ガチャ転生!~異世界でFラン冒険者ですが、ガチャを引いてチートになります

武蔵野純平

第52話 事案発生! もう、○○したんですか? とか聞くなオイ!

 襲撃を退け、エリス姫達が帰った後、俺達は遅めの夕食をとった。
 チアキママには、襲撃の件は伏せた。
 自分の息子がそんな事に巻き込まれたなんて、母親として耐えられないだろう。


 セレーネとサクラには、正直に詫びた。
 自分の判断ミスだったのかもしれない。
 王位継承争いに巻き込まれない――を貫いた方が良かったのかもしれない。


 サクラは、論理的に俺を擁護してくれた。


「ヒロトさんの判断は、間違っていません。いずれにしろ、わたしたちは、巻き込まれていたと思います。それなら取引した方が、はるかにマシです」


 セレーネは、ほんわかと俺を支持してくれた。


「みんな無事で良かったよ~。私はね~。エリス姫とお友達になれて嬉しいの。だから気にしないで~。それに、お父さんの事、気にかけてくれてたんだね! ありがとう!」


 俺は、少し救われた気持ちになった。




 自室に戻り、カードの整理をする事にした。
 ベッドの上で壁に寄りかかり、ステータスを開く。


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 ◆基本ステータス◆


 名前:ヒロト
 年齢:12才
 性別:男
 種族:人族
 ジョブ:シーフ


 LV: 1
 HP: 24.25/24.25
 MP: 10
 パワー:11.02
 持久力:11.52
 素早さ:11.9 (15.47)+30%↑by job
 魔力: 10
 知力: 80
 器用: 55


 ◆スキル◆
【鑑定(上級)】【マッピング】
【剣術(初級)】-【刺突】new!
【罠作成】【忍び足】
【ドロップ率上昇(小)】【夜目】
【パーティー編成】【宝箱探知】
【隠し部屋探知】
【神速★】↑up!
【気配察知】new!


 ◆装備◆


 ◆アイテム◆




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 スキルに変化があった。
【刺突】と【気配察知】を、新たに自力で取得していた。


 そう言えば、今日はやたら勘が冴えていたと言うか……。
 魔物や人の気配を感じ取れた。


 スキル【気配察知】のお陰だったのだろう。
 明日からは、もう少し意識してやってみよう。


【刺突】は、レッドリザードにトドメをさした一撃、あれかな?


【神速】には、★が新しくついた。
 これは熟練度みたいなものだろうか?


 後でサクラに聞いてみよう。


 さて、裏ステータス画面を開こう。
 カードが、かなり溜まっているはずだ。






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 ◆裏スキル◆
【ゴールド】【カード】


 ◆ステータスカード◆


【HP上昇(小量)】×22 new!
【HP上昇(+2)】×1 new!
【魔力上昇(+2)】×2 new!
【パワー上昇(小量)】×10 new!
【パワー上昇(+3)】×2 new!
【器用上昇(+1)】×80 new!
【器用上昇(+5)】×2 new!
【知力上昇(+1)】×50 new!
【知力上昇(+5)】×2 new!
【素早さ上昇(+1)】×10 new!
【素早さ上昇(+5)】×2 new!
【HP上昇(+7)】×1 new!
【パワー上昇(微量)】×5 new!
【持久力上昇(微量)】×6 new!
【素早さ上昇(微量)】×12 new!
【パワー上昇(小量)】×28 new!


 ◆スキルカード◆
【アップグレード】new!


 ◆ブロンズガチャ獲得カード◆
【攻撃力上昇(10%・1時間)】 
【防御力上昇(10%・1時間)】
【回復カード(毒)】




 ◆シルバーガチャカード◆
【前世記憶】【頭脳明晰(中級)】【絶倫(中級)】


 ◆ブロンズガチャ・カード◆
【ややイケメン】【幸運(小)】


 ◆悪魔からのカード◆
【-レベルアップガチャ-】


 ◆寿命◆
 59年5ヶ月7日 ↑up!


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 ステータスカードが、凄い事になっている……。


 そうか、


 10階層まで往復した分
(道中とボス戦)
 +
 ヒロトルート5階層までの分
(道中とボスのレッドリザード戦)


 って事か。


 おまけに、【アップグレード】ってカードもある。
 これもサクラに、聞くようだな。


 問題は、寿命だよね……。
 59年って、どういう事だろう……。
 前は、1年数か月だったよな。


 心当たりとしては……、人を斬ったからか?


 今日は5人倒した。
 1人10年で、5人50年なら計算が合う……、か……。




 ドアがノックされた。


「ヒロトさん、いいですか?」


 サクラだ。
 ちょうど良かった。


「いいよ、入って来て」


「お邪魔しまーす」


 サクラが部屋に入って来た。
 俺の部屋に来たのは、初めてだな。


 なんか、女子高生制服姿が、妙になまめかしく見える。
 転生前なら、事案発生だ。


 俺は、そんな気持ちを悟られない様に、お仕事モードで話した。


「ちょうど良かった。今、カードの整理をしていて、教えて欲しいんだ」


「いいですよ。【意識潜入】で視覚情報を、共有させて貰って良いですか?」


 そんな事が、出来るのかよ!
 ステータス画面を見る為なんだろう。
 俺は淡々と答えた。


「いいよ」


 サクラは、ベッドの上にのって来た。
 俺に寄りかかる様にくっついて、ステータス画面をのぞき込む。


「おお! 沢山ありますね!」


 俺は画面を指さして、サクラに質問を始めた。


「この【アップグレード】って何?」


「スキルを、1ランク上にしてくれるカードですよ。例えば、初級から中級、みたいな感じです」


「じゃあ、【剣術(初級)】に使うか? 攻撃力アップするよな」


「うーん。オススメは、【鑑定(上級)】、【ドロップ率上昇(小)】、あたりですね~」


「なぜ?」


 同じ画面を見ながら話すのは、なかなか良い。
 かなり話がスムーズだ。


「スキルは使っていれば、上昇するんですよ。で、(上級)になると上がりずらいんです」


「ああ、なるほど。【剣術】は、(初級)だからな」


「はい。それと【ドロップ率上昇(小)】は、自然上昇しないです。なので、カードで(中)に上げるしか方法がないのです」


「【神速】は?」


「加速系で、あれより上のスキルは、ありません。アップグレード先が、ないです」


「それなら、【鑑定】をアップグレードするかな……」


 今日、レッドリザードの火炎魔法は、【鑑定】しても表示されなかった。
 大火傷をして、事前の情報収集の大切さは、痛いほど良くわかった。


 サクラが、悪戯っぽく笑いながら、とんでもない事を言い出した


「ふふ。【絶倫(中級)】を(上級)にする手もありますよ」


「ぷっ! なかなか魅力的だね!」


 俺とサクラは、顔を見合わせて笑った。
 その後、サクラに教えて貰った。


【刺突】は、1回使うと、30秒使えなくなる。
【神速】の横の★マークは、熟練度で速度が上がる。
 寿命が大幅に伸びたのは、人を倒したから、だった。




 話し終わると、サクラは横になった。
 俺の膝枕で。


 なんなんだ急に!


 俺は、サクラを意識しない様に、ポチポチとステータス画面を押してカードを消費する。
 サクラが、下から、話しかけて来た。


「ヒロトさん、大丈夫ですか?」


 大丈夫じゃないよ!
 女の子をベッドで膝枕なんて!
 した事ないんだよ!
 ドキドキしているよ!


 俺は、冷静に、冷静に、素っ気なく、返事をした。


「何が?」


「人を殺したの、初めてですよね? 大丈夫ですか?」


 あ。
 その事か。


 すいませんでした。
 心配してくれていたんですね。


 それ、まったく考えてなかったです。
 俺は、ヨコシマな事を、考えていました。


「俺は大丈夫だよ。今日は、レッドリザード戦で興奮して、そのままだったから。さっきも夢中で剣を振り回したから、人を殺したって実感は、あまりないよ」


「そう。なら良いんです」


「サクラは、大丈夫?」


「わたしは、セレーネを抱えて飛んだだけだから。セレーネは、チアキさんと話してるから、大丈夫そうです」


「良かった」


 サクラが、ゴロンと姿勢を変えた。
 仰向けになって、下から俺を覗き込む様にしている。


 サクラは、可愛いのだ。
 彼女は、俺の好みに合わせて、実体化した。
 だから、とても可愛いのだ。
 俺は、照れ臭くなって、ドキドキした。


「えっと。【鑑定】をアップグレードして。(上級)が(超)になったな……」


 照れ隠しで、ポチポチとステータス画面を押し、カードを消費する。
 ドキドキするのを知られない為に、作業を言葉に出してみる。


 サクラが、ズバンと、とんでもない事を聞いて来た。




「ヒロトさんは、もう、精通したんですか?」




 ストライーク!!!


 俺は、固まってしまった。
 サクラは、何を言い出すんだ!


 下からジッと、サクラが、俺を見ている。


「……まだ、だけど」


 答えるなよ! 俺!




「ふふ。わたしが、お相手しますよ」




 ストライッ! ツー!!!


 サクラが寝返りをうった。
 俺の体を、撫でて来る。


「……あの」




「ヒロトさんの初めての精通は、わたしに下さい」




 ストライッ! スリー!!!
 バッターアウッ!!!




「……考えておくよ」


 そう答えるのが、精一杯だった。


 その夜、俺の体に、何かが起こった。
 12才なら、不思議はない。
 だが、イマイチ良く覚えていない。


 サクラが、サキュバったのかどうか。
 聞くのが怖い。



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