【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

114. 春秋の再会

114. 春秋の再会



 オレは黒崎と別れてから家に帰るためにアパートに歩いていく。そんな時突然スマホが鳴る。画面を見ると母親からだった。

「もしもし?」

 《あっ!秋人?今大丈夫?》

「ああ。どうしたんだ?今年は実家に帰らないけど?」

 《それは平気。それより夏帆ちゃんとうまくやってるの?》

「やってるよ。そんなことを聞きたかったのか?切るぞ?」

 《違うわよ。秋人悪いんだけど、今から駅に行けるかしら?雛山さん家の千春ちゃんがいるのよ。秋人と夏帆ちゃんの学校の見学に行ったみたいなんだけど、心配じゃない?だからお願い》

「千春が?とりあえず駅にいくよ」

 《千春ちゃんの連絡先聞いてるから送っておくわね》

 オレは電話を切って、急いで駅に向かう。

 雛山千春。オレの従妹だ。昔からよく一緒に遊んでいたが最近会っていない。2つ下の妹みたいな存在で、おとなしく普通の女の子って印象なんだがなオレは。

 まぁいいか。久しぶりに会うわけだし、少しぐらい話してみるかな。そして駅に着くと母さんのメッセージの通り1人の女の子が荷物を持って立っていた。その外見は小柄で長い髪がよく似合う美少女だった。

「千春……か?」

「秋兄?久しぶり。なんか変わらないね」

 千春は少し微笑む。あまり感情をださないのは昔と変わらないな。

「本当に久しぶりだな。何年ぶりだろう?」

「5年ぶりくらいじゃない?最後に会ったのは私が中学に入る前」

「そうだっけ?」

「うん」

「とりあえず、オレの家に行くか。スーパーの買い物の帰りだからさ。そのあとホテルに送ってやるよ」

 そう言ってオレは千春と共にアパートに帰ることにする。千春……だいぶ成長したな……色々。そんなこんなで部屋に着く。

「ここが秋兄の部屋か……ふーん」

「なんもないぞ。とりあえず泊まるホテルはどこだ?」

「泊まるところ?」

「ああ。送ってやるよ」

「ここだけど?おばさんから聞いてないの?」

「は?」

 オレはスマホのメッセージを確認すると、母さんから「ちなみに千春ちゃん泊めてあげてね」と入っていた。おいこら勝手に決めるなよ……。

「あっでも秋兄。彼女いるんだよね?悪いから違うところ探したほうがいいよね」

 そうしてほしいが、初めて東京に来た女の子を放り出すわけにも行かないし、別に何をするでもない。

「泊まっていけよ。色々話したいこともあるしな」

「いいの?彼女怒らない?」

「怒るかもしれんが、別にオレと千春は従妹だから問題ないだろ」

「ありがとう。秋兄優しいね。それじゃ今日と明日よろしくお願いします」

 こうしてオレは従妹の千春を家に泊めることになったのだった。

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