【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
12. そして『パン魔法』はバズる ~騎士団side~
12. そして『パン魔法』はバズる ~騎士団side~
海沿いの街エラドール。そこの中央にある大きな屋敷。そう、ここは聖都リーベル=アイルから派遣された騎士団の詰め所だ。
今朝方。住人の目撃情報から東の洞窟に向かった。もちろんガルーダ討伐のために他ならない。
ガルーダ。それは鳥型の魔物で、体長は大型のもので約10メートルほど。そしてその飛行速度は馬よりも速く、大きな羽から放たれる羽ばたきは威力も凄まじい。熟練の騎士でも油断すれば大怪我は免れないほど危険な相手。もちろん単独での討伐など不可能に近いため、騎士たちは必ず数人がかりで臨む。
そのはずだった……。
「で。その赤い髪の自称パン屋の女が、ガルーダを丸焼きにしたと?」
「はい。隊長。間違いないです!オレたちが東の洞窟にたどり着いた時にはガルーダは焼き焦げていたので」
「ふーん……」
隊長と呼ばれた男は顎に手を当てながら考える。確かにそんなことできる人間がいるとしたら、実力は大魔法使い、賢者クラスだ。そんな人物は数えるほどしかいない……いや今存在するかもわからない。普通ならまず疑うところである。
だが……
「わかった。明日もう一度調査する。お前らも今日は休め!」
この男、名はロラン=ジャックライトという。齢30にして隊長に抜擢された若きエリートだった。部下からの信頼も厚く、彼の言うことは大抵正しいというのが皆の評価だった。
「さて……」
自室に戻ったロランは椅子に深く腰掛ける。すると部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
「入れ」
「失礼します」
入ってきたのは女性だった。年齢は20代前半くらいだろうか。青い髪を後ろで束ねている。その顔立ちは非常に整っており、まさに美人と呼ぶにふさわしい容姿をしている。
彼女はロランの部下の一人で、名をシャノンと言った。女でありながら剣の腕は立つし、魔法の腕もなかなかのもの。さらには弓の扱いにも長けており、騎士団の中でもトップクラスの実力者であった。
「お呼びでしょうか隊長」
「ああ。実はな……」
ロランは先ほどの話を簡潔に伝えた。するとシャノンの顔つきが変わる。
「隊長……それは本当ですか?」
「ああ。オレは嘘をつくようなやつじゃないだろう?」
「それで、どうするおつもりですか?本当にそんな人物がいるならこの世界は大変なことになるかもしれませんよ?」
「もちろん探し出すさ。そんな人材がいるとするなら、ぜひとも我がリーベル=アイルの騎士団に欲しいからな」
「隊長がお望みならわかりました。私もその女を探しましょう」
ロランはその言葉を聞いて満足そうな笑みを浮かべる。これでまた一つ仕事ができた。
「あーシャノン?悪いがバルゴと共に捜索はしてくれたまえ。万が一相手と戦うことになれば君だけでは厳しいだろう?」
「あの男とですか?……それが隊長の命令なら従います。それでは早速取り掛かりますね」
「頼むぞ。まぁ、相手がどんなヤツかわからない以上無理をする必要はないけどな」
「はい。ご忠告ありがとうございます。」
そう言い残してシャノンは部屋から出て行った。その後ろ姿を見ながらロランは呟く。
「さて。そいつは一体何者なんだかな……ガルーダを焼き尽くすほどの炎魔法の使い手……パン屋の女……差し詰め『パン魔法』か。面白い。」
ロランは本部に連絡を入れる。
「ロラン=ジャックライトだ。エラドールで危険な人物を見つけた。その人物はあの凶暴なガルーダを単独で討伐できるほどの炎魔法の使い手だ。まだ害を成すかはわからんが、これから捜索をする。悪いが世界中のギルドや騎士団に知らせてくれ。ん?特徴?……そうだな……赤い髪の『パン魔法』の女だ。」
連絡を終えてロランは思う。おそらく近いうちに招集がかかるだろう。その時こそリーベル=アイルの騎士団の力を使って彼女の正体を突き止めるとしよう。そう思いながら彼は眠りについた……。
海沿いの街エラドール。そこの中央にある大きな屋敷。そう、ここは聖都リーベル=アイルから派遣された騎士団の詰め所だ。
今朝方。住人の目撃情報から東の洞窟に向かった。もちろんガルーダ討伐のために他ならない。
ガルーダ。それは鳥型の魔物で、体長は大型のもので約10メートルほど。そしてその飛行速度は馬よりも速く、大きな羽から放たれる羽ばたきは威力も凄まじい。熟練の騎士でも油断すれば大怪我は免れないほど危険な相手。もちろん単独での討伐など不可能に近いため、騎士たちは必ず数人がかりで臨む。
そのはずだった……。
「で。その赤い髪の自称パン屋の女が、ガルーダを丸焼きにしたと?」
「はい。隊長。間違いないです!オレたちが東の洞窟にたどり着いた時にはガルーダは焼き焦げていたので」
「ふーん……」
隊長と呼ばれた男は顎に手を当てながら考える。確かにそんなことできる人間がいるとしたら、実力は大魔法使い、賢者クラスだ。そんな人物は数えるほどしかいない……いや今存在するかもわからない。普通ならまず疑うところである。
だが……
「わかった。明日もう一度調査する。お前らも今日は休め!」
この男、名はロラン=ジャックライトという。齢30にして隊長に抜擢された若きエリートだった。部下からの信頼も厚く、彼の言うことは大抵正しいというのが皆の評価だった。
「さて……」
自室に戻ったロランは椅子に深く腰掛ける。すると部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
「入れ」
「失礼します」
入ってきたのは女性だった。年齢は20代前半くらいだろうか。青い髪を後ろで束ねている。その顔立ちは非常に整っており、まさに美人と呼ぶにふさわしい容姿をしている。
彼女はロランの部下の一人で、名をシャノンと言った。女でありながら剣の腕は立つし、魔法の腕もなかなかのもの。さらには弓の扱いにも長けており、騎士団の中でもトップクラスの実力者であった。
「お呼びでしょうか隊長」
「ああ。実はな……」
ロランは先ほどの話を簡潔に伝えた。するとシャノンの顔つきが変わる。
「隊長……それは本当ですか?」
「ああ。オレは嘘をつくようなやつじゃないだろう?」
「それで、どうするおつもりですか?本当にそんな人物がいるならこの世界は大変なことになるかもしれませんよ?」
「もちろん探し出すさ。そんな人材がいるとするなら、ぜひとも我がリーベル=アイルの騎士団に欲しいからな」
「隊長がお望みならわかりました。私もその女を探しましょう」
ロランはその言葉を聞いて満足そうな笑みを浮かべる。これでまた一つ仕事ができた。
「あーシャノン?悪いがバルゴと共に捜索はしてくれたまえ。万が一相手と戦うことになれば君だけでは厳しいだろう?」
「あの男とですか?……それが隊長の命令なら従います。それでは早速取り掛かりますね」
「頼むぞ。まぁ、相手がどんなヤツかわからない以上無理をする必要はないけどな」
「はい。ご忠告ありがとうございます。」
そう言い残してシャノンは部屋から出て行った。その後ろ姿を見ながらロランは呟く。
「さて。そいつは一体何者なんだかな……ガルーダを焼き尽くすほどの炎魔法の使い手……パン屋の女……差し詰め『パン魔法』か。面白い。」
ロランは本部に連絡を入れる。
「ロラン=ジャックライトだ。エラドールで危険な人物を見つけた。その人物はあの凶暴なガルーダを単独で討伐できるほどの炎魔法の使い手だ。まだ害を成すかはわからんが、これから捜索をする。悪いが世界中のギルドや騎士団に知らせてくれ。ん?特徴?……そうだな……赤い髪の『パン魔法』の女だ。」
連絡を終えてロランは思う。おそらく近いうちに招集がかかるだろう。その時こそリーベル=アイルの騎士団の力を使って彼女の正体を突き止めるとしよう。そう思いながら彼は眠りについた……。
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