【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~

夕姫

70. ギルドの決まりごと

70. ギルドの決まりごと



 オレは昨日の咲夜さんに言ったことを思い出していた。

「ヤバい……思い出したら手が震えてきた。よく言えたよな」

 あれは半ば告白だよな……。咲夜さんはどう思ってるのだろうか?なんかよそよそしくなったら嫌だなぁ。

「考えても仕方ない。よし!」

 とりあえず今は気にしないようにしよう。きっと大丈夫だろう。うん、そうに違いない。そのままリビングに行くと咲夜さんがいた。

「おは、おはよう咲夜さん」

「おはよう颯太君。どうしたの?」

「いやなんでもない……」

 良かった。いつも通りの咲夜さんだ。それに今日も可愛いな。最近は寝巻き姿だったが今日は私服だった。

「咲夜さんってさ、私服だと雰囲気変わるね」

「そうかな?」

 今日の服装は白のブラウスに紺色のスカートだ。シンプルだけど、とても似合っていた。

「可愛いかしら?」

「え?あっああ!」

「ふふ。ありがとう」

 微笑みながら言う咲夜さんはとても可愛かった。もし咲夜さんと結婚したらこんな感じなのかな……ってまだ付き合ってねぇし!何を考えてんだオレは!

「颯太君。ちょっと相談があるんだけどいいかしら?」

「相談?」

 そのままリビングのテーブルの椅子に座り咲夜さんが話し出す。

「その……もし良かったらだけど、お互いソロ攻略をやめてパーティー攻略一本にしたいと思うんだけどどうかしら?」

「それって家事を分担してやるってこと?」

「……うん」

 咲夜さんは顔を赤くしながら俯いて小さな声で答える。正直めちゃくちゃ嬉しい提案だ。ヤバすぎてテンション上がるんだが。

「私はあまり家事得意じゃないけど、颯太君が昨日言ってくれたから。魔王を倒すまでは一緒にいてくれるんでしょ?」

「もっもちろん!魔王を倒すまではずっと一緒だから安心してくれ」

「ありがとう。それじゃ分担を決めましょう!」

 そう言って咲夜さんは家事分担表を作り始める。……なんかオレだけ料理の日多くない?

「あれ?咲夜さん。オレの料理の日が多いような?」

「そうかしら?気のせいじゃないかしら?」

「気のせいか?」

 まあ別に良いんだけどさ。咲夜さんと料理を作ったことあるけど、なんか危なっかしかったし。

「洗濯はさすがに別々にしましょ。掃除はこの作戦会議室をやる。これで決まりね!これで私たちのギルドの決まりごとが増えたわ!」

 咲夜さんはすごく嬉しそうだ。こうしてオレ達はそれぞれの分担を決め、新しい生活が始まるのだった。

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