封印から目覚めると鬼娘の私は陰陽師のお嫁になっていました

黒月白華

優平くんの変態攻め

剣を握っていないのに何故か優平くんは元に戻らない。目がイッたままだし、口調も戻らない。

「ゆ、優平くん…何で?戻らないの?」

「ふへへ…ちょっと興奮が治らないんだ…。だって今日俺、鬼の血を被りそこなったり、鈴が拐われて冷静じゃなくなっだろ?お前…どれだけ俺が心配したと思う?俺はもう鈴に…他の男すら視界に入れて欲しくないのに…」

と言うと優平くんは興奮したまま、私の手を掴み、お堂の奥へと導いた。
また襖があり、そこは何と寝所のようだ。貴族様の使う昔の御帳みちょうという天蓋付きのベッドがある。ベッドと言っても浜床の上に真新しい畳が一枚に敷布団が一枚敷いてあった。天井部の帳台から几帳という薄布のカーテンのようなものが上からかけられている。いかにもな貴族仕様のもので庶民には目が痛い。

「これから鈴にきちんと俺が好きか尋問をしてやろう」
と怪しい目付きになり、何かの印を作りハチマキの様なものを2本出現させた。

そして私に近寄ると血走った目付きでハチマキを私の目と手に取り付けた。もちろん痛くない様にしてくれてはいるが…」

「ゆっ…優平くん?これは?尋問って…きゃっ!」
といきなり身体が持ち上げられ姫だきにされたかと思うと優しくどうやら優平くんは私を抱えたまま座ったみたいだが私は優平くんの膝の上に座っている…。

「鈴…今から質問していくから、あのボロっちいアパートで何があったか話すんだ…うへへ。正直に話さないといろいろ触っちゃうからな?」
な、なな…そっ、そんな!私…目隠しされたまま両手を縛られて一体何をされちゃうの!?
旦那様に変態なことされちゃう!!縛られてるから気絶させれないし…。

「じゃあ、質問一。鈴はあの部屋に連れて来られてまずされたことは?」

「えっ?…何かお茶がなくてお水を出されました…ミッキーくん貧乏らしくてお茶っぱが切れていたんです。貧乏が憎いって言ってたから、私も貧乏だったし何か可哀想でした」
するときちんと答えたのに優平くんは太腿を撫でた。

「…っ!?」

「本当なら可哀想な奴だろうけど鈴を拐った奴を同情することはない…」
と言って太腿を撫で続けた。

「じゃあ次の質問だ。あいつに術が解かれたのは酌だが、何で手を握るのを許した?」
と最初に優平くんが天井から入ってきてまず目にしたのを言われた。

「えっ…そ、それは…許したと言うか、術が解けたことを証明する為にミッキーくんが触って来たんです…」
すると優平くんは私の耳に息を吐いた。そしてカプリと痛くない程度に齧る。

「……っ!?」

「ううん、鈴は俺と違って耳は平気なのか…くそう…」
とか言いながらやっぱり太腿を撫で撫でしている。どれだけ太腿が好きなのか。

「それに例え術が解けたことが凄くても簡単に触らせすぎだろお?鈴!警戒心が無さすぎるぞおお?男に変なことさせられたらどうするんだ!?」
と優平くんは太腿を撫でながら言う。むしろ変なことをしてるのは貴方なんですけど!!確かに咄嗟だし、バチッとしなかったから私はああ、解けたんだな?くらいにしか思わなくて警戒していなかったかも。

「んじゃああ、質問三…。あいつに何か言われたか?」

「ええ?えっと…よく見るとスッゲー綺麗な顔してるとか言って人を食ったことも無さそうだし、お前は何だと聞かれたから優平くんのお嫁さんですと答えたら笑って俺のものにしてやれば御先祖の仇が取れるなって…」
と言うと優平くんは首をペロリと舐めた!
少しだけビクリとすると

「なるほどおおお、あいつバカなのか!!そんなことをしたらどうなるか解ってないな?よおおし、鈴任せておけ?後であいつを呪っておこうな?俺の鈴を奪おうと考えるなんて万死に値するから…へへへ1週間くらい鼠に変える呪いをかけておこうな?」

「そっそんなこと出来るんですか!?」
私は驚いた。

「えっへ。俺は聡明様の生まれ変わりだぜ?そんなこと容易いんだよ…」

「後は何もないよ?直ぐに天井から優平くんが入ってきたから…」

「そっかああ、鈴は正直だからもちろん信じてあげるぜえええ。んじゃあいつに触られた手を消毒しないとなあ」
と手を舐め始めた。指の間まで舐められくすぐったくてつい笑う。

「うふふっ!や、やめてえくすぐったいです!ゆ、優平くん!!ふふっ」

「んじゃ、最後の質問…」
舐め終わると優平くんは言う。最後?全部ありのままに言ったのに?もうないよ?
と思ったら指で唇を触り

「俺のことをあいつより好きか?」
と聞かれて恥ずかしくなり身体も熱くなり心臓もキュンとした。

「す、好きに決まっています!!」
と言うと

「ふへ…そうか…」
と言われてキスをされた。何回も。

「くはっ…ゆ、優平くん…そろそろ解いて?もう全部言いましたし…自由にしてください…」

「どうしようかなああ?ふへへへ…。縛られて身動き出来ない鈴…そそる」
と変態が何か大暴走だ。このままではもっと変態的なことをされてしまう…。

「優平くん…お願いです。解いてください。これじゃあ優平くんの綺麗なお顔見られないし手も自由じゃないから私は優平くんに触れないです…。鈴も優平くんに触りたいのです…」
と言うと思い切りゴクリと生唾飲む音が聞こえ、

頰にチュっとキスをされた後

「仕方ねぇなぁ、鈴は…そんなに俺が好きなんだ?解った…。俺の顔を見てもっといいことしようかああ??はあはあ…」
と私のハチマキはやっと取れる。もはや獣みたいに血走っているので私は冷静に

「優平くん…私の絶対領域が好きなんでしょう?もっと触ったり舐めたりキスしたりしていいですよ」
と言うと変態の優平くんは喜んで

「鈴!!流石俺の嫁!!じゃあ、遠慮なくううう!」
と顔を絶対領域に近づけた所で…私は優平くんの首に手刀を浴びせ、優平くんはバタリと気絶した。


首が少し痛い…。あれ?僕は何をして…と目を開けると心配そうに見下ろす鈴さんがいた。

「す、鈴さん…」

「優平くん!良かったです!いつもの優平くん!」

僕はこの状況を瞬時に思い出した!そして先程彼女にすっごく恥ずかしいことを延々としていたあの痴態を!!

「ご、ごごごごご…ごめんなさいいいいいいいい!!!!!!」
と僕はもはや地に頭をつけて謝った!誠心誠意の綺麗な土下座だ。

「優平くん!?何で?ちょっと興奮し過ぎだったから…私このまま荒ぶった優平くんと子作りしても良かったんですけど…」
と鈴さんは顔を赤くしてもじもじしながら

「や、やっぱり…元の正気な優平くんと子作りがしたいと思って…首大丈夫ですか??」
と上目遣いで見られて何だこの可愛い生き物!!と僕の心臓が破裂しそうだ。

「あ、だ、大丈夫だからっ!!えっと…本当にごめん!中々元に戻らなくて心配かけたよね??本当へ、変態でごめん…。あんな風になったら直ぐぶん殴ってくれたらいいんだからね?」

「はい…いきなり縛られてしまったからあまり動けなくてごめんなさい…」

「いや、何で鈴さんが謝るの!?わ、悪いのは僕ですって!!ああなるとほんと手がつけられない!!鬼と戦う時に十二神将を何人かつけるのも興奮した僕を正気に戻させる為がほとんどだし!」
完全に正気でない僕が悪かったのに!!
鈴さんは少し笑って僕の頭を撫でる。くふううう!僕の嫁!可愛い過ぎる!!
あんな変態プレイした僕を許すとか普通ないよ!!
しかも正気の僕と子作りしたいとか…ダメだ、また気絶しそうだ!しっかりしろ僕!



「じゃあ…も、戻ろうか??」

「はい!!」
と手を繋ぎ、優平くんは天空さんを呼びつけまた筆で丸を書いて現世に戻った。

「イチャイチャ終わりました~?」
と天空さんに言われて私はモジモジと赤くなった。荒ぶった変態の優平くんにいろいろと尋問されつつも何かいやらしいこといっぱいされたけど…。
チラリと優平くんを見るとつま先まで真っ赤になり…何も言えないようだ。
流石の天空さんも

「鈴様…一体どんな変態責めにあったんですか?まさか何か道具でも使われてすっごいことを!?」

「ててて、天空!!そそそそそんなもの使っていないし!そそそんなハードなマニアック変態すぎることはしていないよ!!」

「ハチマキは使いましたよ?」
と言うと天空さんは

「ハチマキ…」
と優平くんをジッと見て呆れる。

「ち、ちちちち違うんだ!天空!!ぼ、僕はそんなっ…」

「御当主…みな迄言わずとも…貴方様がど変態なのは十二神将誰もが知る所だから今更ハチマキ攻めですんごいことしてても俺は他の鬼神たちには黙っておきますからねー?…んじゃそう言うことで!」
と天空さんはのんびり言うとボワンと木札に戻った。

優平くんはもはや恥ずかし過ぎて耳まで茹でだこだった。
それから落ち着いた優平くんは白い大きな鳥になった式神を出して私を前に乗せて土倉の家に戻る。

土倉の家は少しだけ焦げ跡はあったけど何とか火の手は回っていない。良かった。私は自分の家が燃えた時のことが急激に脳裏に浮かんでふらりとしたが優平くんが支えた。

「大丈夫?鈴さん顔色が悪い…」

「あらあら、すぐに布団を用意しますね!」
と民代さんは行ってしまう。
カタカタと震えて

「燃えなくて良かった…焦げ跡を見るとどうしても思い出して…」
とすがり付く。よしよしと優平くんは背中を撫でてくれた。優平くんは優しくてどっちの優平くんもやっぱり好きと私は思った。

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