わたしの祈りは毒をも溶かす!
47話 わたしの祈りは毒をも溶かす!⑭
お祈りを続けること三日間。重度の症状だったお母様や労働者に食欲が出てきた。どうやら中毒から抜けた様だ。でもお母様は三宝の山の責任者。監視付きのイービルの様にお屋敷の中で自由に動くことは禁止されていた。縄で縛られた上、地下室で監禁状態だった。
わたしは軽症の中毒者にお祈りしてるさなか兄上さまから呼ばれ、イービルやモッペルを連れて地下室に降りた。
「お母様……いえ、ジョイコブ夫人。具合が良くなったところでお聞きしたいことがございます」
「この親不孝者がっ! ゲーニウス、自分のしたことがどういうことか分かってるの!?」
「親不孝? 俺は貴女を親と思っちゃいない。子爵家は違法薬物を製造していた。裁かれて当然のことだと思いますが?」
「だからって自分の家を無くす片棒なんか担いでどうするんだい!」
「……質問に答えて貰おう。俺の産みの母を殺したな? お父様の愛人だった人だ。貴女はここで監禁し、ろくに食事も与えず衰弱しきったカラダに阿片を無理矢理吸わせた。あ、そうだ。この前、オリビアにした様に。……どうなんだ?」
「お、覚えてないね。そんな昔のことなんか」
「一緒に現場に居た元執事から聞いたんだ。間違いないだろう?」
「ふん、その元執事とやらは、何かと私に歯向かうから首にしてやったんだ。逆恨みでそんなこと言いふらしてんじゃないの?」
「お母様、正直におっしゃってください」
「なんだい。オリビア。ちょっと口が聞けるようになったからって……アンタねぇ、これまでどれだけ私が世話したと思ってるんだ?」
「わたしはイービルやお母様にちゃんと罪を償って欲しいから阿片抜きをしたのです」
「それはどうも! ねぇ、そこまで仰るなら証拠でもあるのかしら?」
「奥方様、このモッペルが目撃してます!」
「モ、モッペル!? アンタ、何言い出すの!?」
「奥方様には大変お世話になり、頭が上がらない。けど、やっぱり許されることじゃない」
「お前、私を裏切る気かあーー!?」
「アタシもその現場に居たんだよ! 奥方様が殺したんだ。今でもはっきりと覚えてる。目撃したのは他にも沢山居るさ。何やら全員探して証人になって貰うよ!」
「……く、くそお、この恩知らずが!」
「ジョイコブ夫人。貴女は王宮で裁かれます。阿片製造の責任者、そして人殺しの罪でね」
「ふん、好きにしな!」
ーーと、その時のことだ。
カツンコツンと足音が聞こえてくる。その背後にも複数の足音が。振り返るとあの御方が向かって来ていた。
「キース先生!」
「やあ、オリビア。伯爵邸から罪人を連れてきたよ。フレディ伯爵にリュメル子息、それに君の父、ジョイコブ子爵だ。皆、重度の禁断症状になりかけている」
皆、ボロボロになってやつれていた。足元もふらつく歩き方、口からヨダレを垂らすその変わり果てた姿にわたしや兄上さま、イービルそしてお母様が驚いている。
「あ、あなた!? お兄様!?」
「リュメル様!?」
「はぁはぁ……阿片を……」
キース先生は手を伸ばしそんな彼らを紹介する素振りを見せる。
「治してくれるか、オリビア?」
わたしは何も言わずに頷いた。
わたしは軽症の中毒者にお祈りしてるさなか兄上さまから呼ばれ、イービルやモッペルを連れて地下室に降りた。
「お母様……いえ、ジョイコブ夫人。具合が良くなったところでお聞きしたいことがございます」
「この親不孝者がっ! ゲーニウス、自分のしたことがどういうことか分かってるの!?」
「親不孝? 俺は貴女を親と思っちゃいない。子爵家は違法薬物を製造していた。裁かれて当然のことだと思いますが?」
「だからって自分の家を無くす片棒なんか担いでどうするんだい!」
「……質問に答えて貰おう。俺の産みの母を殺したな? お父様の愛人だった人だ。貴女はここで監禁し、ろくに食事も与えず衰弱しきったカラダに阿片を無理矢理吸わせた。あ、そうだ。この前、オリビアにした様に。……どうなんだ?」
「お、覚えてないね。そんな昔のことなんか」
「一緒に現場に居た元執事から聞いたんだ。間違いないだろう?」
「ふん、その元執事とやらは、何かと私に歯向かうから首にしてやったんだ。逆恨みでそんなこと言いふらしてんじゃないの?」
「お母様、正直におっしゃってください」
「なんだい。オリビア。ちょっと口が聞けるようになったからって……アンタねぇ、これまでどれだけ私が世話したと思ってるんだ?」
「わたしはイービルやお母様にちゃんと罪を償って欲しいから阿片抜きをしたのです」
「それはどうも! ねぇ、そこまで仰るなら証拠でもあるのかしら?」
「奥方様、このモッペルが目撃してます!」
「モ、モッペル!? アンタ、何言い出すの!?」
「奥方様には大変お世話になり、頭が上がらない。けど、やっぱり許されることじゃない」
「お前、私を裏切る気かあーー!?」
「アタシもその現場に居たんだよ! 奥方様が殺したんだ。今でもはっきりと覚えてる。目撃したのは他にも沢山居るさ。何やら全員探して証人になって貰うよ!」
「……く、くそお、この恩知らずが!」
「ジョイコブ夫人。貴女は王宮で裁かれます。阿片製造の責任者、そして人殺しの罪でね」
「ふん、好きにしな!」
ーーと、その時のことだ。
カツンコツンと足音が聞こえてくる。その背後にも複数の足音が。振り返るとあの御方が向かって来ていた。
「キース先生!」
「やあ、オリビア。伯爵邸から罪人を連れてきたよ。フレディ伯爵にリュメル子息、それに君の父、ジョイコブ子爵だ。皆、重度の禁断症状になりかけている」
皆、ボロボロになってやつれていた。足元もふらつく歩き方、口からヨダレを垂らすその変わり果てた姿にわたしや兄上さま、イービルそしてお母様が驚いている。
「あ、あなた!? お兄様!?」
「リュメル様!?」
「はぁはぁ……阿片を……」
キース先生は手を伸ばしそんな彼らを紹介する素振りを見せる。
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わたしは何も言わずに頷いた。
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