28.　人生ゲームだから？

28.　人生ゲームだから？

「ねぇ先輩見てくださいよ！けん玉！」

「なんでそんなの持ってんだよ？」

「部屋にあったんですよ。間違っておじいちゃんの持って来ちゃったんです！私、こう見えて得意なんですよ？ほらっ！」

　けん玉を器用に回しながら玉を上にあげている。……動く度にスカートが捲れそうになるんだが……ってかパンツ見えるぞ……。

「ん？ちょっとどこ見てるんですか？いやーん。エッチ。」

「お前が見ろって言ったんだろ！その格好が悪い。不可抗力だろ？こっちだって白石のパンツなんか見たくもないって」

「先輩。その割には顔赤いですけど？」

「うるさい。黙れ」

「ふぅーん。まぁいいですよ私たち付き合ってますし」

「付き合ってはいない」

「じゃあ先輩。次はこれやりましょうよ！」

　そう言って次に白石が持ってきたのは人生ゲームだった。……なんでこんなに持ってくるんだよ……。

「テレビゲームは下手ですけど人生ゲームなら負けませんから！私強いので！」

「人生ゲームに強いとか弱いとかあんのかよ。まぁいいや、お前先でいいからルーレット回せよ」

「はいはいっと」

　しばらく人生ゲームをやっていく。たまにはこういうのも悪くはないし意外に楽しめる。

「ちょっと先輩……どんだけ子供作るんですか？車に乗れてないですよ？」

「仕方ねぇだろ？そういうマスにしか止まらないんだから！」

「本当ですかぁ？狙ってません？」

「なんだよその顔」

「それに、求められるのはいいですけど……私そんなに産めないですよ？」

「これは人生ゲームだからな！？うぜぇ。もうやめるぞ？」

「わー待ってくださいよぉー！私も先輩みたいに子供欲しいです！」

「変な風に言うのやめろよ！」

　……結局この日、オレはずっと白石につき合わされ人生ゲームをやり続けた。ちなみに何回やってもオレは子沢山でゴールをしてしまった。