【最強のパン屋爆誕!?】~すべてを程よく焼きつくす私の炎魔法が周りから『パン魔法』と呼ばれてなぜかバズっていた件~
6. ニートなら雇ってあげるから
6. ニートなら雇ってあげるから
私とフィーナはパンの材料を買って、エドワードと共に宿屋に戻ることにした。
「それにしてもフィーナ。格好良かったわよ?」
「え?あれはその……夢中で……」
「人間嫌いのエルフのあなたが、見ず知らずの人間のためにあんなことするなんて。というかエドワードは大丈夫なの?人間だけど」
「なんか……弟みたいで平気です!」
「ボク弟なんですか?」
まぁフィーナがいいのならそれでいいか。
「ボクのせいで本当にごめんなさい。あそこでもっと揉めてたら大変でしたし」
「えっと……エド君。リンネ様は最強の魔女様だから大丈夫ですよ!どんな魔物も倒しちゃうんですから!」
「魔女!?すごい!ばぁちゃん以外に魔女がいるなんて!」
エドワード……いやエドのお婆さん魔女なの!?私も今まで会ったことないけど。本当にいるのね……。
「ボク。ばぁちゃんに憧れて冒険者になったんだけど、実力がなくて……これでも小さいころは周りの人より魔法は得意だったんですけどね……、世の中にはもっとすごい人がいっぱいいた」
誰でもそう思ってしまうことはあるわ。それでもパーティーの雑用をやらされていても諦めずに努力していたんだもの。この子強いわね。
そんなことを話していると宿屋に着く。するとエドはいきなり大きな声をあげる。
「お2人が泊まっている宿屋ってここなんですか!?」
「そうだけど、何か問題でもあった?ボロく見えるかもしれないけど、中は意外と普通に綺麗な宿よ?」
「いえ、実は……ボクのばぁちゃんの宿屋ってここなんです」
えっ?そうなの?ならまずいわね……私が魔女じゃないのバレるじゃない……。どうしようかしら……。フィーナとエドはそのまま中に入っていく。どっどうしたら……。
「おや?エドワードじゃないか。どうしたんだい?」
「ばぁちゃん。ごめんボク、パーティーをクビになったんだ。本当にごめん」
「そうかい。気にすることないさね。お前はまだ若いんだからいくらでもやり直せるさね」
「うん……。それでねばぁちゃん。この宿に泊まってる魔女のリンネ様とエルフのフィーナさんがボクを助けてくれたんだ」
余計なこと言わないでエド!本物の魔女にバレるじゃない!
「ほぅ。それは本当かね?エドワード感謝するんだよ?」
宿屋のお婆さんは明らかに私を見てニヤニヤしている。絶対にバレてるわ……。
「のう魔女さん。庭に石窯を作っておいてやったぞい。久しぶりに魔法を使ったから腰が痛いわい。」
「え?」
「リンネ様!早速バーガー作って下さいバーガー!」
フィーナは嬉しさのあまり私の肩を揺さぶる。
「分かったから落ち着いてフィーナ。それじゃフィーナにも手伝ってもらおうかしら?」
「はい!」
「じゃあボクも手伝います!」
それから下ごしらえをして、庭に作ってもらった石窯に向かう。おー!すごい立派なんだけど!しかも煙突もあるし!こんなのよく作ったわね……。
パンを焼いている間、フィーナとエドは石窯に夢中になっている。まったく子どもなんだから。それを私は遠目に見ているとお婆さんが話しかけてくる。
「孫が世話になったのう魔女さん。」
「知ってて言ってるでしょお婆さん。私は魔女なんかじゃないわ。フィーナを怖がらせないように嘘をついてるだけよ」
「そうかい。……エドワードは幼い頃に両親を亡くしてね。ワシがずっと面倒を見てきたのさ。小さいころから魔法が好きでね……将来は大魔法使いになりたいと言ってたもんさね」
小さいころからの夢か。私はどうだっただろう……気づいた時にはパン屋になりたかったし。夢を叶えたいという気持ちはわかるかもね。
「お主はパン屋開業のために旅をしているのかい?」
「ええ。そうよ」
「もしお主がよければじゃが……エドワードを連れていってくれないかね?あの子はまだ若い、それに世界を知らない。ワシもエドワードくらいの歳にはひとり旅をしたもんさ。どうだい?」
「あら?お婆さんは孫をパン屋さんにしたいのかしら?」
私は冗談っぽくお婆さんに言うと微笑みながらすぐに返される。
「それを決めるのはあの子。大魔法使いになりたいなら、まずは世界を知らなきゃいけないからのう」
「ふーん。なら条件があるわ。宿賃半額にしなさい」
「それは無理じゃ。それはそれ。これはこれじゃからのう。あっ秘密を守ってやってるぶんワシのほうがお願いを聞いてると思うがの?どこかに優しいパン屋はおらぬのかのう?」
はいはい。わかってましたよ。私は立ち上がり2人の元に向かいエドに言ってあげることにする。
「エド。あなたニートでしょ?雇ってあげるから私のパン屋開業の旅についてきなさい」
「えっ旅!?でもボク……雑用しかできないし……今までだってアイテムの買い出しとか管理とか、それこそ掃除とかしかやらせてもらえなかったし。魔女のリンネ様の旅にボクなんかがついて行っていいんですか?」
「大魔法使いになるんでしょ?なれなかったら私のパン屋で働きなさい。雑用としてね」
私は意地悪くわざとエドに言う。すると彼は泣き出す。
「うぅ……。ありがとうございます魔女のリンネ様……」
「泣くんじゃないわよ。ほらパンが焼き上がるわよ」
「わぁ~!よろしくですエド君。さぁさぁリンネ様のパン食べましょ!」
「はい!」
私はこうして未来の雑用係……いや大魔法使いになる予定のエドを旅に同行させることになったのだった。
私とフィーナはパンの材料を買って、エドワードと共に宿屋に戻ることにした。
「それにしてもフィーナ。格好良かったわよ?」
「え?あれはその……夢中で……」
「人間嫌いのエルフのあなたが、見ず知らずの人間のためにあんなことするなんて。というかエドワードは大丈夫なの?人間だけど」
「なんか……弟みたいで平気です!」
「ボク弟なんですか?」
まぁフィーナがいいのならそれでいいか。
「ボクのせいで本当にごめんなさい。あそこでもっと揉めてたら大変でしたし」
「えっと……エド君。リンネ様は最強の魔女様だから大丈夫ですよ!どんな魔物も倒しちゃうんですから!」
「魔女!?すごい!ばぁちゃん以外に魔女がいるなんて!」
エドワード……いやエドのお婆さん魔女なの!?私も今まで会ったことないけど。本当にいるのね……。
「ボク。ばぁちゃんに憧れて冒険者になったんだけど、実力がなくて……これでも小さいころは周りの人より魔法は得意だったんですけどね……、世の中にはもっとすごい人がいっぱいいた」
誰でもそう思ってしまうことはあるわ。それでもパーティーの雑用をやらされていても諦めずに努力していたんだもの。この子強いわね。
そんなことを話していると宿屋に着く。するとエドはいきなり大きな声をあげる。
「お2人が泊まっている宿屋ってここなんですか!?」
「そうだけど、何か問題でもあった?ボロく見えるかもしれないけど、中は意外と普通に綺麗な宿よ?」
「いえ、実は……ボクのばぁちゃんの宿屋ってここなんです」
えっ?そうなの?ならまずいわね……私が魔女じゃないのバレるじゃない……。どうしようかしら……。フィーナとエドはそのまま中に入っていく。どっどうしたら……。
「おや?エドワードじゃないか。どうしたんだい?」
「ばぁちゃん。ごめんボク、パーティーをクビになったんだ。本当にごめん」
「そうかい。気にすることないさね。お前はまだ若いんだからいくらでもやり直せるさね」
「うん……。それでねばぁちゃん。この宿に泊まってる魔女のリンネ様とエルフのフィーナさんがボクを助けてくれたんだ」
余計なこと言わないでエド!本物の魔女にバレるじゃない!
「ほぅ。それは本当かね?エドワード感謝するんだよ?」
宿屋のお婆さんは明らかに私を見てニヤニヤしている。絶対にバレてるわ……。
「のう魔女さん。庭に石窯を作っておいてやったぞい。久しぶりに魔法を使ったから腰が痛いわい。」
「え?」
「リンネ様!早速バーガー作って下さいバーガー!」
フィーナは嬉しさのあまり私の肩を揺さぶる。
「分かったから落ち着いてフィーナ。それじゃフィーナにも手伝ってもらおうかしら?」
「はい!」
「じゃあボクも手伝います!」
それから下ごしらえをして、庭に作ってもらった石窯に向かう。おー!すごい立派なんだけど!しかも煙突もあるし!こんなのよく作ったわね……。
パンを焼いている間、フィーナとエドは石窯に夢中になっている。まったく子どもなんだから。それを私は遠目に見ているとお婆さんが話しかけてくる。
「孫が世話になったのう魔女さん。」
「知ってて言ってるでしょお婆さん。私は魔女なんかじゃないわ。フィーナを怖がらせないように嘘をついてるだけよ」
「そうかい。……エドワードは幼い頃に両親を亡くしてね。ワシがずっと面倒を見てきたのさ。小さいころから魔法が好きでね……将来は大魔法使いになりたいと言ってたもんさね」
小さいころからの夢か。私はどうだっただろう……気づいた時にはパン屋になりたかったし。夢を叶えたいという気持ちはわかるかもね。
「お主はパン屋開業のために旅をしているのかい?」
「ええ。そうよ」
「もしお主がよければじゃが……エドワードを連れていってくれないかね?あの子はまだ若い、それに世界を知らない。ワシもエドワードくらいの歳にはひとり旅をしたもんさ。どうだい?」
「あら?お婆さんは孫をパン屋さんにしたいのかしら?」
私は冗談っぽくお婆さんに言うと微笑みながらすぐに返される。
「それを決めるのはあの子。大魔法使いになりたいなら、まずは世界を知らなきゃいけないからのう」
「ふーん。なら条件があるわ。宿賃半額にしなさい」
「それは無理じゃ。それはそれ。これはこれじゃからのう。あっ秘密を守ってやってるぶんワシのほうがお願いを聞いてると思うがの?どこかに優しいパン屋はおらぬのかのう?」
はいはい。わかってましたよ。私は立ち上がり2人の元に向かいエドに言ってあげることにする。
「エド。あなたニートでしょ?雇ってあげるから私のパン屋開業の旅についてきなさい」
「えっ旅!?でもボク……雑用しかできないし……今までだってアイテムの買い出しとか管理とか、それこそ掃除とかしかやらせてもらえなかったし。魔女のリンネ様の旅にボクなんかがついて行っていいんですか?」
「大魔法使いになるんでしょ?なれなかったら私のパン屋で働きなさい。雑用としてね」
私は意地悪くわざとエドに言う。すると彼は泣き出す。
「うぅ……。ありがとうございます魔女のリンネ様……」
「泣くんじゃないわよ。ほらパンが焼き上がるわよ」
「わぁ~!よろしくですエド君。さぁさぁリンネ様のパン食べましょ!」
「はい!」
私はこうして未来の雑用係……いや大魔法使いになる予定のエドを旅に同行させることになったのだった。
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