【毒舌系転職ライフ!】『フェアリーテイル』へようこそ!~リリスさんのパーフェクトマニュアル~ギルド冒険者を指南します!
17. 捨てるものと捨てちゃいけないもの
17. 捨てるものと捨てちゃいけないもの
「えっと……何を言っているのかなエミルくん?」
「まぁまぁリリスさん。とりあえずエドガーさんはこちらに座ってください」
オレはカウンターの奥にある椅子を用意してエドガーさんを座らせる。そしてすぐに紅茶を用意する。
「単刀直入に言います。エドガーさん。オレたちのギルド『フェアリーテイル』で働きませんか?もちろん報酬も出します」
「ギルドで?オレが?なぜオレなんだ?それにオレはもう37歳だぞ?こんなおっさんより若い冒険者のほうが将来性もあるんじゃないか?」
エドガーさんは戸惑っているようだったが、オレは構わず続ける。
「先ほど広場でルシーナさんに話を聞きました。なぜあなたが盾騎士にこだわっていたのかを。そしてあなたがギルドを転々としていた理由も」
「ルシーナが?あいつそんなことを……」
「はい。それで思ったんです。あなたはオレたちのギルド『フェアリーテイル』に必要な存在だと」
「必要?オレが?」
「はい。うちは初級冒険者をターゲットとしている。それこそ初めての依頼を受ける人も多い。だからあなたにはこのギルドで『正義のヒーロー』として、初級冒険者を守ってほしいんです」
オレはそうエドガーさんに話す。そうこれはオレの考えでもあり、ギルド『フェアリーテイル』だけの強みにもなる。それを聞いたリリスさんは手をポンッと叩いて話す。
「あー。つまりエミルくんは、依頼を受けに来た初級冒険者から追金を取ってエドガーさんと共に依頼をさせようとしているんですね?ふむ。さすがは商人ですね。お金が稼げるなら利用するというわけですね。納得です!」
……いやリリスさん。間違ってないけど、もっとこう……あるじゃん?言い方ってものさ。まぁ確かにそういう側面はあるけどさ……。
「こほん。オレたち『フェアリーテイル』は初心者でも安心して依頼を任せられるようなギルドにしたいと思っています。その為にあなたの力が必要なんです。」
「オレの力……?」
「あなたはこのギルド『フェアリーテイル』で正義のヒーローになってほしいんです。お願いします!」
そう言ってオレは頭を下げる。オレはどうしてもこのギルドを他のギルドとは差別化させたかったのだ。それがエドガーさんのようなベテランの冒険者がいれば実現できるはずだ。
「話しは分かった。しかし……」
エドガーさんは下を向いて悩んでいるようだ。やはりダメなのか……。そんなことを考えているとリリスさんが話し始める。
「……年を取ると頑固になりますね。この際はっきりさせておきましょう。その年齢で冒険者ランクC。ハッキリ言って冒険者として終わってます。それこそさっきあなた自身が言ったように、将来的に可能性のある若い冒険者のほうが需要があります。誰もあなたをパーティーに入れることなんてありませんよ。」
ちょっ!リリスさん!?それはちょっとストレート過ぎないか?もう少しオブラートに包んであげても……。
「……だろうな」
「そしてあなたは盾騎士。ソロでの依頼やダンジョン攻略なんてもっての他です。」
リリスさんはどんどん毒を吐き続ける。うーん……これは止めるべきだろうか?
「私は元冒険者です。あー。Sランクの。だからこそ分かります。捨てていいものと捨てちゃダメなものを。あなたも大人ですから分かりますよね?」
リリスさんがエドガーさんに語りかける。なんかSランクを強調したけどさ……。それを聞いたエドガーさんは下を向いたままだ。そしてそのまま黙り込む。それでもリリスさんは止まらない。
「ジェシカちゃんに聞きましたよ。毎月孤児院にお金をいれていると。このままでは仕事もない。孤児院の子どもたちは食べるものもなくなり、路頭に迷うことになる。ハッキリ言ってあなたは冒険者としての誇りは捨てるべきです。でも盾騎士として孤児院の子どもたちを守る正義のヒーローとしての誇りは捨てちゃいけない。違いますか?」
「…………」
リリスさんの問いかけに答えられずにいるエドガーさん。
「あなたはまだやり直せるはずですよ。だってまだ37歳じゃないですか。まだまだこれからでしょう?ここにはあなたを必要とする人がいて、あなたは必要とされる。そして孤児院の子どもたちを守る正義のヒーローとして生きる。これほど幸せなことはないと思いませんか?」
「……本当にオレを必要としてくれるのか?」
「えぇもちろん。マスターがそう言っていますから」
そう答えるリリスさんの顔はとても優しい笑顔だった。
「オレは……オレは子供たちを守りたいんだ!困っている人を助けてあげられるような正義のヒーローになりたいんだよ!!」
エドガーさんの目からは涙が溢れていた。
「もちろんです。あなたは『フェアリーテイル』の一員となって冒険者を守ってください。それでいいですよねエミルくん?」
「はい。歓迎しますよエドガーさん」
「ありがとう。よろしく頼む」
こうしてオレたちのギルドに新たな仲間が加わったのだった。
「えっと……何を言っているのかなエミルくん?」
「まぁまぁリリスさん。とりあえずエドガーさんはこちらに座ってください」
オレはカウンターの奥にある椅子を用意してエドガーさんを座らせる。そしてすぐに紅茶を用意する。
「単刀直入に言います。エドガーさん。オレたちのギルド『フェアリーテイル』で働きませんか?もちろん報酬も出します」
「ギルドで?オレが?なぜオレなんだ?それにオレはもう37歳だぞ?こんなおっさんより若い冒険者のほうが将来性もあるんじゃないか?」
エドガーさんは戸惑っているようだったが、オレは構わず続ける。
「先ほど広場でルシーナさんに話を聞きました。なぜあなたが盾騎士にこだわっていたのかを。そしてあなたがギルドを転々としていた理由も」
「ルシーナが?あいつそんなことを……」
「はい。それで思ったんです。あなたはオレたちのギルド『フェアリーテイル』に必要な存在だと」
「必要?オレが?」
「はい。うちは初級冒険者をターゲットとしている。それこそ初めての依頼を受ける人も多い。だからあなたにはこのギルドで『正義のヒーロー』として、初級冒険者を守ってほしいんです」
オレはそうエドガーさんに話す。そうこれはオレの考えでもあり、ギルド『フェアリーテイル』だけの強みにもなる。それを聞いたリリスさんは手をポンッと叩いて話す。
「あー。つまりエミルくんは、依頼を受けに来た初級冒険者から追金を取ってエドガーさんと共に依頼をさせようとしているんですね?ふむ。さすがは商人ですね。お金が稼げるなら利用するというわけですね。納得です!」
……いやリリスさん。間違ってないけど、もっとこう……あるじゃん?言い方ってものさ。まぁ確かにそういう側面はあるけどさ……。
「こほん。オレたち『フェアリーテイル』は初心者でも安心して依頼を任せられるようなギルドにしたいと思っています。その為にあなたの力が必要なんです。」
「オレの力……?」
「あなたはこのギルド『フェアリーテイル』で正義のヒーローになってほしいんです。お願いします!」
そう言ってオレは頭を下げる。オレはどうしてもこのギルドを他のギルドとは差別化させたかったのだ。それがエドガーさんのようなベテランの冒険者がいれば実現できるはずだ。
「話しは分かった。しかし……」
エドガーさんは下を向いて悩んでいるようだ。やはりダメなのか……。そんなことを考えているとリリスさんが話し始める。
「……年を取ると頑固になりますね。この際はっきりさせておきましょう。その年齢で冒険者ランクC。ハッキリ言って冒険者として終わってます。それこそさっきあなた自身が言ったように、将来的に可能性のある若い冒険者のほうが需要があります。誰もあなたをパーティーに入れることなんてありませんよ。」
ちょっ!リリスさん!?それはちょっとストレート過ぎないか?もう少しオブラートに包んであげても……。
「……だろうな」
「そしてあなたは盾騎士。ソロでの依頼やダンジョン攻略なんてもっての他です。」
リリスさんはどんどん毒を吐き続ける。うーん……これは止めるべきだろうか?
「私は元冒険者です。あー。Sランクの。だからこそ分かります。捨てていいものと捨てちゃダメなものを。あなたも大人ですから分かりますよね?」
リリスさんがエドガーさんに語りかける。なんかSランクを強調したけどさ……。それを聞いたエドガーさんは下を向いたままだ。そしてそのまま黙り込む。それでもリリスさんは止まらない。
「ジェシカちゃんに聞きましたよ。毎月孤児院にお金をいれていると。このままでは仕事もない。孤児院の子どもたちは食べるものもなくなり、路頭に迷うことになる。ハッキリ言ってあなたは冒険者としての誇りは捨てるべきです。でも盾騎士として孤児院の子どもたちを守る正義のヒーローとしての誇りは捨てちゃいけない。違いますか?」
「…………」
リリスさんの問いかけに答えられずにいるエドガーさん。
「あなたはまだやり直せるはずですよ。だってまだ37歳じゃないですか。まだまだこれからでしょう?ここにはあなたを必要とする人がいて、あなたは必要とされる。そして孤児院の子どもたちを守る正義のヒーローとして生きる。これほど幸せなことはないと思いませんか?」
「……本当にオレを必要としてくれるのか?」
「えぇもちろん。マスターがそう言っていますから」
そう答えるリリスさんの顔はとても優しい笑顔だった。
「オレは……オレは子供たちを守りたいんだ!困っている人を助けてあげられるような正義のヒーローになりたいんだよ!!」
エドガーさんの目からは涙が溢れていた。
「もちろんです。あなたは『フェアリーテイル』の一員となって冒険者を守ってください。それでいいですよねエミルくん?」
「はい。歓迎しますよエドガーさん」
「ありがとう。よろしく頼む」
こうしてオレたちのギルドに新たな仲間が加わったのだった。
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