【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

104. 新婚さんに見えますかね

104. 新婚さんに見えますかね



 そして大晦日。夏帆は実家に電話をして帰らない旨を伝えている。

「うん。大丈夫だって!うん。それじゃあね。良いお年を……。ふぅ。心配しすぎなんですよね」

「そりゃ娘だからな。女の子一人じゃ心配するだろ?」

「……えへへ、そうですね。でも私には先輩がいますから!」

 と言ってオレの腕にしがみついてくる。いや、あのさ。胸当たってるから。わざと当ててるよね?

「んーどうしましたかぁ?先輩?もしかして……いやーん。明日まで我慢してくださいよぉ!」

「いや、何も言ってないが?それに……もしそうだとしても、まだ夜まで時間あるだろ?」

「そ、それはそうなんですけど……。今日はダメです!ま、また今度お願いします……」

 と顔を赤くして夏帆は俯く。お前が先に言ったんだからな?その反応されると困るんだが……今は耐えろ。堪えるんだオレの理性。

「とりあえず買い出しに行こうぜ。年越しそばの天ぷらそばの具材」

「そっそうですね!そうしましょう!」

 と言うことで近所のスーパーに向かうことに。ただ買い物に行くだけだというのに夏帆は終始笑顔で、腕を組んで歩く始末である。もう諦めたよオレは。

 そんなこんなでスーパーに到着し、早速必要なものをカゴに入れていく。まずは海老天。これは買うとして、後は何を作ろうかな。とりあえず野菜をいくつか入れよう。ネギとかニンジンとか玉ねぎとか。

「ねぇ先輩。私たち周りから新婚さんに見えますかね?」

「そんなわけないだろ?仲の良いカップルにしか見えんだろ」

「仲の良いカップル……ですよね!もう先輩ったら!照れちゃいますよ!」

 と嬉しそうにする夏帆。その反応がウザい。まぁそれはそれで良いんだが……スーパーの中ではやめて欲しい。

 こうして食材を買い揃え、帰宅することに。ただこの帰り道も腕を組みながら帰ることになってしまった。夏帆はずっとご機嫌な様子だったからいいか。

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