【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
14. バズってほしいのはそっちじゃない
14. バズってほしいのはそっちじゃない
そして次の日。まだ微睡みの中、フィーナとエドが焦った感じで私を起こしてくる。
「リンネ様!大変です~!」
「……どうしたの?」
「リンネ様!落ち着いて聞いてください。」
「うん?わかったわ」
私は寝ぼけ眼を擦りながら起き上がると、二人に向き直る。
「なにかしら?そんなに焦って?」
「これを見てくださいリンネ様」
エドは私にある一枚の紙を手渡す。私は眼を擦りながらそれを読むことにする。
「捜索依頼?凶暴なガルーダを焼き尽くすほどの炎魔法の赤い髪のパン屋の女。通称『パン魔法』の女……。見つけ出した者に懸賞金金貨100枚か……」
ん?私はもう一度その紙を見る。
「赤い髪のパン屋の女!?」
「これってリンネ様のことですよね?さすがです!あとお腹空きました!」
「リーベル=アイル騎士団からの正式なものらしいですよ。ギルドに行ったらこんなのがあってビックリしましたよ……。しかも多分世界中のギルドに通達されてますよこれ?」
マジ?というか『パン魔法』ってなによ。
「とにかくここを離れましょう。まずは街から出ることが先決です。それからゆっくり対策を考えれば良いと思います。」
「そうですよね。早く逃げないと私たちも捕まってしまいますよ!」
二人は大慌てだ。確かにそうだよね。もしかしたらあのゴリラ率いる騎士団が街に来るかもしれないし。
私たちは急いで身支度を整えると宿を出て街の出口を目指すことにした。街の外にはすぐ出ることができた。まだ朝早いせいか人通りは少ない。私たちはとりあえず森を目指して歩くことにした。森なら人もいないだろうし安心できると思う。
「あぁ……もう最悪……私はパン屋なのになんで炎魔法の方がバズってんのよ!パンを広めなさいよパンを!」
「仕方ないじゃないですか!パンよりインパクトがあるんですからガルーダを単独で討伐するなんて」
「でも本当にこれからどうしますかリンネ様?このままだと捕まる可能性だってありますよ~?」
うーん。どうしようかしら……?このままじゃマズイわよね。私が考え込んでいるとフィーナが閃いたように声を上げる。
「あっ!いいこと思いつきました!」
「いいこと?」
「リンネ様の髪の色を染めましょう!それならしばらくは誤魔化せますよ!ね!デュランダル!」
「ピーッ!ピーッ!」
髪を染めるって……なんか嫌だなぁ。でも背に腹は代えられないし……私の綺麗な赤紅色の髪がぁ……
「それなら、確かレスリアの街に染料を売っているお店があったはずです。ボクとフィーナさんで戻って買ってきますよ!」
「はい!お供します!」
「よくそんなこと知ってるわねエド?」
「事前に新しい街のお店は着いたときに網羅してますからね。それをしないとどこの店の何が安いとかわかりませんし、何より資金なんて貯まりませんよ!」
おー。さすがは雑用のプロ……いや私のパン屋の経理担当ね!エドが初めて頼もしく見えるわ!
「それに無駄に資金を使って怒られたり、殴られたりしたくないですしね!」
……可哀想に今までのパーティーにやられてたのね。まぁ安心しなさい私はそんなことしないわよ。やるとしたらアイアンクローくらいね。
「染料はいいんだけど、絶対青とか買わないでよ?私は瞳も赤だから絶対に似合わないし」
「わかってますよ!任せて下さい!では行ってくるのでリンネ様は得意のパンでも作ってここで待っていてくださいね!1人じゃ寂しいと思うのでデュランダルもお留守番させますから」
「いや、ピー助はいらないけど……」
「ピッピィ!?」
得意のパンでも作っててって……なんか最近フィーナが私をバカにしている。そのまま二人は街に向かって走っていった。私はその後姿を見送ると、とりあえず近くにあった木の下で待つことにした。
さて……どうしたものかしら?まさかこの歳で髪を染めることになるとは思わなかったわ……。でもいつまでも隠し通せるわけないし……。
私は自分の真っ赤な長い髪を手に取り見つめる。パンを焼くための炎の色。私にとってこの髪の色は誇りであり自慢でもあるから……
「ねぇ?あなたはこの髪の色好きかしら?」
私は隣にいたピー助に話しかける。
「ピーッ!ピーッ!」
ピー助は大きく首を縦に振る。
「あら?意外に話がわかるじゃないピー助。まぁ……あの子達のためにパンでも焼こうかしらね。今日はゴマのベーグルがいいわね」
「ピィーッ!ピーッ!」
「はいはい。わかったわよ。あなたの分も作ってあげるわよピー助。」
私は立ち上がり、石窯を用意する。エドに魔法で作ってもらうの忘れたわ……。
そしてふと考える。確かにこの赤い髪は誇りであり自慢でもあるけど、今はそれよりも大切なものがある。フィーナやエドそしてピー助がいる。私はそんなことを考えながら、その大切な仲間のためにパンを焼くのだった。
そして次の日。まだ微睡みの中、フィーナとエドが焦った感じで私を起こしてくる。
「リンネ様!大変です~!」
「……どうしたの?」
「リンネ様!落ち着いて聞いてください。」
「うん?わかったわ」
私は寝ぼけ眼を擦りながら起き上がると、二人に向き直る。
「なにかしら?そんなに焦って?」
「これを見てくださいリンネ様」
エドは私にある一枚の紙を手渡す。私は眼を擦りながらそれを読むことにする。
「捜索依頼?凶暴なガルーダを焼き尽くすほどの炎魔法の赤い髪のパン屋の女。通称『パン魔法』の女……。見つけ出した者に懸賞金金貨100枚か……」
ん?私はもう一度その紙を見る。
「赤い髪のパン屋の女!?」
「これってリンネ様のことですよね?さすがです!あとお腹空きました!」
「リーベル=アイル騎士団からの正式なものらしいですよ。ギルドに行ったらこんなのがあってビックリしましたよ……。しかも多分世界中のギルドに通達されてますよこれ?」
マジ?というか『パン魔法』ってなによ。
「とにかくここを離れましょう。まずは街から出ることが先決です。それからゆっくり対策を考えれば良いと思います。」
「そうですよね。早く逃げないと私たちも捕まってしまいますよ!」
二人は大慌てだ。確かにそうだよね。もしかしたらあのゴリラ率いる騎士団が街に来るかもしれないし。
私たちは急いで身支度を整えると宿を出て街の出口を目指すことにした。街の外にはすぐ出ることができた。まだ朝早いせいか人通りは少ない。私たちはとりあえず森を目指して歩くことにした。森なら人もいないだろうし安心できると思う。
「あぁ……もう最悪……私はパン屋なのになんで炎魔法の方がバズってんのよ!パンを広めなさいよパンを!」
「仕方ないじゃないですか!パンよりインパクトがあるんですからガルーダを単独で討伐するなんて」
「でも本当にこれからどうしますかリンネ様?このままだと捕まる可能性だってありますよ~?」
うーん。どうしようかしら……?このままじゃマズイわよね。私が考え込んでいるとフィーナが閃いたように声を上げる。
「あっ!いいこと思いつきました!」
「いいこと?」
「リンネ様の髪の色を染めましょう!それならしばらくは誤魔化せますよ!ね!デュランダル!」
「ピーッ!ピーッ!」
髪を染めるって……なんか嫌だなぁ。でも背に腹は代えられないし……私の綺麗な赤紅色の髪がぁ……
「それなら、確かレスリアの街に染料を売っているお店があったはずです。ボクとフィーナさんで戻って買ってきますよ!」
「はい!お供します!」
「よくそんなこと知ってるわねエド?」
「事前に新しい街のお店は着いたときに網羅してますからね。それをしないとどこの店の何が安いとかわかりませんし、何より資金なんて貯まりませんよ!」
おー。さすがは雑用のプロ……いや私のパン屋の経理担当ね!エドが初めて頼もしく見えるわ!
「それに無駄に資金を使って怒られたり、殴られたりしたくないですしね!」
……可哀想に今までのパーティーにやられてたのね。まぁ安心しなさい私はそんなことしないわよ。やるとしたらアイアンクローくらいね。
「染料はいいんだけど、絶対青とか買わないでよ?私は瞳も赤だから絶対に似合わないし」
「わかってますよ!任せて下さい!では行ってくるのでリンネ様は得意のパンでも作ってここで待っていてくださいね!1人じゃ寂しいと思うのでデュランダルもお留守番させますから」
「いや、ピー助はいらないけど……」
「ピッピィ!?」
得意のパンでも作っててって……なんか最近フィーナが私をバカにしている。そのまま二人は街に向かって走っていった。私はその後姿を見送ると、とりあえず近くにあった木の下で待つことにした。
さて……どうしたものかしら?まさかこの歳で髪を染めることになるとは思わなかったわ……。でもいつまでも隠し通せるわけないし……。
私は自分の真っ赤な長い髪を手に取り見つめる。パンを焼くための炎の色。私にとってこの髪の色は誇りであり自慢でもあるから……
「ねぇ?あなたはこの髪の色好きかしら?」
私は隣にいたピー助に話しかける。
「ピーッ!ピーッ!」
ピー助は大きく首を縦に振る。
「あら?意外に話がわかるじゃないピー助。まぁ……あの子達のためにパンでも焼こうかしらね。今日はゴマのベーグルがいいわね」
「ピィーッ!ピーッ!」
「はいはい。わかったわよ。あなたの分も作ってあげるわよピー助。」
私は立ち上がり、石窯を用意する。エドに魔法で作ってもらうの忘れたわ……。
そしてふと考える。確かにこの赤い髪は誇りであり自慢でもあるけど、今はそれよりも大切なものがある。フィーナやエドそしてピー助がいる。私はそんなことを考えながら、その大切な仲間のためにパンを焼くのだった。
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