【最強知識の聖女様】私はただの聖女なのです。本の知識は優秀なのです! ~聖魔法?そんなの知らないのです!~
19. アリーゼ ~ロゼッタ視点~
19. アリーゼ ~ロゼッタ視点~
ワシはロゼッタ=ロズウェル。かつての大昔。この世界の奇跡とも呼ばれている大聖女ディアナと共に突如として空から黒い光の柱の魔物を討伐した『極悪非道の魔女』『竜殺しの魔女』などと呼ばれている伝説の魔女じゃ。
常闇の森の中で魔力が戻るのをひっそりとスローライフ的な感じで生活しておったのじゃが…突然ワシの結界を通り抜けてやってきた「聖痕」を失くした聖女アリーゼと魔法鍛冶屋のミルディと出会う。そして半ば強引にアリーゼに言われ旅に同行しておる。
まぁ魔力が早く戻るならそれに越したことはないし、何より大聖女ディアナと同じ「聖痕」を失くしたという事実に興味があったのも理由じゃな。
そして今日もいつものようにギルドの初心者の魔物討伐を終えて宿屋に戻る途中なのじゃ。
「それよりアリーゼもミルディもワシをコキ使いおって!全く最近の若いもんは!礼儀がなっとらん!」
それには理由があるのじゃ。最近ではワシがギルドに行くと他のギルド冒険者から『幼女魔法使い』とか呼ばれてるのじゃ!解せん!ワシは竜をも一捻りできる最強の魔女なんじゃぞ!…まぁ今はそこまでの魔力がないのも事実じゃが…。
街の大通りを歩いていると見慣れた後ろ姿が見える。そうアリーゼじゃ。何か店の前で悩んでいるようじゃが…
「あやつは何をしておるのじゃ?」
あの店は確か……。
あそこは最近街にやってきた行商人がやっておる店で主にアクセサリーを売っている店じゃな。
アリーゼが何やら店の中に入って行くのを確認してからワシもその店に入ることにした。店の中に入ると様々な装飾品が置かれていてまるで宝石箱の中に迷い込んだような気分になる。
そんな中アリーゼの姿を探すと難しい顔をして商品を見ておるのが確認できる。……あれはブレスレットか?
「うむむっなのです。こっちも似合いそうなのです」
確かにどっちでも今のアリーゼには似合いそうな代物ではあるのじゃが……。しかし今ひとつ決めかねているのかなかなか手に取ろうとしない。ワシはそんなアリーゼを見かねて声をかける。
「おいアリーゼ。ここで何をしておるのじゃ?」
「はわ!ロゼッタ様!?いつからここにいるのです!?」
「お主を店の前で見かけての。一体何をしておるのじゃ?」
「その…。えっと…」
なんか歯切れが悪いのぉ。もったいぶらず言えばよいものを。ワシはそのブレスレットを見る。ふむ、シンプルなデザインだが中々良い品じゃな。ワシも昔はよく身につけていたものよ。
「アリーゼ。お主に似合うと思うのじゃ。欲しいなら買ったらどうじゃ?」
「私のじゃないのです。もうバレてしまったので話すのです。これはロゼッタ様に買おうと思ってたのです。いつもギルドで資金を稼いでくれているので。ミルディと一緒にプレゼントしようと思っていたのです。」
「ワシに……?」
……正直驚いたのじゃ。まさかワシのような人間にそのような事を考えるとは思ってなかったからの。
ワシ自身あまり人と関わるのが好きではない。だから極力関わらないようにしてきたつもりじゃったが……。
「でも、ちょうど良かったのです。着けてみてください。」
そういうとワシの腕にブレスレットを着けてくれる。うっすらと青い色をしたそれはワシの髪の色にも似たような色合いなので違和感なく馴染んでくれる。
……不思議なやつじゃ。まだ出会ってそんなに月日も立っておらんのに。誰かのためにこんなことをしようだなんてお人好しじゃの。ミルディもじゃが。
「わぁ似合っているのです!どうですかロゼッタ様?」
「まぁ…悪くはない…のじゃ…」
ワシがそういうとアリーゼは嬉しそうな顔をしてそのブレスレットを購入する。
そして宿屋への帰り道。歩いているとアリーゼがワシに微笑みながら話してくる。
「良かったです。気に入ってくれて」
「えっ?」
「だってずっとそのブレスレットを嬉しそうに見ながら触っているのです。」
「ちっ違うのじゃ!!魔法の詠唱の時に邪魔にならないかイメージしてたのじゃ!」
ワシは顔が赤くなる。身体も熱くなる。そしてアリーゼが更に言ってくる。
「ロゼッタ様。それはツンデレなのです!本に書いてあったのです素直じゃないです。」
「!?うるさいうるさい!ワシをからかうのはやめるのじゃ!」
「痛いのです。杖で叩かないでくださいなのです…」
まったくこの小娘は……。まぁいい。ワシも少しは変わったということなのかの。そう思いながらワシはアリーゼと並んで宿屋まで歩く。
でもワシはこの不思議な関係が心地よく感じる。気まぐれで森を出たのじゃが、こういうのも悪くはないのじゃ。
アリーゼがこの先どうなっていくかは分からんが、ワシはワシなりにしばらく見守っていこうかのぉ。
ワシはロゼッタ=ロズウェル。かつての大昔。この世界の奇跡とも呼ばれている大聖女ディアナと共に突如として空から黒い光の柱の魔物を討伐した『極悪非道の魔女』『竜殺しの魔女』などと呼ばれている伝説の魔女じゃ。
常闇の森の中で魔力が戻るのをひっそりとスローライフ的な感じで生活しておったのじゃが…突然ワシの結界を通り抜けてやってきた「聖痕」を失くした聖女アリーゼと魔法鍛冶屋のミルディと出会う。そして半ば強引にアリーゼに言われ旅に同行しておる。
まぁ魔力が早く戻るならそれに越したことはないし、何より大聖女ディアナと同じ「聖痕」を失くしたという事実に興味があったのも理由じゃな。
そして今日もいつものようにギルドの初心者の魔物討伐を終えて宿屋に戻る途中なのじゃ。
「それよりアリーゼもミルディもワシをコキ使いおって!全く最近の若いもんは!礼儀がなっとらん!」
それには理由があるのじゃ。最近ではワシがギルドに行くと他のギルド冒険者から『幼女魔法使い』とか呼ばれてるのじゃ!解せん!ワシは竜をも一捻りできる最強の魔女なんじゃぞ!…まぁ今はそこまでの魔力がないのも事実じゃが…。
街の大通りを歩いていると見慣れた後ろ姿が見える。そうアリーゼじゃ。何か店の前で悩んでいるようじゃが…
「あやつは何をしておるのじゃ?」
あの店は確か……。
あそこは最近街にやってきた行商人がやっておる店で主にアクセサリーを売っている店じゃな。
アリーゼが何やら店の中に入って行くのを確認してからワシもその店に入ることにした。店の中に入ると様々な装飾品が置かれていてまるで宝石箱の中に迷い込んだような気分になる。
そんな中アリーゼの姿を探すと難しい顔をして商品を見ておるのが確認できる。……あれはブレスレットか?
「うむむっなのです。こっちも似合いそうなのです」
確かにどっちでも今のアリーゼには似合いそうな代物ではあるのじゃが……。しかし今ひとつ決めかねているのかなかなか手に取ろうとしない。ワシはそんなアリーゼを見かねて声をかける。
「おいアリーゼ。ここで何をしておるのじゃ?」
「はわ!ロゼッタ様!?いつからここにいるのです!?」
「お主を店の前で見かけての。一体何をしておるのじゃ?」
「その…。えっと…」
なんか歯切れが悪いのぉ。もったいぶらず言えばよいものを。ワシはそのブレスレットを見る。ふむ、シンプルなデザインだが中々良い品じゃな。ワシも昔はよく身につけていたものよ。
「アリーゼ。お主に似合うと思うのじゃ。欲しいなら買ったらどうじゃ?」
「私のじゃないのです。もうバレてしまったので話すのです。これはロゼッタ様に買おうと思ってたのです。いつもギルドで資金を稼いでくれているので。ミルディと一緒にプレゼントしようと思っていたのです。」
「ワシに……?」
……正直驚いたのじゃ。まさかワシのような人間にそのような事を考えるとは思ってなかったからの。
ワシ自身あまり人と関わるのが好きではない。だから極力関わらないようにしてきたつもりじゃったが……。
「でも、ちょうど良かったのです。着けてみてください。」
そういうとワシの腕にブレスレットを着けてくれる。うっすらと青い色をしたそれはワシの髪の色にも似たような色合いなので違和感なく馴染んでくれる。
……不思議なやつじゃ。まだ出会ってそんなに月日も立っておらんのに。誰かのためにこんなことをしようだなんてお人好しじゃの。ミルディもじゃが。
「わぁ似合っているのです!どうですかロゼッタ様?」
「まぁ…悪くはない…のじゃ…」
ワシがそういうとアリーゼは嬉しそうな顔をしてそのブレスレットを購入する。
そして宿屋への帰り道。歩いているとアリーゼがワシに微笑みながら話してくる。
「良かったです。気に入ってくれて」
「えっ?」
「だってずっとそのブレスレットを嬉しそうに見ながら触っているのです。」
「ちっ違うのじゃ!!魔法の詠唱の時に邪魔にならないかイメージしてたのじゃ!」
ワシは顔が赤くなる。身体も熱くなる。そしてアリーゼが更に言ってくる。
「ロゼッタ様。それはツンデレなのです!本に書いてあったのです素直じゃないです。」
「!?うるさいうるさい!ワシをからかうのはやめるのじゃ!」
「痛いのです。杖で叩かないでくださいなのです…」
まったくこの小娘は……。まぁいい。ワシも少しは変わったということなのかの。そう思いながらワシはアリーゼと並んで宿屋まで歩く。
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