【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
30. 赤と黒の疑念 ~騎士団side~
30. 赤と黒の疑念 ~騎士団side~
一方。一足先にニルバの街にたどり着いていたリーベル=アイル騎士団の副団長のバルゴ、そして騎士のシャノンは迷いの森の討伐されたドラゴンの確認に行っていた。
「ガルーダの時と同じか。周りの草花にはほとんど被害が出てない。本当に炎魔法で仕留めたのか疑うくらいだぞ?こんなことができる魔法使いがこの世界にいるとはな」
「そうですね。しかもこのドラゴン、炎耐性のあるレッドドラゴンですよ。それを簡単に焼き尽くすなんて……信じられませんね」
二人が驚きながら話すその先では、その巨体のドラゴンの死骸がある。心なしか肉が削がれているようにも見えた。
「でもよぉ、なんでこんなに綺麗に焼けてるんだ?これじゃ本当にパンを焼いてるみたいじゃねぇか」
「確かに変ですね。普通ならこんがりウェルダンになるはずですからね。魔力コントロールが上手い証拠でしょう。それにしても……」
シャノンにはある疑念があった。この迷いの森にくる前に立ち寄ったギルド。話を聞けば赤い髪の『パン魔法』の女は『リンネ様』と呼ばれていたと。
あの時あった人物もリンネと言っていた。でも、ガルーダやドラゴンを軽く討伐できる人物がたかが芋虫の魔物ごときにあそこまで怯えるだろうか?どう考えてもおかしい。
それに自分に振る舞ってくれたパン。あんな美味しいパンは食べたことなかった。だから間違いなくあのリンネはパン屋であって、そんな危険人物には見えなかった。
「どうした?」
考え込むシャノンを見て不思議に思ったのかバルゴが声をかける。
「いえ、なんでもありません。それよりも早く帰りましょう。今回の件を報告しなければなりませんし」
「そうだな。とりあえずさっさと帰って報告してパーっと飲もうぜ!」
「私は遠慮しておきます」
「だぁ~可愛くねぇなお前は。そんなんじゃいい男できねぇぞ?」
「余計なお世話です」
二人は話しながら街へと戻っていく。
そして街に戻り、ニルバの騎士団と話すと不可解な情報がまた出てきたのだ。
「黒髪の化け物?本当にその山賊が言ってるのか?」
「はい!間違いありませんバルゴ副団長。なんでも直径10メートルくらいの火の玉を造り出し、自分はパン屋だとか言ってたとか……」
「おいおい赤い髪の間違いじゃねぇのか?そんな巨大なものを出せるとなるとそれはそれで恐ろしいことだろ?赤い髪の『パン魔法』の女以外にいるなんてよ」
バルゴはその話を聞いて疑問を感じていた。仮にその話が本当だとしたら、危険人物が一度に2人もいることになる。
「あとニルバの外れの宿屋でパンを売っていた黒髪の女がいたそうです。しかもエルフと少年と。」
「なんだそりゃ!?オレがあったのは赤い髪のパン屋の女とフードを被ったやつと少年だぞ?そんな似たような怪しい奴らがこの国に何人いるんだよ!」
バルゴは笑い飛ばすように言ったが、内心穏やかではなかった。もしそれが本当なら、その黒髪の化け物とやらは一体どれほどの力を持っているというのか……。そんな人物がもう一人いたなら確実にこの世界の危機だ。
「バルゴ副団長」
「どうしたシャノン?」
「先程、ロラン団長が捜索隊を連れて。こちらに向かっていると連絡がありました。」
「マジか!!なら今すぐにでもこの事を報告せねばなるまい!とりあえずその黒髪の化け物とやらも懸賞金をかけておけ」
こうしてリーベル=アイル騎士団では、赤い髪の『パン魔法』の女、そして『黒髪の化け物』という2人のパン屋を追うことになるのだった。
一方。一足先にニルバの街にたどり着いていたリーベル=アイル騎士団の副団長のバルゴ、そして騎士のシャノンは迷いの森の討伐されたドラゴンの確認に行っていた。
「ガルーダの時と同じか。周りの草花にはほとんど被害が出てない。本当に炎魔法で仕留めたのか疑うくらいだぞ?こんなことができる魔法使いがこの世界にいるとはな」
「そうですね。しかもこのドラゴン、炎耐性のあるレッドドラゴンですよ。それを簡単に焼き尽くすなんて……信じられませんね」
二人が驚きながら話すその先では、その巨体のドラゴンの死骸がある。心なしか肉が削がれているようにも見えた。
「でもよぉ、なんでこんなに綺麗に焼けてるんだ?これじゃ本当にパンを焼いてるみたいじゃねぇか」
「確かに変ですね。普通ならこんがりウェルダンになるはずですからね。魔力コントロールが上手い証拠でしょう。それにしても……」
シャノンにはある疑念があった。この迷いの森にくる前に立ち寄ったギルド。話を聞けば赤い髪の『パン魔法』の女は『リンネ様』と呼ばれていたと。
あの時あった人物もリンネと言っていた。でも、ガルーダやドラゴンを軽く討伐できる人物がたかが芋虫の魔物ごときにあそこまで怯えるだろうか?どう考えてもおかしい。
それに自分に振る舞ってくれたパン。あんな美味しいパンは食べたことなかった。だから間違いなくあのリンネはパン屋であって、そんな危険人物には見えなかった。
「どうした?」
考え込むシャノンを見て不思議に思ったのかバルゴが声をかける。
「いえ、なんでもありません。それよりも早く帰りましょう。今回の件を報告しなければなりませんし」
「そうだな。とりあえずさっさと帰って報告してパーっと飲もうぜ!」
「私は遠慮しておきます」
「だぁ~可愛くねぇなお前は。そんなんじゃいい男できねぇぞ?」
「余計なお世話です」
二人は話しながら街へと戻っていく。
そして街に戻り、ニルバの騎士団と話すと不可解な情報がまた出てきたのだ。
「黒髪の化け物?本当にその山賊が言ってるのか?」
「はい!間違いありませんバルゴ副団長。なんでも直径10メートルくらいの火の玉を造り出し、自分はパン屋だとか言ってたとか……」
「おいおい赤い髪の間違いじゃねぇのか?そんな巨大なものを出せるとなるとそれはそれで恐ろしいことだろ?赤い髪の『パン魔法』の女以外にいるなんてよ」
バルゴはその話を聞いて疑問を感じていた。仮にその話が本当だとしたら、危険人物が一度に2人もいることになる。
「あとニルバの外れの宿屋でパンを売っていた黒髪の女がいたそうです。しかもエルフと少年と。」
「なんだそりゃ!?オレがあったのは赤い髪のパン屋の女とフードを被ったやつと少年だぞ?そんな似たような怪しい奴らがこの国に何人いるんだよ!」
バルゴは笑い飛ばすように言ったが、内心穏やかではなかった。もしそれが本当なら、その黒髪の化け物とやらは一体どれほどの力を持っているというのか……。そんな人物がもう一人いたなら確実にこの世界の危機だ。
「バルゴ副団長」
「どうしたシャノン?」
「先程、ロラン団長が捜索隊を連れて。こちらに向かっていると連絡がありました。」
「マジか!!なら今すぐにでもこの事を報告せねばなるまい!とりあえずその黒髪の化け物とやらも懸賞金をかけておけ」
こうしてリーベル=アイル騎士団では、赤い髪の『パン魔法』の女、そして『黒髪の化け物』という2人のパン屋を追うことになるのだった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
6
-
-
52
-
-
4405
-
-
2265
-
-
3087
-
-
310
-
-
23252
-
-
3395
-
-
314
コメント