【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
21. 前世のパンの知識
21. 前世のパンの知識
私たちはニルバの街で手売りでパンを売ることに決めた。宿屋の店主に話すとすぐ許可をくれた。しかもタダで場所を提供してくれて、宿屋の厨房も使っていいらしい。本当に良い人だ。
「良かったですねリンネ様!私も頑張ります!」
「ええ。頼んだわよフィーナ」
「問題は何のパンを作って、いくらで出すかですよね。コストがあまりかからないものの方がいいですね、昨日街のお店を片っ端から見ましたけどここは小麦粉の物価が少し高いです」
「よく調べたわねエド」
「当然ですよ!このノートには行ったことのある街のお店の情報がびっしり書いてありますから!昨日寝ずにまとめたんですよ!」
そう『マル秘』と書かれた自作のノートを見ながらエドが答える。……魔法使いより商人のほうが向いてないこの子?というかあなたは魔法の勉強をしなさい。
「どうしますかリンネ様?私はリンネ様のパンは全部好きなので何でもいいです!」
「うーん……いや、あのさ。せっかくだから何かもっとインパクトのあるものを出せないかなって思ってるんだけど……」
「インパクトのあるものですか?結構難しい話ですね……」
ふむ。普通のパンを販売してもこの街では売れないだろう。なら他の街でも見たことのないような珍しいものを売りたい。しかしそんなものが果たしてあるのか……。
「あっ。ねぇエド。街を回らない?あることを思いついたわ」
「あることですか?」
「ええ。きっと上手くいくと思うの。お願いできるかしら?」
「もちろんですリンネ様!」
「フィーナは宿屋に残って看板を作ってくれない簡単なやつでいいから」
「はい!」
それから私とエドは宿を出て、まずは市場へと向かった。街の大きな広場にたくさんの露店があり、多種多様な種族の人々がいる。早速私たちはその市場を回り、目的の素材を探す。
「ところでリンネ様は何の素材を買うつもりなんですか?」
「内緒。ほら早く探しましょ」
その後、目的の素材を見つけて購入する。エドは『え?パンを作るんですよね?』って言ってたけど、もちろんパンを作る。私はパン屋だからね。
そして今度は隣の洋服屋に入り、お揃いのエプロンを買うことにする。やっぱり制服は必要よね。
買い物を終えた後は一旦宿に戻り、パン作りを始めることにした。
「さて。私のインパクトのあるパンを作るわよ!」
そのままパン生地を作り、石窯の中に入れる。しばらくして焼きあがったそれを一つ取り出し、味見をしてみるとなかなかいい感じに仕上がっていた。これなら売れるかも。
「フィーナ、エド。あとピー助。私の新しいパン食べてみて」
「うん!美味しいです!もう一個食べちゃいます!」
「フィーナどうかしら?」
「え?そういえば……なんだかいつもよりモチッとしてるかもです」
「本当だ……味はパンなのに、これがさっき購入した素材で作ったんですか?リンネ様?」
「もちろんよ。驚いたでしょ?」
私が焼いたパン。それは『米粉のパン』だ。エドから小麦粉の物価が高いことから色々考えた結果の策がこれだ。
米粉。これは小麦粉のパンよりヘルシーでカロリーが低い。焼き上がったパンはモチッとしているのが特徴で特に女性に人気が出るはず。
さらにこの世界は小麦粉のパンはあっても米粉のパンはない。つまりこの世界の人は誰も食べたことがないのだ。こんなところで前世のパンの知識が役にたつとは。
「これを売ればきっと売れるわ!この街ではまだ見たことのない珍しいものだし、それにこの国の主食であるパンとは全然違うから!」
「おお!さすがリンネ様です~!」
「確かに。米粉で作ったパンならまだ見たことがありません。コストも小麦粉より安いですし、いいかもしれませんね!」
フィーナとエドは賛成してくれたみたいだ。よし。これでこの米粉パンを売ってお金を稼ぐのは決まった。
あとは普通のバゲットも焼きましょうか。一応米粉のパンはヘルシーだけど、少し味が薄いから好みはわかれるかもしれないしね。
「あっそうだ私、看板作りました!見てください!」
そう言ってフィーナは板のキレっ端に描いた看板をお披露目する。その看板には『魔女のパン屋』と書かれていた。すごい可愛らしくデフォルメされた私やフィーナ、エド。あとはピー助の絵まで描いてあってちょっと恥ずかしい。……まぁ可愛いけどさ。
「どうですかリンネ様?可愛いですよね!私センスありますよね!」
「え、えぇ……とても上手いわ。ありがとうフィーナ」
「もっともっと誉めてください!ふふ。リンネ様のパン屋さん楽しみです!」
「そうね。頑張りましょ」
こうして私たちは、初めて手売りという形で『魔女のパン屋』をオープンさせることにするのだった。
私たちはニルバの街で手売りでパンを売ることに決めた。宿屋の店主に話すとすぐ許可をくれた。しかもタダで場所を提供してくれて、宿屋の厨房も使っていいらしい。本当に良い人だ。
「良かったですねリンネ様!私も頑張ります!」
「ええ。頼んだわよフィーナ」
「問題は何のパンを作って、いくらで出すかですよね。コストがあまりかからないものの方がいいですね、昨日街のお店を片っ端から見ましたけどここは小麦粉の物価が少し高いです」
「よく調べたわねエド」
「当然ですよ!このノートには行ったことのある街のお店の情報がびっしり書いてありますから!昨日寝ずにまとめたんですよ!」
そう『マル秘』と書かれた自作のノートを見ながらエドが答える。……魔法使いより商人のほうが向いてないこの子?というかあなたは魔法の勉強をしなさい。
「どうしますかリンネ様?私はリンネ様のパンは全部好きなので何でもいいです!」
「うーん……いや、あのさ。せっかくだから何かもっとインパクトのあるものを出せないかなって思ってるんだけど……」
「インパクトのあるものですか?結構難しい話ですね……」
ふむ。普通のパンを販売してもこの街では売れないだろう。なら他の街でも見たことのないような珍しいものを売りたい。しかしそんなものが果たしてあるのか……。
「あっ。ねぇエド。街を回らない?あることを思いついたわ」
「あることですか?」
「ええ。きっと上手くいくと思うの。お願いできるかしら?」
「もちろんですリンネ様!」
「フィーナは宿屋に残って看板を作ってくれない簡単なやつでいいから」
「はい!」
それから私とエドは宿を出て、まずは市場へと向かった。街の大きな広場にたくさんの露店があり、多種多様な種族の人々がいる。早速私たちはその市場を回り、目的の素材を探す。
「ところでリンネ様は何の素材を買うつもりなんですか?」
「内緒。ほら早く探しましょ」
その後、目的の素材を見つけて購入する。エドは『え?パンを作るんですよね?』って言ってたけど、もちろんパンを作る。私はパン屋だからね。
そして今度は隣の洋服屋に入り、お揃いのエプロンを買うことにする。やっぱり制服は必要よね。
買い物を終えた後は一旦宿に戻り、パン作りを始めることにした。
「さて。私のインパクトのあるパンを作るわよ!」
そのままパン生地を作り、石窯の中に入れる。しばらくして焼きあがったそれを一つ取り出し、味見をしてみるとなかなかいい感じに仕上がっていた。これなら売れるかも。
「フィーナ、エド。あとピー助。私の新しいパン食べてみて」
「うん!美味しいです!もう一個食べちゃいます!」
「フィーナどうかしら?」
「え?そういえば……なんだかいつもよりモチッとしてるかもです」
「本当だ……味はパンなのに、これがさっき購入した素材で作ったんですか?リンネ様?」
「もちろんよ。驚いたでしょ?」
私が焼いたパン。それは『米粉のパン』だ。エドから小麦粉の物価が高いことから色々考えた結果の策がこれだ。
米粉。これは小麦粉のパンよりヘルシーでカロリーが低い。焼き上がったパンはモチッとしているのが特徴で特に女性に人気が出るはず。
さらにこの世界は小麦粉のパンはあっても米粉のパンはない。つまりこの世界の人は誰も食べたことがないのだ。こんなところで前世のパンの知識が役にたつとは。
「これを売ればきっと売れるわ!この街ではまだ見たことのない珍しいものだし、それにこの国の主食であるパンとは全然違うから!」
「おお!さすがリンネ様です~!」
「確かに。米粉で作ったパンならまだ見たことがありません。コストも小麦粉より安いですし、いいかもしれませんね!」
フィーナとエドは賛成してくれたみたいだ。よし。これでこの米粉パンを売ってお金を稼ぐのは決まった。
あとは普通のバゲットも焼きましょうか。一応米粉のパンはヘルシーだけど、少し味が薄いから好みはわかれるかもしれないしね。
「あっそうだ私、看板作りました!見てください!」
そう言ってフィーナは板のキレっ端に描いた看板をお披露目する。その看板には『魔女のパン屋』と書かれていた。すごい可愛らしくデフォルメされた私やフィーナ、エド。あとはピー助の絵まで描いてあってちょっと恥ずかしい。……まぁ可愛いけどさ。
「どうですかリンネ様?可愛いですよね!私センスありますよね!」
「え、えぇ……とても上手いわ。ありがとうフィーナ」
「もっともっと誉めてください!ふふ。リンネ様のパン屋さん楽しみです!」
「そうね。頑張りましょ」
こうして私たちは、初めて手売りという形で『魔女のパン屋』をオープンさせることにするのだった。
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