からかい続けるイリスにセラは怒りをあらわにする。
「もう知らない!」
「ごめんって。取り敢えずアルフレッド様のところへ行ってきなよ。」
そう言うとセラは笑顔を見せる。
「……はぁ、ありがとう。おかげで緊張がほぐれたよ。じゃ、行ってくるね。」
セラはそのまま孤児院の裏口から出ていった。
「さてと……。」
一息置くと孤児院の扉が叩かれる。
扉を開き出る。
「はい。」
「騎士団のものだが、昨晩ここに大きな荷物が運び込まれたときいた。いま広場はひどい騒ぎになっている。ここがまだ落ち着いている間に不安要素は片付けておくようにと皇帝陛下がおっしゃっている。中を改めさせてもらうぞ。」
騎士団とは言ったが見るからにただの下っ端が3名訪ねてきた。
「お断りします。」
「何だと!?皇帝陛下に逆らうというのか!?」
剣に手をかける雑兵。
「はい。そんなことよりも大事なものがあるので。」
短剣を取り出し、見せる。
一応イリスもフレンに剣術を教わっているので素人ではない。
「こいつ、こっちは3人だぞ!戦えると思ってるのか!」
「いや、まて。」
隣りにいた男が静止する。
「こいつかなりいい女だぞ。今なら何しても広場で暴れてる奴らのせいにできるんじゃないか?」
「……確かにな。」
男達がイリスの体を舐め回すように見る。
すると男達はイリスを囲むように広がり始める。
「決まりだな。」
「っ!……外道め!」
イリスが中央の男に斬りかかる。
しかしやはりかなわず、腕を掴まれ剣は手から落ちる。
「さてと楽しむとするか。」
「おう。」
男達はイリスを押し倒し押さえる。
イリスは怯え、目を瞑る。
(……大丈夫。私が我慢すればセラがアルフレッド様のところへ行ける。)
そう思っていると体が急に軽くなる。
「……私の親友に何をしている!」
「セラ!?」
そこにはセラがおり、イリスをおさえていた男を斬り殺していた。
後ろを見ると侍女隊と盗賊ギルドの数名がそこにはいた。
「こいつらやはり不穏分子か!こっちだ!敵がいるぞ!」
ぞろぞろと敵が集まってくる。
「どうして!?」
「アルフレッド様にね、親友を大事にしろって言われてたの。こっちに来るのは遅くなっても構わないって。」
全員が武器を構える。
セラは弓矢をイリスへと差し出す。
「行ける?」
イリスは立ち上がり渡された弓を取り、構える。
「うん!やって見せる!」
セラは剣を敵の方へ向け、指示を出す。
「とっとと片付けてアルフレッド様の元へいくぞ!」
「はい。確かにそう名乗っていましたね。」
高台から護衛の兵に囲まれつつ下の騒ぎを見守る皇帝。
その傍らには第一皇子であるフルートがいた。
「ご報告します!」
「どうした?」
伝令の兵が駆け込んでくる。
「帝国領内全域にて突如として火の手が上がりました!まだ詳細は不明ですが民衆の暴動、もしくは反乱の可能性も!」
伝令の兵は大慌てである。
「……そうか。お前はダメだな。」
「は?」
疑問を口にした刹那伝令兵の首が落ちる。
首から血を吹き出しその場には首のない遺体と困惑の表情のままの顔をした頭部が転がっている。
剣をしまう第一皇子。
(一体いつ抜いたんだ!?)
セイン配下の隠密部隊の一人が護衛の兵に紛れ込んでいた。
あわよくば現場の最高指導者の首をとるように言われていたのだ。
「伝令の原則。事実のみを伝える事だ。それも出来ない奴はいらん。」
皇帝の方へと振りかえる。
「お見苦しいところをおみせしました。ですが、もうひとつご無礼を働きます。」
殺気が向けられる。
剣を抜いたかどうか確認する前にその場を全力で退く。
「ほう。反応は良いな。」
第一皇子は既に剣を抜ききっていた。
後数秒遅ければ彼もそこの伝令と同じ命運を辿っていただろう。
そのまま、その場にいるのはまずいと思い、全力でその場を後にした。
(あんなのがいるなんて聞いてないぞ!)
「どうやら向こうも始まったみたいだな。」
「そうですね。」
セインとローゼンは盗賊ギルドとセインの隠密隊の手勢を一部連れて宝物庫内に侵入していた。
騒ぎに乗じて、手薄になったところを侵入したのであった。
「お、この道は左だな。」
前に侵入したこともあるローゼンの手引きで難なく神具の保管庫まで進めている。
「待て!」
ローゼンが止まるように指示を出す。
「誰かいるな……。」
保管庫へと繋がる部屋の扉の前に誰かがいる。
曲がり角で止まる。
「人数は?」
こちらの手勢は10に満たない。
相手の数によっては何か策を考えなければならない。
「一人だな……。」
「なら……。」
そこでセインは突如として嫌な予感を感じた。
「伏せろ!」
「え?」
前にいたローゼンを押し倒す形で前に倒す。
すると突如として後ろが爆発し瞬く間に炎に包まれる。
こちらの手勢も数名犠牲になってしまった。
「おぉ、久しぶりだな。セイン。」
倒れた状態のまま声の方に振り向く。
爆発から逃れるために曲がり角から出て来たので、そこにいた人物に見つかってしまう。
そこには扉の前にいた見覚えのあるものがそこにはいた。
「何故、貴方が生きている……。」
そこにいたのはセインの父親であるセイルズであった。
「父上!」
「じゃあ行ってくるね。イリス。」
「うん。気を付けてね。」
孤児院にて別働隊の準備をしていたセラとイリス。
この作戦の要でもあるセラはしばらく会えなくなるかもしれないイリスに分かれを告げていた。
「私も出来れば旅に付いて行きたかったんだけど……。」
「ありがとう。でも、孤児院のこともあるからここは任せたよ。」
イリスは孤児院を守るためにこの場に残ることになっている。
イリスは作戦のために最大限の協力をしてくれていた。
「ところでさ、あの王子様のこと好きなの?」
「え!?」
変な声が出るセラ。
「な、なんで!?」
「いやーセラが年下好きなんてねー。」
セラの顔は真っ赤である。
「ち、違うから!」
「あ、そうなの?じゃあ私がもらっちゃおうかな?」
イリスはニヤニヤしながらセラを見る。
「それは駄目!」
「やっぱり好きなんだー。」
からかい続けるイリスにセラは怒りをあらわにする。
「もう知らない!」
「ごめんって。取り敢えずアルフレッド様のところへ行ってきなよ。」
そう言うとセラは笑顔を見せる。
「……はぁ、ありがとう。おかげで緊張がほぐれたよ。じゃ、行ってくるね。」
セラはそのまま孤児院の裏口から出ていった。
「さてと……。」
一息置くと孤児院の扉が叩かれる。
扉を開き出る。
「はい。」
「騎士団のものだが、昨晩ここに大きな荷物が運び込まれたときいた。いま広場はひどい騒ぎになっている。ここがまだ落ち着いている間に不安要素は片付けておくようにと皇帝陛下がおっしゃっている。中を改めさせてもらうぞ。」
騎士団とは言ったが見るからにただの下っ端が3名訪ねてきた。
「お断りします。」
「何だと!?皇帝陛下に逆らうというのか!?」
剣に手をかける雑兵。
「はい。そんなことよりも大事なものがあるので。」
短剣を取り出し、見せる。
一応イリスもフレンに剣術を教わっているので素人ではない。
「こいつ、こっちは3人だぞ!戦えると思ってるのか!」
「いや、まて。」
隣りにいた男が静止する。
「こいつかなりいい女だぞ。今なら何しても広場で暴れてる奴らのせいにできるんじゃないか?」
「……確かにな。」
男達がイリスの体を舐め回すように見る。
すると男達はイリスを囲むように広がり始める。
「決まりだな。」
「っ!……外道め!」
イリスが中央の男に斬りかかる。
しかしやはりかなわず、腕を掴まれ剣は手から落ちる。
「さてと楽しむとするか。」
「おう。」
男達はイリスを押し倒し押さえる。
イリスは怯え、目を瞑る。
(……大丈夫。私が我慢すればセラがアルフレッド様のところへ行ける。)
そう思っていると体が急に軽くなる。
「……私の親友に何をしている!」
「セラ!?」
そこにはセラがおり、イリスをおさえていた男を斬り殺していた。
後ろを見ると侍女隊と盗賊ギルドの数名がそこにはいた。
「こいつらやはり不穏分子か!こっちだ!敵がいるぞ!」
ぞろぞろと敵が集まってくる。
「どうして!?」
「アルフレッド様にね、親友を大事にしろって言われてたの。こっちに来るのは遅くなっても構わないって。」
全員が武器を構える。
セラは弓矢をイリスへと差し出す。
「行ける?」
イリスは立ち上がり渡された弓を取り、構える。
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