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わたしの祈りは毒をも溶かす!

鼻血の親分

24話 また聞こえてます。特殊能力だなんて…⑤

 楽団の控え室にはオーケストラの方々が居る。彼らの前で情報提供していいものか悩ましい。でも何か様子が違った。楽団員の一人が入り口に立って見張りをしてるのだ。

「あぁ、彼らは僕の仲間だ。気にしなくていい」

 この人たちは何者なんだろう? と思いつつも紙とペンを取り出し筆談を始めた。言葉を発してまた聞こえなくなるのは怖いからね。

『先日、侍女と三宝の山に行って来ました。山頂でお食事するためにです。途中、阿片工場や栽培地区を教えて貰い、遠巻きに確認しました。木々で一見分からない様にしてます。それと、警護は厳しいものと思われます。』

「何だって? 侍女とはモッペルか? 彼女は阿片のこと知ってるんだな?」

『はい。工場で働いてたと。』

「これはすごい情報だ。よくやったぞ。オリビア、お手柄だ!」

 楽団の方も驚いて喜んでいる。彼らは先生とともに阿片を追ってる諜報機関の様な組織だと思った。それに兄上さまも絡んでいる。

「そうか。やはり三宝の山か。労働者に紛れて潜入捜査したいが……」
「あー、あー」
「何だ?」

 先生から紙を貰って書く。

『労働者、いえ、街のいたる人々は阿片中毒です。お給金に阿片を支給されてるのです。だから阿片を吸ってしまう危険があります。』

「うむ、街の民を見れば一目瞭然だ。子爵家は阿片で民を奴隷化してる。裏で糸を引いているのはフレディ伯爵だろう。だが、確固たる証拠がない。潜入捜査してもお前の言う通り、阿片の危険が待ってるかもな」

『三宝の山で製造された阿片を何処に集めているのか、お母様ならご存知かと?』

 お母様と先生は恋仲。聞いてみれば? と思ったけどそこで気がついてしまった。

 あ、捜査目的でお母様に近づいてたのか……

「彼女と親しくしてるのは勿論、阿片の流通を知るためだ。だがガードは堅い。この屋敷の何処かに在庫があると踏んでるが見つからないのだ」

 そうなんだ。じゃあ、調べてみようかな。

『お屋敷ならわたしが探してみます。』

「いや、一人では危険だ。お前は妹から命を狙われていた。それにだな、ゲーニウスが探しても見つからないのだ。そう簡単には出てこないと思う」

 むーん、それは困ったな。……あっ!?

『伯爵様がお持ちでは? わたし、伯爵邸へお泊まりに行きますから、探してみます』

「それも駄目だ。勝手が分からない伯爵邸で不審な行動してたら捕まるぞ。あそこはお城だ。広すぎる。とにかく、お前は一人で動いてはいけない」

 そ、そっか。わたしもお役に立ちたいのになぁ。兄上さまとも相談したいよ。

 医務室は看護の者の目がある。直接のお話は難しいだろう。そこで彼の言葉を思い出した。 

 ーーお前も強く念じると妖精になれるかもしれないな……

 妖精か。わたしが兄上さまの思考に入れば、いっぱいお話が出来るよね。

 うん、よし! 今晩挑戦してみるから!














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