【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
37. 自己主張も必要です
37. 自己主張も必要です
そして翌日。私たちは馬車に荷物を運ぶ。ミゼットの街の住人が昨日のパンのお礼に手伝ってくれたので、思ったより早く終わった。
「これで全部かしらね。フィーナ忘れ物ない?すぐには取りにこれないからね?」
「なんで私にだけ言うんですか~大丈夫ですよ!」
いや。フィーナが一番心配なんだけど。まあ大丈夫でしょう。きっと……多分……。
私たちが荷造りを終えてると、街の人たちも集まってきた。
「あら?皆さん、わざわざありがとうございました」
私は頭を下げると皆口々に別れの言葉を言ってくれる。
「こちらこそ!パン最高だったよ」
「また来てくれよ!」
「元気でね!」
「お嬢ちゃん達、気をつけるんだよ」
私は一人一人の顔を覚えようと必死に見た。こんな風に見送られるなんて初めてだもの。そこにシャノンがやってくる。
「リンネ。もう行くの?」
「ええ。私は聖都リーベル=アイルでパン屋を開くんだから」
「そっか……ならさ」
シャノンは騎士団から支給されている通信魔法具を地面に叩きつける。
パキィンッ!! 粉々になった破片を踏みつけながら彼女は言った。
「これでしばらくは自由に行動できますね。私は私らしく生きていくことにしましたから、騎士団のことは任せてください。あなたのことは私が守ります。」
「シャノン……」
「だからリンネ。あなたは立派なパン屋になって。大好きなパンを作ってください。」
「ありがとう。シャノンも立派な騎士になってね。またどこかで。」
「はい」
私たちは握手をして別れた。そして馬車に乗り込み出発する。シャノンはずっと手を振っていた。私は振り返らなかったけど、心の中でいつまでも手を振り続けた。でも、またどこかで会えるような気はするけどね。
「リンネ様。シャノンさん良い人でしたね。私も少しずつ人間のことをわかってきた気がします!やっぱり笑顔が見れるのはエルフも人間も同じです。嬉しいですし。」
「そう良かったわね」
「私もパン屋さんやるの楽しかった!次までに私もスープ作れるようにしたいな」
「ルチアさん。やる気ありますね!ボクもお手伝いしますから、何でも言ってくださいね!」
「うん!ありがとうエドお兄ちゃん!」
みんな楽しそうで何よりだ。店長としては嬉しい限りだけどね。まあいいわ。騎士団のことはシャノンに任せて、とりあえず次の街に向かいましょうかね。
「エド。次の街は決まってる?」
「あっそのことなんですけど……このまま陸路を行くと『ダジュール砂漠』を越えることになります」
ダジュール砂漠。別名 死の砂漠と呼ばれており、気温は40度を超えるという。この大陸最大の面積を誇る広大な砂の海である。
そのため水の確保が難しいため食料確保も難しい。さらにモンスターも多く生息しており、商人にとっては難所となっている。そこを越えた先に商業都市があるのだけど……
「リンネ様。あの砂漠を通るとなるとかなり危険ですよ?水や食料はもちろんのこと、日差しも厳しいですし……」
「そうなのよね……うーん困ったわねぇ……」
「どうしますか?迂回して進むにしてもどんどん商業都市から離れていきますし、時間がかかると思いますけど」
確かに……これは問題だ。砂漠越えをするしかないのかしら……迂回なんかしてたら、いつまで立ってもパン屋なんか開けないし。そんなことを考えているとルチアがあることを話してくる。
「ねぇねぇ。私ねニルバにいる時、砂漠を走る船があるって聞いたことあるよ。」
「砂漠を走る船ですか?人間の世界にはそんなものがあるんですか?」
「砂船ですか……たしかに聞いたことがあります。砂漠で遭難した旅人を乗せて助けてくれるっていう噂ですね。そんなのあるかどうか分かりませんけど。あくまで噂ですよ」
砂船……なんかすごい響きね。ちょっと面白そうだから乗ってみたいかも。
「まぁ。とはいっても、私たちには選択肢はないし、その砂船を探してみるのもいいかもしれないわね。とりあえず砂漠の手前の街まで行って見ましょうか。情報を集めるのも必要だしね」
こうして私たちは、砂漠越えの手がかりの砂船の情報を集めるために砂漠の手前の街に向かうことになったのだった。
そして翌日。私たちは馬車に荷物を運ぶ。ミゼットの街の住人が昨日のパンのお礼に手伝ってくれたので、思ったより早く終わった。
「これで全部かしらね。フィーナ忘れ物ない?すぐには取りにこれないからね?」
「なんで私にだけ言うんですか~大丈夫ですよ!」
いや。フィーナが一番心配なんだけど。まあ大丈夫でしょう。きっと……多分……。
私たちが荷造りを終えてると、街の人たちも集まってきた。
「あら?皆さん、わざわざありがとうございました」
私は頭を下げると皆口々に別れの言葉を言ってくれる。
「こちらこそ!パン最高だったよ」
「また来てくれよ!」
「元気でね!」
「お嬢ちゃん達、気をつけるんだよ」
私は一人一人の顔を覚えようと必死に見た。こんな風に見送られるなんて初めてだもの。そこにシャノンがやってくる。
「リンネ。もう行くの?」
「ええ。私は聖都リーベル=アイルでパン屋を開くんだから」
「そっか……ならさ」
シャノンは騎士団から支給されている通信魔法具を地面に叩きつける。
パキィンッ!! 粉々になった破片を踏みつけながら彼女は言った。
「これでしばらくは自由に行動できますね。私は私らしく生きていくことにしましたから、騎士団のことは任せてください。あなたのことは私が守ります。」
「シャノン……」
「だからリンネ。あなたは立派なパン屋になって。大好きなパンを作ってください。」
「ありがとう。シャノンも立派な騎士になってね。またどこかで。」
「はい」
私たちは握手をして別れた。そして馬車に乗り込み出発する。シャノンはずっと手を振っていた。私は振り返らなかったけど、心の中でいつまでも手を振り続けた。でも、またどこかで会えるような気はするけどね。
「リンネ様。シャノンさん良い人でしたね。私も少しずつ人間のことをわかってきた気がします!やっぱり笑顔が見れるのはエルフも人間も同じです。嬉しいですし。」
「そう良かったわね」
「私もパン屋さんやるの楽しかった!次までに私もスープ作れるようにしたいな」
「ルチアさん。やる気ありますね!ボクもお手伝いしますから、何でも言ってくださいね!」
「うん!ありがとうエドお兄ちゃん!」
みんな楽しそうで何よりだ。店長としては嬉しい限りだけどね。まあいいわ。騎士団のことはシャノンに任せて、とりあえず次の街に向かいましょうかね。
「エド。次の街は決まってる?」
「あっそのことなんですけど……このまま陸路を行くと『ダジュール砂漠』を越えることになります」
ダジュール砂漠。別名 死の砂漠と呼ばれており、気温は40度を超えるという。この大陸最大の面積を誇る広大な砂の海である。
そのため水の確保が難しいため食料確保も難しい。さらにモンスターも多く生息しており、商人にとっては難所となっている。そこを越えた先に商業都市があるのだけど……
「リンネ様。あの砂漠を通るとなるとかなり危険ですよ?水や食料はもちろんのこと、日差しも厳しいですし……」
「そうなのよね……うーん困ったわねぇ……」
「どうしますか?迂回して進むにしてもどんどん商業都市から離れていきますし、時間がかかると思いますけど」
確かに……これは問題だ。砂漠越えをするしかないのかしら……迂回なんかしてたら、いつまで立ってもパン屋なんか開けないし。そんなことを考えているとルチアがあることを話してくる。
「ねぇねぇ。私ねニルバにいる時、砂漠を走る船があるって聞いたことあるよ。」
「砂漠を走る船ですか?人間の世界にはそんなものがあるんですか?」
「砂船ですか……たしかに聞いたことがあります。砂漠で遭難した旅人を乗せて助けてくれるっていう噂ですね。そんなのあるかどうか分かりませんけど。あくまで噂ですよ」
砂船……なんかすごい響きね。ちょっと面白そうだから乗ってみたいかも。
「まぁ。とはいっても、私たちには選択肢はないし、その砂船を探してみるのもいいかもしれないわね。とりあえず砂漠の手前の街まで行って見ましょうか。情報を集めるのも必要だしね」
こうして私たちは、砂漠越えの手がかりの砂船の情報を集めるために砂漠の手前の街に向かうことになったのだった。
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