【勘違い系お仕事ライフ!】マリアさんはアザと可愛い!~同僚の金髪美少女メイドはいつもオレにだけ優しい。きっとオレが好きなんだと思う………たぶん。

夕姫

15. 使用人と思惑

15. 使用人と思惑



 オレは2階の部屋の掃除を終えて昼食をとる。今日のお昼はなんだろうな?さっき可愛いマリアさんの姿が見れたから気分がいいぜ!そんなことを考えながら食堂に向かおうとするとあの赤髪の女に呼ばれる。

「ちょっと待ちなさいカイル!」

「ああ?なんだよ?」

「なんだよじゃないわよ。掃除用具片付けなさいよ!あなた使ったんだから!子供なのあなた?」

 くそ。なんでこんなに上から目線なんだこいつ……。でもこいつはマリアさんの親友だし、怒らせるわけにはいかない。だからここは我慢だ。

「わかったよ。そっちはお前が持てよ?」

「男のくせに私に持たせるの?このくらい持ってくれてもいいじゃない。まったく……。」

「男とか女とかそういうのはないだろ」

「あっマリアだ」

「オレが持つぜ!それを貸せミーナ!まさかオレが女の子に荷物なんて持たせるわけないだろ?」

 そう言って掃除用具を奪い取り、振り返るとそこには誰もいなかった。

「あれ……マリアさんは?」

「マリアなんていないわよ?」

「はぁ!?お前騙したのか!それに嘘をつくならもっとマシな嘘をつけよ!」

「ふーん……というか私の名前はミーアね。あなたマリアのこと好きなの?」

 突然確信をつかれてオレは動揺する。なんでバレたんだ!こいつやっぱりエスパーか!?

「……マジか」

 そういうとミーアは少し悲しそうな顔をしているように見える。やっぱり……こいつオレのこと好きなのか。

「あのなオレは……」

「……ねぇカイル?あなたマリアのこと知りたいんじゃない?協力してあげようか?」

 えっ?どういうことだ?こいつオレのこと好きなんじゃないの?いや待てよ……もしかしてこいつはとてつもなく良いやつなんじゃないか?自分の気持ちを諦めてオレに協力してくれるとか……。さすがはマリアさんの親友だ!オレはミーアの手を掴み伝える。

「ミーアさん。オレ今まで失礼な態度を取っていたよな。申し訳ない。これからマリアさんと付き合えるように協力してくれないか?よろしくお願いします!」

「ミーアさん?気持ち悪いんだけど……まぁいいわよ協力してあげても。……あと手を離しなさいよ」

 うおおおおおおお!これはいけるかもしれないぞ!ミーアと協力してマリアさんを落としていくんだ!

「……絶対マリアには近づけさせないんだから。こんなやつ」

「何か言ったか?」

「いいえ。困ったことがあったら相談に乗るから。なんでも相談しなさい?なんでも……ね?」

 なんか最後にボソッと言った気がするが気のせいだよな?とりあえずマリアさんとの仲が進展するように頑張ろう。そしていつかマリアさんと一緒に……。フハハハハ!!見ててくれよ神様!オレはこの世界で一番幸せな男になってやるぜ!!!

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