【最強知識の聖女様】私はただの聖女なのです。本の知識は優秀なのです! ~聖魔法?そんなの知らないのです!~

夕姫

53. 成長期?

53. 成長期?



 私たちがマジカリア鉱山探索をしてから2日がたったのです。依然としてマジカリア鉱山のドラゴン討伐は続いているのです。また新たに大型のドラゴンも目撃されたようで戦闘が激化しているようなのです。とりあえず私たちは「ミスリル」発掘は後回しにして、ミルディが修行中の間に魔法都市ルナノワールの露店で魔術書を探すことにしたのです。

 出発はどうせロゼッタ様が起きてからなのです。私とフィオナは朝食の準備をする。初めは何も作れなかったフィオナが今では私のお手伝いが出来るまでになったのです。こういう部分も成長が早いのですフィオナは。まぁ一応フィオナは元貴族令嬢ですし、何もできないのは普通なんですけどね……。

 ちなみに今日のメニューはオムレツとトーストなのです!昨日の残りのサラダもあるし十分なのです!今日は早くに目が覚めたのです。これはいつもより豪華な朝ごはんになるのです!!


 そして私とフィオナが朝ごはんを食べているとロゼッタ様の部屋から大きな叫び声と大きな物音が聞こえるのです!私はトーストを口にくわえながらロゼッタ様の部屋に急ぐことにするのです!

「どうしたのです!?ロゼッタ様!?」

「あっあけるでない!!アリーゼ!!」

 その言葉が私の耳に届くよりも早く私の手はロゼッタ様の部屋の扉を開ける。するとそこには凄い光景があったのです!

 フィオナは真っ赤な顔をして両手で顔を隠す。私の視界には胸の小さな膨らみ、腰は細くくびれていて肌は透き通るような白さ。なぜか全裸のロゼッタ様がいたのです。

 私が呆然としている間にロゼッタ様は勢い良く布団に潜り込み布団に丸まっているのです。

「バカ者!!早く扉を閉めるのじゃ!恥ずかしい!」

「ロゼッタ様…何してるのです?服も着ないで?」

「仕方ないのじゃ…服もローブも破れたのじゃ!!」

 部屋の床には確かに破れているローブが散らばっていた。それにしても……なぜ全裸だったのでしょう?そう言えば昨日よりも全体的に身体が大きくなった気がするのです……。

 胸の小さな膨らみもありましたし、まさか……本当に成長期なのです?女の子ってこんなに早く大きくなるのですか!?いえ、そんなことあり得ないのです!でもこの事実を突きつけられれば否定できる要素がないのです。もしかして魔女ってこんな感じなのですか?

 私が思考を整理しようとしているとロゼッタ様が私に言うのです。

「魔力が戻ったからじゃ!あの時のガウェインの魔力がワシの身体に馴染んだんじゃろ。だから身体が少し戻ったのじゃ!すまぬワシのローブを買って来てほしいのじゃ。」

「ローブ?私のローブじゃダメなのです?」

「お主のはサイズが合わんじゃろ!無駄に大きい胸しおって!前がすかすかするじゃろ!」

 ひどい言われようなのです…私は悪くないのです。好きでこうなったわけではないのです。

 しかし全裸で居てもらっても困るので私とフィオナはロゼッタ様のローブを買いに街にでることにするのです。宿屋をでる前に私に色々注文や文句を言っていたのですが無視するのです。

「やっぱり黒いローブがいいかな?」

「私は白なので黒の方が被らないのでいいのです!私は聖女、ロゼッタ様は魔女なのです。」

「えっ?そういう分け方なのローブの色って…?」

 フィオナは首をかしげているけど、きっとそうなのです。そもそもこの街で白いローブを纏っている人なんて滅多にいないのです。いるとすれば聖職者だけ。そして黒いローブの魔術師はほとんど見ないのです。

 そんなことを話しながら歩いていると露店が立ち並ぶ通りに着くのです。どこの国でも都市の大通りは賑やかなのです。特に露天商たちが張り切るこの時期は特に活気付くみたいなのです。

「そういえばボク、師匠の身体のサイズわからないけど?アリーゼ様分かるの?」

「魔法士のローブは少し大きめに出来ているのです。さっき私が見たロゼッタ様の身体つきからフィオナとあまりかわらないのです。だからフィオナが試着すればいいのですよ。お願いできますか?」

「ボク?うん!ローブ着てみたい!」

 フィオナは凄い可愛らしい笑顔で答えてくれたのです。私とフィオナは魔法防具屋に入りロゼッタ様に似合いそうなローブを探すことにするのです。

「師匠ってどういうデザインが好きなのかなぁ……?」

「フィオナの好きな物でいいのです。そういうのは弟子が選んであげると喜ぶのです。」

「本当!?う~ん。そうだなぁ。可愛い感じのがいいんじゃないかなぁ。師匠可愛いし。」

 フィオナが嬉しそうに店内を見渡しながら言うのです。なるほど、それならこれはどうでしょう。私は一つのローブを手に取るのです。

 それは真っ黒のフード付きのコートのようなものでした。裾が長くスカートのようにも見えるのです。ロゼッタ様ならなんでも着こなしてくれると思うのです。ちょっと胸元が開き気味で少し攻めすぎだけど可愛いのです。まぁどうせロゼッタ様は開いてても問題ないのです。

「これなんかどうですフィオナ?」

「アリーゼ様!それ可愛い!星形のマークが所々に散りばめられてて。ボクもそれがいいと思う!」

「じゃあこれを買うのです!きっとロゼッタ様も気に入るのです!」

 私たちはそのローブを手にとってレジに向かうのです。ロゼッタ様喜んでくれるといいのです! ローブを購入した私たちは宿屋に戻りロゼッタ様に早速着替えて貰うことにするのです。

 そして私とフィオナが待つ部屋の扉が開く。

「どっ…どうじゃ?その…少し若すぎんか…胸元も開きすぎのような?それにこの星形のマークとかも…」

「わぁ…師匠可愛い!やっぱり似合う。それを選んで良かった!」

 ローブを着て出てきたロゼッタ様が照れくさそうに言うのです。恥ずかしがることは無いのです。とてもよくお似合いなのです! さすが私が選んだものなのです!ローブの上から胸のあたりを抑えている姿もすごく愛くるしいのです! 

「ふふん。なんじゃ、その…ワシが着れば何でもよいのか?まぁ……礼は言っておくぞ。ありがとな。」

「いえ。気に入って貰えたならそれでいいのです。」

「うん。ボクも!」

 ロゼッタ様は嬉しそうにローブを撫でながら言うのでした。そんな様子を見て私とフィオナは顔をあわせ微笑みあうのでした。

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