【絶対攻略不可?】~隣の席のクール系美少女を好きになったらなぜか『魔王』を倒すことになった件。でも本当に攻略するのは君の方だったようです。~
19. 密偵(スカウト)
19. 密偵(スカウト)
学校の昼休み。オレはいつものように購買のパンを食べようとしていると、性懲りもなくアイツはまた咲夜さんの話題を持ちかけてくる。
「なぁ霧ヶ谷。柊さんって可愛いな。あの人のプライベートとか謎で気になるよな?」
「おい冬馬。もう詮索するのはやめておけよ。また他の男子にボコボコにされるぞ?」
「いや……なんかさ。最近柊さんがお前の隣の席にいるところを見てると、どうも胸騒ぎするんだよ」
「え? それはどういうことだ?」
「なんだろうな。自分でもよくわからないけど、霧ヶ谷が羨ましいというか、そんな感じだ」
なんだこいつ。エスパーか?学校では一言も喋らないし、咲夜さんは徹底的にモブキャラ生徒Aを演じている。もしかしてオレからなんか怪しいオーラでも出てるのか!?
オレが咲夜さんを見ると、いつものように黙々とパンを食べている。うん。やっぱりいつもと違う……ちょこちょこ一口ずつ食べてる。もしかしてモブキャラ生徒Aはそういう設定なのかも。
「柊さん。彼氏はいないみたいだけど好きな人はいるのかな?聞いてみようぜ!」
「おいやめろバカ!」
「ねぇ柊さん!好きな人いるの?」
あーあ。言っちゃったよコイツ……。またこれは面倒くさいことになりそうだ。
「……」
咲夜さんはこちらを睨み付ける。もうそれは獲物を仕留めるかのような殺意の籠った目付きだった。
「ねぇどうなの?好きな人いるの?」
冬馬のその言葉を無視して咲夜さんはスマホをいじり始める。そしてなぜかオレのスマホが震える。画面を見ると『柊咲夜』の文字。
メッセージ!?まさか『理解できないんですか?もう信用できません。今日中に出ていってください。さよなら』とかだったら……。
オレは震える手で咲夜さんのメッセージをひらく。『霧ヶ谷君。なんか2人だけの秘密って意外に楽しいわね』……へ? めちゃめちゃ楽しんでる!?咲夜さんの方を見ると、無表情でこちらに目を合わせようともしない。
「あの柊さん?聞こえてる?」
「……いたら何なんですか?」
「あっいや……」
そう冷たく言い放つと咲夜さんはそのまま立ち上がり、一瞬オレを見てからいつものようにどこかに行ってしまう。流石に怒ったかもな……。教室には微妙な空気が流れる。
そして冬馬はクラスの男子にボコボコにされている。本当に懲りないやつだよこいつ。
そんなことを考えているとまたオレのスマホにメッセージがくる。
『霧ヶ谷君。なんか楽しくなってきたわ。こういう秘密の密偵みたいなのも刺激があっていいわね?』
咲夜さん……。オレはそのメッセージを見て『オレもですよ。咲夜さん小悪魔ですね?』と返すと『え?私にインプ的な要素あったかしら?』と返ってくる。
やっぱり咲夜さんは咲夜さんだった。
学校の昼休み。オレはいつものように購買のパンを食べようとしていると、性懲りもなくアイツはまた咲夜さんの話題を持ちかけてくる。
「なぁ霧ヶ谷。柊さんって可愛いな。あの人のプライベートとか謎で気になるよな?」
「おい冬馬。もう詮索するのはやめておけよ。また他の男子にボコボコにされるぞ?」
「いや……なんかさ。最近柊さんがお前の隣の席にいるところを見てると、どうも胸騒ぎするんだよ」
「え? それはどういうことだ?」
「なんだろうな。自分でもよくわからないけど、霧ヶ谷が羨ましいというか、そんな感じだ」
なんだこいつ。エスパーか?学校では一言も喋らないし、咲夜さんは徹底的にモブキャラ生徒Aを演じている。もしかしてオレからなんか怪しいオーラでも出てるのか!?
オレが咲夜さんを見ると、いつものように黙々とパンを食べている。うん。やっぱりいつもと違う……ちょこちょこ一口ずつ食べてる。もしかしてモブキャラ生徒Aはそういう設定なのかも。
「柊さん。彼氏はいないみたいだけど好きな人はいるのかな?聞いてみようぜ!」
「おいやめろバカ!」
「ねぇ柊さん!好きな人いるの?」
あーあ。言っちゃったよコイツ……。またこれは面倒くさいことになりそうだ。
「……」
咲夜さんはこちらを睨み付ける。もうそれは獲物を仕留めるかのような殺意の籠った目付きだった。
「ねぇどうなの?好きな人いるの?」
冬馬のその言葉を無視して咲夜さんはスマホをいじり始める。そしてなぜかオレのスマホが震える。画面を見ると『柊咲夜』の文字。
メッセージ!?まさか『理解できないんですか?もう信用できません。今日中に出ていってください。さよなら』とかだったら……。
オレは震える手で咲夜さんのメッセージをひらく。『霧ヶ谷君。なんか2人だけの秘密って意外に楽しいわね』……へ? めちゃめちゃ楽しんでる!?咲夜さんの方を見ると、無表情でこちらに目を合わせようともしない。
「あの柊さん?聞こえてる?」
「……いたら何なんですか?」
「あっいや……」
そう冷たく言い放つと咲夜さんはそのまま立ち上がり、一瞬オレを見てからいつものようにどこかに行ってしまう。流石に怒ったかもな……。教室には微妙な空気が流れる。
そして冬馬はクラスの男子にボコボコにされている。本当に懲りないやつだよこいつ。
そんなことを考えているとまたオレのスマホにメッセージがくる。
『霧ヶ谷君。なんか楽しくなってきたわ。こういう秘密の密偵みたいなのも刺激があっていいわね?』
咲夜さん……。オレはそのメッセージを見て『オレもですよ。咲夜さん小悪魔ですね?』と返すと『え?私にインプ的な要素あったかしら?』と返ってくる。
やっぱり咲夜さんは咲夜さんだった。
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