わたしの祈りは毒をも溶かす!
39話 わたしの祈りは毒をも溶かす!⑥
※ゲーニウス視点
俺は子爵家を怨んでる。特にあの母親と称するご夫人をな。アイツは邪魔なお母様を監禁し阿片を吸わせて殺したんだ。元執事から聞いたことがある。絶対に許せない!
「ゲーニウス様、如何なさいますか?」
「あの地下倉庫の奥に阿片がある。ブツを押さえたいな」
俺の怪我は治っていたが、お見舞いにと仲間が訪れていた。手筈通りだ。今、この屋敷はイービルと僅かな警護の者、使用人が居るだけ。阿片を抑えるには絶好のチャンスだろう。
「扉を破壊して踏み込みますか?」
「いや待て、扉の鍵はご夫人が隠している。だがイービルは在処を知ってる様だ。地下へ行く姿をよく見かけるからな。ここは彼女を待ち伏せしよう」
戦闘服に着替えた我々五人の部隊は密かに地下へ降りて監禁部屋で彼女を待つ。
やがて足音が聞こえてくる。イービルが使用人を連れて地下へ降りて来たのだ。
ガチャガチャと鍵を開けて倉庫に入り、さらに奥の秘密扉の鍵を回す音が聞こえた。
「よし、取り押さえるぞ」
「あっ!? イ、イービル様!」
倉庫の中で待機してる使用人が驚きの声を上げた。
「なにー、どうしたのよ?」
秘密の倉庫から彼女の声がする。
「そこまでだ、イービル!」
「えっ!?」
突然、戦闘服姿の特殊部隊に取り囲まれた彼女は何が起こったのか分からない表情を見せる。だが俺の顔を見て苛立ちの感情が浮かんだ様だ。
「な、何なのよ、兄上さま、ふざけないでよ! ここは立ち入り禁止なの知ってるでしょう!」
「倉庫の中を改める。彼女を確保しろ!」
「ははっ」
「ちょっとどう言うこと!? いや、来ないで! 触らないでよ! ねぇ痛い、痛いってば!」
部隊がイービルを取り押さえ後ろ手に縄をくくりつける。使用人も逃げ出そうとしたが捕まえた。
俺は秘密の倉庫に足を踏み入れた。すると奥に怪しげな木箱が積んでるのが見える。その一つを開けると粉末の入った包紙が大量に入っていた。
「これは阿片だな?」
「兄上さま、こんなことしてタダで済むと思ってるの? つか誰よ、こいつら!?」
「我々は王宮の諜報機関だ。伯爵の領地は違法薬物が蔓延し民が虐げられてるって情報があってな」
「その阿片は子爵家が製造してるのよ? 兄上さまは自分の家を潰す気? 一族として同罪になるわよ?」
「俺は阿片製造に関わり合いがない。オリビアもな。それはあの御方が証明してくださる。だから伯爵家、子爵家は潰れても構わない」
「そんな……でも、伯爵様はお強いわよ? たった五人で何ができるっていうのよ!?」
「ふん、我々を見くびっては困るな。あ、それからお前はオリビアを何度も殺そうとしたよな。後でじっくり取り調べするから覚悟しとけ。恐らく一生、牢屋から出られないだろう」
「あ、兄上……さま?」
さて、準備は整いましたよ。キース様、お待ちしています。
俺は子爵家を怨んでる。特にあの母親と称するご夫人をな。アイツは邪魔なお母様を監禁し阿片を吸わせて殺したんだ。元執事から聞いたことがある。絶対に許せない!
「ゲーニウス様、如何なさいますか?」
「あの地下倉庫の奥に阿片がある。ブツを押さえたいな」
俺の怪我は治っていたが、お見舞いにと仲間が訪れていた。手筈通りだ。今、この屋敷はイービルと僅かな警護の者、使用人が居るだけ。阿片を抑えるには絶好のチャンスだろう。
「扉を破壊して踏み込みますか?」
「いや待て、扉の鍵はご夫人が隠している。だがイービルは在処を知ってる様だ。地下へ行く姿をよく見かけるからな。ここは彼女を待ち伏せしよう」
戦闘服に着替えた我々五人の部隊は密かに地下へ降りて監禁部屋で彼女を待つ。
やがて足音が聞こえてくる。イービルが使用人を連れて地下へ降りて来たのだ。
ガチャガチャと鍵を開けて倉庫に入り、さらに奥の秘密扉の鍵を回す音が聞こえた。
「よし、取り押さえるぞ」
「あっ!? イ、イービル様!」
倉庫の中で待機してる使用人が驚きの声を上げた。
「なにー、どうしたのよ?」
秘密の倉庫から彼女の声がする。
「そこまでだ、イービル!」
「えっ!?」
突然、戦闘服姿の特殊部隊に取り囲まれた彼女は何が起こったのか分からない表情を見せる。だが俺の顔を見て苛立ちの感情が浮かんだ様だ。
「な、何なのよ、兄上さま、ふざけないでよ! ここは立ち入り禁止なの知ってるでしょう!」
「倉庫の中を改める。彼女を確保しろ!」
「ははっ」
「ちょっとどう言うこと!? いや、来ないで! 触らないでよ! ねぇ痛い、痛いってば!」
部隊がイービルを取り押さえ後ろ手に縄をくくりつける。使用人も逃げ出そうとしたが捕まえた。
俺は秘密の倉庫に足を踏み入れた。すると奥に怪しげな木箱が積んでるのが見える。その一つを開けると粉末の入った包紙が大量に入っていた。
「これは阿片だな?」
「兄上さま、こんなことしてタダで済むと思ってるの? つか誰よ、こいつら!?」
「我々は王宮の諜報機関だ。伯爵の領地は違法薬物が蔓延し民が虐げられてるって情報があってな」
「その阿片は子爵家が製造してるのよ? 兄上さまは自分の家を潰す気? 一族として同罪になるわよ?」
「俺は阿片製造に関わり合いがない。オリビアもな。それはあの御方が証明してくださる。だから伯爵家、子爵家は潰れても構わない」
「そんな……でも、伯爵様はお強いわよ? たった五人で何ができるっていうのよ!?」
「ふん、我々を見くびっては困るな。あ、それからお前はオリビアを何度も殺そうとしたよな。後でじっくり取り調べするから覚悟しとけ。恐らく一生、牢屋から出られないだろう」
「あ、兄上……さま?」
さて、準備は整いましたよ。キース様、お待ちしています。
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