【究極の押し掛けラブコメ】後輩ちゃんは先輩と付き合ってます!!?

夕姫

46. 色々な味がありますね

46. 色々な味がありますね



「じゃーん!見てください先輩!かき氷器を買ったんですよ!一緒にやりましょ!かき氷食べたいですよね?」

「いや、オレは別に……」

「いいからいいから!」

 そう言うと白石は小さな赤いかき氷器を持ってきて、オレに渡してきた。

「はい。お願いします先輩!」

「オレがやるのかよ?お前が食べたいんだろ?」

「力仕事は彼氏の仕事ですよ?彼女の私にやらせるつもりですか?」

「だから彼氏じゃねぇだろ!まぁ女の子にやらせるのもあれだからやるけどよ……」

「先輩優しい!それでこそ私の彼氏!」

 だから違うんだが……まぁこいつに何を言っても無駄だから放っておく。とりあえずオレはかき氷器に氷をセットしてハンドルを回した。するとガリガリという音が響き始め、綺麗な雪のようなものが出来上がってきた。

「おぉ~!すごいですね先輩!めっちゃ美味しそうです!」

「あぁ。意外と上手く出来たな」

「先輩は何味がいいですか?普段の私とのラブラブ甘々なイチゴ味か私とのファーストキスを想像させるレモン味、あとは私の胸のようなメロン味、あとはブルーハワイもありますよ?どれがいいですか?」

「聞き方が本当にうぜぇ。しかもメロンほどお前は巨乳じゃないし」

「でも先輩は私くらいがちょうどいいですよね?」

「シロップの話はどこいったんだよ!」

 結局、自分で好きな味を選ぶことになったのだが……オレはあえてブルーハワイを選んだ。理由は特にない。ただ何となく選んだだけだ。しかしそんなオレを見た白石はニヤリと笑ってこう言った。

「ふっふっふ……。さては先輩、照れましたね?」

「……お前はオレを怒らせた。もうお前のは作ってやらん。自分で作れ」

「ごめんなさい!冗談ですよ冗談!謝りますから許してくださいよ~」

 白石は両手を合わせて上目遣いで謝ってきた。やめろよその顔……。こんなことで怒ってたらキリがないと思い、すぐに気持ちを切り換えた。

「……ったく。仕方ねぇな。次ふざけたこと言ったらもう作らねぇからな」

「ありがとうございます先輩!大好きです!」

「はいはい。ありがとよ」

 こうして、たかがかき氷を作って食べるだけなのに白石のウザさ加減を改めて実感させられた1日だった。

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