【最強知識の聖女様】私はただの聖女なのです。本の知識は優秀なのです! ~聖魔法?そんなの知らないのです!~

夕姫

55. 魔力測定

55. 魔力測定



 私とロゼッタ様とフィオナは今マジカリア城にいるのです。街で魔術書を購入するために今の魔力量をギルフォード様に測って貰おうとロゼッタ様が言ったからなのです。この世界では魔法の能力に等級があるのです。確か……本に書いてあったのです。

 第0等級・・・いわゆる生活魔法
 第1等級・・・初級の魔物と戦える程度の魔法
 第2等級・・・中級の魔物と戦える程度の魔法
 第3等級・・・上級の魔物と戦える程度の魔法
 第4等級・・・最上位クラスの魔法
 第5等級・・・賢者、魔女クラスの魔法

 魔力の等級は各国の王城に在籍している賢者様が測ることができるのです。だからギルフォード様にお願いしに来ているのです。

 まぁ……魔力を鑑定するには「魔力測定器」と呼ばれるものを使うのです。それを使うには結構な量の魔力が必要になるらしいです。

 私も昔一度見て貰ったことがあるのですけど……。その時に私がやったら……なぜか魔力測定器が壊れちゃったのです……。だから今度こそちゃんと測ってほしいのです!

 私がそんなことを考えながら待っているとロゼッタ様とフィオナの身体検査が終わる。そしていよいよ魔力を測って貰うことにするのです。

「それではアリーゼ様から測りましょう。」

「はい。お願いしますなのです!」

 ギルフォード様はまず魔力を測定するための水晶玉のような魔道具の上に手をかざすように指示をしたのです。ギルフォード様の言葉に私は従い手を乗せると……魔道具の上に乗せた手にバチっと電流が流れました。それを見て私は思わず声を出してしまう。

「あぅっ!?」

「大丈夫ですか?アリーゼ様?」

「だ、だいじょうぶなのです……。」

 ギルフォード様は心配してくださるのです。ううっ痛いのです…。きっと今の私は少し涙目になっているのです。そしてギルフォード様は再度魔力を計るために水晶に手を起き測定をし始める。するとあの時と同じ嫌な音が聞こえたのです。 

「ふぇ?!」

 パリン!

「…………」

「ご、ごめんなさいぃぃぃぃ!!」

 ……またやってしまったのです。ギルフォード様が固まってしまったのですよ。私の魔力量を測るたびに割れる魔道具なんて……誰が使えると言うのですかね……。

「魔力測定器が…こんなこと初めてですが…とりあえず代わりのものを持ってきましょう。アリーゼ様は後で、次はフィオナ様を測りましょう。」

 そう言ってギルフォード様は奥の部屋に行ってしまったのですよ……。ああ~どうしようなのです……。絶対怒ってるのです…。あんな顔をしていたのですから……。

 そしてフィオナ、ロゼッタ様と測っていく。その後また私の番なのです!しかしこの後測っても測っても同じような音を立てて割れ続ける魔力測定器……。

 こうして私は測定不能判定されたのです。その理由は分からないのです…もしかして私の魔力量は計測不可になるほど多すぎるのです?私が50万人に一人の逸材だったとかなのです?よく本の物語にあるあるなのです!!私はギルフォード様に聞いてみると残念な答えが返ってくるのです。

「いえ。アリーゼ様の魔力はほとんど感じられません。」

「ですよね。私はもう生活魔法ですら使うことができないのです……」

 私が落ち込んでいるとその後様子を見てフィオナとロゼッタ様が話しかけてくるのです。

「なんで毎回測った瞬間に割れてしまうのかな。不思議。」

「まぁ……元気出すのじゃ……。普通ならどんなに強い魔術師でも、魔力量が5等級あっても……全くわからないということはないと思うのじゃがな……。」

「それなのですがロゼッタ様。アリーゼ様は一応聖女。魔術の等級とは異なるもの。それが影響している。アリーゼ様の場合どの系統の魔術にも適性がなかったのでこのような反応がでているかもしれませんね……」

 それは紛れもない事実。だって私はただの聖女なのです!魔力測定器で測れなかったのは残念なのです。まぁこのまま落ち込んでいても仕方ないのです!ロゼッタ様とフィオナの測定が出来たので良しとするのです!

 それにまだ街には行ってないのです!2人に合いそうな魔術書を探すのです!今日は楽しみなのです! 私はそう思うことで気を持ち直したのです。

 そのあと街の本屋で魔術書を購入するために色々なお店に行くことにしました。まず最初に行ったのがこの街で一番大きな魔術書を取り扱ってる専門店なのです!ここはなんでも売っているのです。

 だからここでロゼッタ様とフィオナに合う魔術書を探すのです!店内に入るのです。そこにはたくさんの魔法に関する本が置いてあったのです。さて……何から買えばいいのでしょう?

「あのロゼッタ様とフィオナはどんな属性魔法がつかえるのです?」

「ん?一応ワシは魔女じゃからどの属性でも使えるぞ。」

「ボクも!」

 なんと優秀な2人なのです。それならフィオナは剣を使うから魔法剣関連の本を買うのが良いのです! ロゼッタ様は何がいいのですかね……?やっぱり魔女なので闇魔法系なのですかね?

「ロゼッタ様は魔女なので闇魔法系とかどうです?」

 ロゼッタ様は私の言葉を聞いて一瞬固まり震えだし、なぜか私を怒り始めるのです。

「バカ者!!闇魔法なぞ陰キャの魔女の魔法じゃろ!ワシの事をどうみてるのじゃ!」

 えぇ………魔女に「陽」とか「陰」とかあるのです!?そんなこと言われたって知らないのです……。

「それなら氷魔法はどうなのです?ロゼッタ様の髪の毛と…」

「氷魔法はガリ勉の魔女じゃろ!ワシはガリ勉ではない!」

 ……ああ。これが本に書いてあった面倒な女子の特徴なのです。どうせロゼッタ様は最初から決まってるのです。

 それにロゼッタ様が「陽」なんて絶対ないのです! いつも昼寝ばかりしてるのに完全な「陰」なのですよ!私は心の中で叫びました。

 結局、炎系の魔術書を購入することに決めたのでした。まぁロゼッタ様が最後は喜んでいたので良しとするのです。私は聖女なのです!そんなことで怒らないのです!

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