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いくじなし ③

ももちよろづ

20.回想

「リスナーの、皆~!

 今日も、VTuber hitomiの、YouTube LIVEに遊びに来てくれて、アリガト~♡」

『キタ――(゜∀゜)――!』

『hitomiしか勝たんw』

「hitomiね、実は今、リアル子育てしてるの」

『俺達の、hitomiちゃんがw』

『裏切られたw』

『絶許』

「違う違う、hitomiの子供じゃ無いよぉ。

 知り合いから、預かってるの」

『本当かよ?』

「だって、hitomiは、ここに居る、み~んなの、お姫様だもん♡」

『hitomi! hitomi! (゜∀゜)O彡』

「瞳ちゃん、今日も、YouTubeで、生配信?」

俺は、PC前で、バーチャル美少女に成り切る、三十路前の同居人(男)に、声を掛けた。

「はい。 VTuberとして、週一のライブ配信は、外せませんから」

「……喜んでんの、オッサンばっかじゃね? 楽しい? ソレ」

「そこは、言わないのが、お約束です……」

「リアル彼女欲しー!とか、思わねーの?」

「そんなの、欲しいに決まってるでしょ!」

瞳ちゃんは、血の涙を流さんばかりの勢いだ。

「……そう言う、拓児さんは?」

「………居たよ。 一人」

「お」

「大学の時の、サークルの後輩でさ。

 向こうから告られて、付き合い始めたんだけど」

「うん、うん」

「LINEの返信、半日空いたら、

 夜中でも、鬼電と鬼トーク、100件以上寄越して来る子だった」

「ガチ地雷じゃないすか」

「付き合って、2~3ヶ月した頃かな……。

 急に、よそよそしくなって。

 或る日、突然、俺の前から、姿を消しちゃったんだよ」

「えっ……原因に、心当たりは?」

「未だに、分からない」

「その後、音沙汰は……?」

「……全く。 大学も、休学しちゃったから、お手上げ。

 今頃は、何処で、どうしてるのやら……」

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