【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
32. 業務に支障がでるなら恋愛禁止にします
32. 業務に支障がでるなら恋愛禁止にします
そしてその日の夜。フィーナとルチアは今日買った本をちゃんと読んでるかしら?とか考えていると部屋にいるエドが話しかけてくる。
「あのリンネ様」
「ん?どうかした?」
「あっいや。せっかくルチアさんも仲間になったのでギルドの依頼を二手に分かれてこなしたほうが効率が上がると思って。資金だって倍のスピードで貯まりますし、どうですかね?」
確かにエドの言う通りではある。1人増えれば出費だって増えるだろうし、簡単な依頼なら出来そうだ。
「例えば?」
「そうですね……危険な魔物討伐はやらないとして、簡単な魔物討伐とか薬草採取とかどうでしょうか?」
ふむ、悪くない提案だ。ルチアは草花の知識はあるようだし、もし魔物が出てきても芋虫の魔物以外なら私が軽く焼くことができる。芋虫の魔物が出てきたら逃げればいいしね。
「出来れば早めに商業都市ウィンディスタンに行きたいですからね。このままじゃいつになってもリンネ様のパン屋が開けないですし」
「そんなこと言って、本当はルチアと一緒にいたいだけじゃないのエド?」
「なっ!?そ、そんなことありませんよ!」
顔を真っ赤にして否定するエドを見て私はクスッと笑う。まったくこの子は素直じゃないんだから。
「まぁいいわ。とりあえず明日から依頼を受けてみましょうか」
「ありがとうございます!さすがリンネ様!」
そして翌日。私たちは朝食を食べた後、宿を出て街を歩く。鉱山の街ということもあり様々な店があり、鍛冶屋や武器屋などが多い気がする。
「私ちゃんとできるかなぁ……」
「大丈夫よ。別に魔物とかと戦うわけじゃないんだし」
「そうですよルチアちゃん。私もいつも何もしてません!」
威張るなフィーナ。あなたが一番先輩なんだから悪影響を与えないで欲しいわ……。するとエドがルチアに優しく声をかける。
「大丈夫ですよルチアさん。ボクがついてますから」
「うん、ありがとエドお兄ちゃん」
「ちなみに私とルチア、フィーナとエドで依頼はやるわよ?」
それを聞いたエドは私を睨み付けてくる。
「なんですかその差別みたいなのは!」
「別に差別なんてしてないけど?ただ単純に戦力的な問題だからね」
「ボクはルチアさんと楽しく依頼をやりたかったのに……そして格好よく魔法で助けて、『エドお兄ちゃん格好いい!』って言われて、それで……」
心の声が漏れまくりよあなた。情報漏洩が凄いわね。というよりあなたやっぱりルチアのこと狙っているでしょう。
「とにかく、今回はそれで行くわ。異論は認めない。」
「まぁまぁエド君。今日は私とデュランダルと一緒に依頼をやりましょう!」
「ピピッ!」
「うぅ……わかりました。でもいつか一緒にやりましょうねルチアさん」
「うん!楽しみにしとくね!」
はぁ、やっと話がまとまった。店長の経営方針を守りなさい。業務に支障がでるなら、私のパン屋は社内恋愛禁止にするわよ?まったく。
そして私たちはギルドに向かう。少しだけ緊張する。一応今は髪を銀色に染めているから問題はないのだけど、それでも不安になってしまう。
とりあえず受付で素材や薬草採取の依頼を探していると、フィーナが小声で私を呼ぶ。
「リンネ様。あれ見てください」
フィーナが指をさす方向には掲示板があり、そこにはいくつもの紙が貼られていた。私は近づき確認する。
「……『黒髪の化け物』赤い髪の『パン魔法』の女と同じ炎魔法を使う危険人物。そして新たな情報、赤い髪の『パン魔法』の女の名前は『リンネ』という」
草。もう名前までバレた。どうしようこれ。完全に指名手配されてるじゃない。こんな目立つようなことした覚えないんだけど。
「リンネ様。有名人だね」
「あまり人前では名前を呼ばないようにしたほうがいいですね。ボクたちも気をつけましょう」
「えぇお願いね。とりあえず適当に依頼は受けましょうか」
私は掲示板から適当に選び、カウンターに持っていく。
「はい。こちらですね。えーっと、こちらはホーンラビット5体分の角の納品。こちらは薬草の採取依頼になります。」
ホーンラビットとは角が生えたウサギ型の魔物だ。動きが早く、初心者の冒険者には少し手こずる相手らしいけど強くないので問題はない。そして薬草はポーションの材料になるもので、イレン草というものを採取する。これも問題はないわね。
「そうね。ならこの2つを受けましょうか」
「かしこまりました。では手続きをしますね。あっあとこれは依頼ではありませんが、最近鉱山に現れた魔物の調査を冒険者に依頼しています。報酬は銀貨5枚となるのでいつでもお声をかけてください」
魔物の調査か。まぁやらないわね。私はパン屋だし。
「わかったわ。じゃあ行ってくるわね」
私は依頼書を受け取り、外に出る。とりあえずホーンラビットは強くないからフィーナとエドでも問題ないでしょ。一応この2人は戦えるし、薬草採取は私とルチアね。
こうして私たちはパン屋の資金稼ぎのため、初めて2つの依頼を同時にこなすことにするのだった。
そしてその日の夜。フィーナとルチアは今日買った本をちゃんと読んでるかしら?とか考えていると部屋にいるエドが話しかけてくる。
「あのリンネ様」
「ん?どうかした?」
「あっいや。せっかくルチアさんも仲間になったのでギルドの依頼を二手に分かれてこなしたほうが効率が上がると思って。資金だって倍のスピードで貯まりますし、どうですかね?」
確かにエドの言う通りではある。1人増えれば出費だって増えるだろうし、簡単な依頼なら出来そうだ。
「例えば?」
「そうですね……危険な魔物討伐はやらないとして、簡単な魔物討伐とか薬草採取とかどうでしょうか?」
ふむ、悪くない提案だ。ルチアは草花の知識はあるようだし、もし魔物が出てきても芋虫の魔物以外なら私が軽く焼くことができる。芋虫の魔物が出てきたら逃げればいいしね。
「出来れば早めに商業都市ウィンディスタンに行きたいですからね。このままじゃいつになってもリンネ様のパン屋が開けないですし」
「そんなこと言って、本当はルチアと一緒にいたいだけじゃないのエド?」
「なっ!?そ、そんなことありませんよ!」
顔を真っ赤にして否定するエドを見て私はクスッと笑う。まったくこの子は素直じゃないんだから。
「まぁいいわ。とりあえず明日から依頼を受けてみましょうか」
「ありがとうございます!さすがリンネ様!」
そして翌日。私たちは朝食を食べた後、宿を出て街を歩く。鉱山の街ということもあり様々な店があり、鍛冶屋や武器屋などが多い気がする。
「私ちゃんとできるかなぁ……」
「大丈夫よ。別に魔物とかと戦うわけじゃないんだし」
「そうですよルチアちゃん。私もいつも何もしてません!」
威張るなフィーナ。あなたが一番先輩なんだから悪影響を与えないで欲しいわ……。するとエドがルチアに優しく声をかける。
「大丈夫ですよルチアさん。ボクがついてますから」
「うん、ありがとエドお兄ちゃん」
「ちなみに私とルチア、フィーナとエドで依頼はやるわよ?」
それを聞いたエドは私を睨み付けてくる。
「なんですかその差別みたいなのは!」
「別に差別なんてしてないけど?ただ単純に戦力的な問題だからね」
「ボクはルチアさんと楽しく依頼をやりたかったのに……そして格好よく魔法で助けて、『エドお兄ちゃん格好いい!』って言われて、それで……」
心の声が漏れまくりよあなた。情報漏洩が凄いわね。というよりあなたやっぱりルチアのこと狙っているでしょう。
「とにかく、今回はそれで行くわ。異論は認めない。」
「まぁまぁエド君。今日は私とデュランダルと一緒に依頼をやりましょう!」
「ピピッ!」
「うぅ……わかりました。でもいつか一緒にやりましょうねルチアさん」
「うん!楽しみにしとくね!」
はぁ、やっと話がまとまった。店長の経営方針を守りなさい。業務に支障がでるなら、私のパン屋は社内恋愛禁止にするわよ?まったく。
そして私たちはギルドに向かう。少しだけ緊張する。一応今は髪を銀色に染めているから問題はないのだけど、それでも不安になってしまう。
とりあえず受付で素材や薬草採取の依頼を探していると、フィーナが小声で私を呼ぶ。
「リンネ様。あれ見てください」
フィーナが指をさす方向には掲示板があり、そこにはいくつもの紙が貼られていた。私は近づき確認する。
「……『黒髪の化け物』赤い髪の『パン魔法』の女と同じ炎魔法を使う危険人物。そして新たな情報、赤い髪の『パン魔法』の女の名前は『リンネ』という」
草。もう名前までバレた。どうしようこれ。完全に指名手配されてるじゃない。こんな目立つようなことした覚えないんだけど。
「リンネ様。有名人だね」
「あまり人前では名前を呼ばないようにしたほうがいいですね。ボクたちも気をつけましょう」
「えぇお願いね。とりあえず適当に依頼は受けましょうか」
私は掲示板から適当に選び、カウンターに持っていく。
「はい。こちらですね。えーっと、こちらはホーンラビット5体分の角の納品。こちらは薬草の採取依頼になります。」
ホーンラビットとは角が生えたウサギ型の魔物だ。動きが早く、初心者の冒険者には少し手こずる相手らしいけど強くないので問題はない。そして薬草はポーションの材料になるもので、イレン草というものを採取する。これも問題はないわね。
「そうね。ならこの2つを受けましょうか」
「かしこまりました。では手続きをしますね。あっあとこれは依頼ではありませんが、最近鉱山に現れた魔物の調査を冒険者に依頼しています。報酬は銀貨5枚となるのでいつでもお声をかけてください」
魔物の調査か。まぁやらないわね。私はパン屋だし。
「わかったわ。じゃあ行ってくるわね」
私は依頼書を受け取り、外に出る。とりあえずホーンラビットは強くないからフィーナとエドでも問題ないでしょ。一応この2人は戦えるし、薬草採取は私とルチアね。
こうして私たちはパン屋の資金稼ぎのため、初めて2つの依頼を同時にこなすことにするのだった。
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