異世界トレイン ~通勤電車が未知の世界に転移した!2500人の乗客と異世界サバイバル~
第31話 教会にてスキルを授かる
猫獣人ココさんは、腕を組んで足を肩幅に開きドンと俺の前に立った。
鬼教官モード?
下手な受け答えはしないように気をつけよう。
「ミッツ! ステータスはわかるニャ?」
「わかります!」
「レベルはわかるニャ?」
「もちろん、わかります!」
「レベルを上げるにはどうするニャ?」
「魔物を倒します」
「そうニャ!」
えっ……、そこから?
それは分かっているから、パーティー編成について教えてプリーズ!
「そうするとニャ。ミッツは、アタッカーだからドンドンレベルアップするニャ。けど、回復役のスィーバヤーマは、魔物を倒せないから、なかなかレベルアップ出来ないニャ」
「そうなんですよね……」
旅の間に沢山の魔物を倒したが、レベルアップ、つまり経験値取得の法則は、イマイチよくわからない。
そもそも経験値というパラメーターが、ステータスにない。
だが、拠点近くの森は強力な魔物が多いせいか、魔物を一匹倒せばレベルアップする。
そこから、ゲームの経験値のような物があるのだろうと推測しているのだ。
今の所、俺たちが分かっているのは――。
・魔物にトドメを刺す⇒経験値をもらえる
・攻撃に参加する⇒経験値をもらえる場合が多い
・近くにいる⇒経験値をもらえない場合が多い
・戦闘後にヒールをかけるだけ⇒経験値をもらえない
つまり直接戦闘に参加すれば、経験値がもらえてレベルアップする場合がほとんどだった。
なので、直接戦闘に参加する俺、リクは、レベルアップの回数が多く。
回復役の柴山さんは、レベルアップしていない。
マリンさんは、数回レベルアップしているだけ。
これは、まあ……、俺が戦闘に参加させたがらないのが理由だ。
そんなわけで、猫獣人ココさんの指摘通り、回復役の柴山さんがレベルアップしないのが、悩みの種だ。
レベルアップすることで、基礎体力も強化されている。
柴山さんがレベルアップしてくれれば、旅での移動距離を増やすことも可能だ。
喫緊の課題とやらを、猫獣人ココさんに突きつけられて、俺は悩みを深くした。
ここは、『ロダンの考える人』のポーズだ!
これでマリンさんも俺が『バカではない』、『実は賢い』と認識を改めるだろう。
「そのポーズは何ニャ?」
「考える人!」
「ミッツはバカニャ! 考えるだけ無駄ニャ!」
「サラッとディスるの止めてもらっていいスか?」
チェッ! みんな爆笑している。
けど、マリンさんの笑顔がカワイイから、まあ、いいか。
「そこでパーティー編成の魔法ニャ! パーティー編成の魔法を使えば、スィーバヤーマもレベルアップ出来るニャ!」
柴山さんの眼鏡がキラリと光った。
経験値がパーティーメンバーに入るのは、大きい。
柴山さんのレベルアップはもちろんだが、拠点に帰って生産職の人たちのレベルアップも可能になる。
「生活魔法やパーティー編成の魔法は、教会で神様に授けてもらえるニャ。装備品が決まったら教会に行くニャ」
俺たちは、購入した装備品を身につけると教会へ向かった。
俺とリクは、革製のブーツに革鎧を身につけ、腰のベルトに剣を吊るしたスタイルだ。
しっかりした装備を身につけたので、かなり安心感がある。
柴山さんは、白地に金色の刺繍が入ったローブを身につけ、錫杖のような飾りの付いた杖を持つ。
マリンさんは、いかにも魔法使いな雰囲気の大きい三角帽子に水色のマントをひるがえす。
手にした杖は、小さな水属性の魔石が沢山はめ込まれていて、魔法の発動を補助する。
四人とも見た目は冒険者らしくなった。
町を歩いていても、あまり目立たない。
「これはありがたいね!」
「ああ、町に溶け込んでいる」
「僕たちの格好で日本の町を歩いたら、逆に目立ちますけどね」
「私たちコスプレイヤーさんみたいだね!」
特にトラブルなく教会についた。
教会は白い木製の建物で、扉を開いて中に入ると採光の良い集会場になっている。
白い服に身を包んだ神官が、俺たちに声を掛けてきた。
「教会にご用でしょうか?」
「生活魔法とパーティー編成の魔法を覚えたいのです。この四人です」
「では、こちらのご神玉に順番に手をあててください」
神官が祭壇に飾られていた水晶玉のような神玉を俺たちの前に差し出した。
神玉に手をのせると、神玉から優しい光が溢れた。
「おめでとうございます。神からの授かったスキルを大事にしてください」
「ありがとうございます!」
ステータスを確認すると、スキル欄に『生活魔法』と『パーティー編成』が増えていた。
俺は猫獣人ココさんにスキル『パーティー編成』の確認をする。
「ココさん。パーティー編成は、誰でもパーティーに加えられるの? スキル『パーティー編成』を持ってない人でも?」
「そうニャ!」
よし!
これで拠点に帰ったら生産職の人をガンガンレベルアップさせよう。
生産職がレベルアップしたら、何か新しい物が作れるとか、良いことがあるかもしれない。
リク、柴山さん、マリンさんも、無事に『生活魔法』と『パーティー編成』を取得した。
マリンさんが、ニコニコ笑いながら俺に近づいてくる。
何?
「クリーン!」
「え!?」
俺の体を光が包む。
俺はクリーンの実験台にされてしまった。
なぜ、俺?
「きれいなミッツさんの出来上がり!」
きれいなジャイ○ンじゃないんだから!
こうして俺は、マリンさんにおちょくられながらも、愛を深めるのであった。
教会からは、スキル付与の対価として寄付を求められた。
猫獣人ココさんが、立て替え払いをしてくれて問題なし。
午後からは、魔道具屋などの店をめぐり、冒険者ギルドに立ち寄ってから宿に戻った。
夜の不寝番は、猫獣人ココさんたちから、ケインたち『鋼鉄の誓い』に交代。
いよいよ、明日、は拠点へ向かって出発だ。
鬼教官モード?
下手な受け答えはしないように気をつけよう。
「ミッツ! ステータスはわかるニャ?」
「わかります!」
「レベルはわかるニャ?」
「もちろん、わかります!」
「レベルを上げるにはどうするニャ?」
「魔物を倒します」
「そうニャ!」
えっ……、そこから?
それは分かっているから、パーティー編成について教えてプリーズ!
「そうするとニャ。ミッツは、アタッカーだからドンドンレベルアップするニャ。けど、回復役のスィーバヤーマは、魔物を倒せないから、なかなかレベルアップ出来ないニャ」
「そうなんですよね……」
旅の間に沢山の魔物を倒したが、レベルアップ、つまり経験値取得の法則は、イマイチよくわからない。
そもそも経験値というパラメーターが、ステータスにない。
だが、拠点近くの森は強力な魔物が多いせいか、魔物を一匹倒せばレベルアップする。
そこから、ゲームの経験値のような物があるのだろうと推測しているのだ。
今の所、俺たちが分かっているのは――。
・魔物にトドメを刺す⇒経験値をもらえる
・攻撃に参加する⇒経験値をもらえる場合が多い
・近くにいる⇒経験値をもらえない場合が多い
・戦闘後にヒールをかけるだけ⇒経験値をもらえない
つまり直接戦闘に参加すれば、経験値がもらえてレベルアップする場合がほとんどだった。
なので、直接戦闘に参加する俺、リクは、レベルアップの回数が多く。
回復役の柴山さんは、レベルアップしていない。
マリンさんは、数回レベルアップしているだけ。
これは、まあ……、俺が戦闘に参加させたがらないのが理由だ。
そんなわけで、猫獣人ココさんの指摘通り、回復役の柴山さんがレベルアップしないのが、悩みの種だ。
レベルアップすることで、基礎体力も強化されている。
柴山さんがレベルアップしてくれれば、旅での移動距離を増やすことも可能だ。
喫緊の課題とやらを、猫獣人ココさんに突きつけられて、俺は悩みを深くした。
ここは、『ロダンの考える人』のポーズだ!
これでマリンさんも俺が『バカではない』、『実は賢い』と認識を改めるだろう。
「そのポーズは何ニャ?」
「考える人!」
「ミッツはバカニャ! 考えるだけ無駄ニャ!」
「サラッとディスるの止めてもらっていいスか?」
チェッ! みんな爆笑している。
けど、マリンさんの笑顔がカワイイから、まあ、いいか。
「そこでパーティー編成の魔法ニャ! パーティー編成の魔法を使えば、スィーバヤーマもレベルアップ出来るニャ!」
柴山さんの眼鏡がキラリと光った。
経験値がパーティーメンバーに入るのは、大きい。
柴山さんのレベルアップはもちろんだが、拠点に帰って生産職の人たちのレベルアップも可能になる。
「生活魔法やパーティー編成の魔法は、教会で神様に授けてもらえるニャ。装備品が決まったら教会に行くニャ」
俺たちは、購入した装備品を身につけると教会へ向かった。
俺とリクは、革製のブーツに革鎧を身につけ、腰のベルトに剣を吊るしたスタイルだ。
しっかりした装備を身につけたので、かなり安心感がある。
柴山さんは、白地に金色の刺繍が入ったローブを身につけ、錫杖のような飾りの付いた杖を持つ。
マリンさんは、いかにも魔法使いな雰囲気の大きい三角帽子に水色のマントをひるがえす。
手にした杖は、小さな水属性の魔石が沢山はめ込まれていて、魔法の発動を補助する。
四人とも見た目は冒険者らしくなった。
町を歩いていても、あまり目立たない。
「これはありがたいね!」
「ああ、町に溶け込んでいる」
「僕たちの格好で日本の町を歩いたら、逆に目立ちますけどね」
「私たちコスプレイヤーさんみたいだね!」
特にトラブルなく教会についた。
教会は白い木製の建物で、扉を開いて中に入ると採光の良い集会場になっている。
白い服に身を包んだ神官が、俺たちに声を掛けてきた。
「教会にご用でしょうか?」
「生活魔法とパーティー編成の魔法を覚えたいのです。この四人です」
「では、こちらのご神玉に順番に手をあててください」
神官が祭壇に飾られていた水晶玉のような神玉を俺たちの前に差し出した。
神玉に手をのせると、神玉から優しい光が溢れた。
「おめでとうございます。神からの授かったスキルを大事にしてください」
「ありがとうございます!」
ステータスを確認すると、スキル欄に『生活魔法』と『パーティー編成』が増えていた。
俺は猫獣人ココさんにスキル『パーティー編成』の確認をする。
「ココさん。パーティー編成は、誰でもパーティーに加えられるの? スキル『パーティー編成』を持ってない人でも?」
「そうニャ!」
よし!
これで拠点に帰ったら生産職の人をガンガンレベルアップさせよう。
生産職がレベルアップしたら、何か新しい物が作れるとか、良いことがあるかもしれない。
リク、柴山さん、マリンさんも、無事に『生活魔法』と『パーティー編成』を取得した。
マリンさんが、ニコニコ笑いながら俺に近づいてくる。
何?
「クリーン!」
「え!?」
俺の体を光が包む。
俺はクリーンの実験台にされてしまった。
なぜ、俺?
「きれいなミッツさんの出来上がり!」
きれいなジャイ○ンじゃないんだから!
こうして俺は、マリンさんにおちょくられながらも、愛を深めるのであった。
教会からは、スキル付与の対価として寄付を求められた。
猫獣人ココさんが、立て替え払いをしてくれて問題なし。
午後からは、魔道具屋などの店をめぐり、冒険者ギルドに立ち寄ってから宿に戻った。
夜の不寝番は、猫獣人ココさんたちから、ケインたち『鋼鉄の誓い』に交代。
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