【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?
85. 逃げているだけ
85. 逃げているだけ
文化祭当日。周りは賑やかで、みんな楽しそうに笑っている。オレはそんな様子を入り口の案内所で黒崎と共に眺めていた。
そしてそのまま文化祭は過ぎていく。初日も2日目も何事もなく終わる。文化祭は最終日を迎えていた。
「神原君。ごめんなさいね。手伝ってもらって。」
「いや別にいいよ。本当に文化祭を回る予定もなかったから」
「そう……」
そう言ってからしばらくして、黒崎が口を開く。
「やっぱり言わせてもらうわ。学級委員として見過ごせないから。あの子はあなたと文化祭回りたいんじゃないのかしら?」
「だからオレと夏帆は付き合ってないから」
「付き合ってないと文化祭回っちゃいけないのかしら?そんなルールないわよ?」
「そういうわけじゃ……」
オレは黒崎にそう言われて言葉が詰まる。確かに付き合っていない男女が一緒に文化祭を回っても問題はない。しかしオレはあいつと2人で文化祭を回るつもりはなかった。
それは学校ではお互い絡まないようにしているから……でも本当にそれでいいのか?と最近思うことが大きくなっている。
「ねぇ神原君。あなたってずるい人なのね?」
「え?」
「私が見てもあの子があなたを好きなのは分かるわ。もちろんあなたも気づいているでしょ?なのに何もしないんだもの。そんなどっち着かずの反応されちゃ彼女が可哀想よ。」
「オレは……」
「付き合わないなら、ちゃんと断ってあげるべきなんじゃないかしら?あの子は恋をする権利があるわ。あなたがそんな態度だから期待してるんじゃないのかしら?」
「……」
「あとは私にはよく分からないけど、もしかして自分とは釣り合わないから、学校では避けているのかしら?あの子を傷つけたくないとか思っているならそれは大きな間違いだと思うわよ。それに噂になっているのだし、今さら意味がないと思うけど?」
「どういうことだ?」
「そのままの意味よ。周りがどう見るかじゃなくてあなたがどうしたいかじゃないのかしら?中途半端な優しさなんて時に人を傷付けるだけなんだから」
「……」
その言葉はどこか自分の心に突き刺さったような気がした。そして同時に今まで見ようとしていなかったことに気付かされた。
「黒崎……オレは……」
「文化祭は今日で終わりよ?今更何を悩んでいるのか知らないけど後悔だけはしないようにね。ここは私1人で大丈夫だから。行ってあげなさい」
「ありがとう……!」
「私はそういうのが嫌いなだけよ。別にあなたの応援してるわけじゃないから」
黒崎の言っていることは正論だ。オレが逃げていただけ。だからオレは夏帆に会わなくちゃいけない。そして伝えなくちゃいけない。オレはそのまま夏帆の教室に走って向かうのだった。
文化祭当日。周りは賑やかで、みんな楽しそうに笑っている。オレはそんな様子を入り口の案内所で黒崎と共に眺めていた。
そしてそのまま文化祭は過ぎていく。初日も2日目も何事もなく終わる。文化祭は最終日を迎えていた。
「神原君。ごめんなさいね。手伝ってもらって。」
「いや別にいいよ。本当に文化祭を回る予定もなかったから」
「そう……」
そう言ってからしばらくして、黒崎が口を開く。
「やっぱり言わせてもらうわ。学級委員として見過ごせないから。あの子はあなたと文化祭回りたいんじゃないのかしら?」
「だからオレと夏帆は付き合ってないから」
「付き合ってないと文化祭回っちゃいけないのかしら?そんなルールないわよ?」
「そういうわけじゃ……」
オレは黒崎にそう言われて言葉が詰まる。確かに付き合っていない男女が一緒に文化祭を回っても問題はない。しかしオレはあいつと2人で文化祭を回るつもりはなかった。
それは学校ではお互い絡まないようにしているから……でも本当にそれでいいのか?と最近思うことが大きくなっている。
「ねぇ神原君。あなたってずるい人なのね?」
「え?」
「私が見てもあの子があなたを好きなのは分かるわ。もちろんあなたも気づいているでしょ?なのに何もしないんだもの。そんなどっち着かずの反応されちゃ彼女が可哀想よ。」
「オレは……」
「付き合わないなら、ちゃんと断ってあげるべきなんじゃないかしら?あの子は恋をする権利があるわ。あなたがそんな態度だから期待してるんじゃないのかしら?」
「……」
「あとは私にはよく分からないけど、もしかして自分とは釣り合わないから、学校では避けているのかしら?あの子を傷つけたくないとか思っているならそれは大きな間違いだと思うわよ。それに噂になっているのだし、今さら意味がないと思うけど?」
「どういうことだ?」
「そのままの意味よ。周りがどう見るかじゃなくてあなたがどうしたいかじゃないのかしら?中途半端な優しさなんて時に人を傷付けるだけなんだから」
「……」
その言葉はどこか自分の心に突き刺さったような気がした。そして同時に今まで見ようとしていなかったことに気付かされた。
「黒崎……オレは……」
「文化祭は今日で終わりよ?今更何を悩んでいるのか知らないけど後悔だけはしないようにね。ここは私1人で大丈夫だから。行ってあげなさい」
「ありがとう……!」
「私はそういうのが嫌いなだけよ。別にあなたの応援してるわけじゃないから」
黒崎の言っていることは正論だ。オレが逃げていただけ。だからオレは夏帆に会わなくちゃいけない。そして伝えなくちゃいけない。オレはそのまま夏帆の教室に走って向かうのだった。
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