異世界トレイン ~通勤電車が未知の世界に転移した!2500人の乗客と異世界サバイバル~
第29話 武器と防具の店で装備品を選ぶ
「さあ! 次に行くニャ!」
猫獣人ココさんは商業ギルドを出ると、俺たちを武器と防具の店に案内した。
冒険者ギルドに近い通りにある店で、店に入ると剣や革鎧が所狭しと置かれていた。
「おお! ファンタジー!」
「スゲエな! こんなに沢山の武器は見たことがない!」
「なかなか興味深いですね……。日本では銃刀法があるので、刀剣の所持は許されませんが、ここでは日常的なアイテムなのですね」
「コートやマントもあるんだね! これなんかカワイイ!」
日本人組四人は、大興奮だ!
「はあ~。オマエら落ち着くニャ。オマエたち四人は、冒険者ニャ。剣や革鎧を見たぐらいで、はしゃぐのは止めるニャ。それより、ミッツたちは、剣を持ってないのかニャ?」
猫獣人ココさんが、三角耳の後ろ側をかきながらため息交じりに俺たちを諭す。
俺はアイムボックスから、オークのミートチョッパーを取り出した。
「いえ、持ってますよ」
「オークのミートチョッパーだニャ……。よくそんな重い物を振り回せるニャ!」
猫獣人ココさんは呆れ、盾役のブラウニーさんが頭を抑える。
そんなにダメなのかな?
これはこれで使える武器だったけど。
「まず、装備品をキチンと身につけているだけで、犯罪に巻き込まれる可能性が減るニャ。剣をぶら下げて、革鎧を装備しているヤツを襲うバカな強盗はいないニャ。だから、四人ともここで装備を買うニャ」
「「「「はい!」」」」
装備品に防犯効果があるとは、思わなかったが、ちょっと考えてみれば、丸腰で歩いているのは危ない。
俺たちはアイテムボックスがあるので荷物を持たずに手ぶらで歩けるが、武器は見えるところに装備しておいた方が良いな。
猫獣人ココさんからの指導が続く。
「装備は自分に合った物なら何でもかまわないニャ。ただし! 靴だけは、良い物にするニャ!」
えっ!? 靴!?
俺たちは自分の足下を見た。
俺、リク、柴山さんは、履き慣れた感じのスニーカー。
マリンさんは、ビジネス用の革靴だ。
「ココさん。俺は今はいている靴が履き慣れているんですけど、この靴じゃダメですか?」
猫獣人ココさんは、チラッと俺のスニーカーを見て手を振った。
「ダメニャ! その靴は布製ニャ! もっとしっかりした靴じゃないと、戦闘の時に足を踏まれて大怪我をするニャ!」
俺はココさんが言いたいことがわかった。
現場系のアルバイトをした時に、似たことを言われた。
足先が重い物の下敷きになった時に、安全靴だと足の指が無事だが、スニーカーじゃ足の指がつぶれてしまうと。
「わかりました。丈夫な靴を選びます」
「ニャ! それぞれ装備を選ぶニャ! ウチたちが手伝うニャ!」
日本人組四人と現地組四人が、それぞれペアになり装備品を選ぶことになった。
俺には、盾役のブラウニーさんがついてくれた。
「ミッツ殿は、見事な剣術でオークを倒したとケインが言っていたぞ! どんな剣がお好みか?」
「そうですね……」
困ったな。
スキルに剣術はあるけれど、どんな剣を選べば良いかわからない。
日本刀があれば、日本刀を選んだけれど、この店にはない。
「えーと……。私の国の剣術は、こんな感じでソリのある片刃の剣を使うんです。それで、こんな感じで振ります」
俺は身振り手振りで日本刀を説明して、シャドーで素振りをしてみせた。
「ほう、なるほど! 斬ることに重きを置いた剣術だな! それならば、この剣はどうだろうか? 丈夫で長持ち! 大きな魔物も斬れるぞ!」
ブラウニーさんが、壁に掛けてあった剣を手にした。
刀身は幅が合って、厚みがある。
俺の身長と同じくらいの長さだ。
言葉にすると……、青竜刀のお化け!
ブラウニーさんが、ニコリと笑って俺に青竜刀のお化けを渡す。
握ってみる。
ズシリと手のひらに重さが伝わってくるが、スキル身体強化のおかげで落とすことはない。
俺は日本刀について説明をしたのだが、出てきたのは繊細な日本刀とは真逆の剣だ。
剣が大きいので、日本刀のように腰に差すことは出来ない。
「ブラウニーさん、この剣はどうやって装備するんでしょうか?」
ブラウニーさんは、無言で背中にある自分の剣を指さした。
なるほど、背中に背負うのか!
俺は自分が巨大な青竜刀を背負った姿を想像した。
ファンタジー感いっぱいで、なかなかカッコイイぞ!
俺はブラウニーさんに勧められるまま装備を選んでいった。
試着させてもらうと、なかなか立派な戦士が出来上がった。
「なあ、みんな! どう?」
日本人組に俺の勇姿を見せる。
これでマリンさんも俺に惚れ直すはずだ。
「ブッ! ギャハハ! ミッツ! イカツ過ぎるだろう! ヤベエ! 腹が痛い! オマエ、どんなセンスしてるんだよ!」
リクは、なぜ笑うのか!
こんなにセンスが良いのに!
きっとマリンさんなら、この男前を理解してくれるはずだ。
「マリンさん! どうでしょう? カッコイイですかね?」
「ププ……。あっ! カッコイイですよ! でも、方向性が違う気がします。 クスクス!」
あれ?
マリンさんにまで笑われている。
何で?
「ミッツさん! 僕が思うに、重装備にし過ぎです。ミッツさんの戦闘スタイルは、スピードを武器に相手を翻弄するスタイルです。ですので、その大きすぎる剣や重そうな鎧は、戦闘の邪魔になるのではないですか?」
「あっ! そうか!」
柴山さんが指摘する通り、重装備過ぎだ。
「ミッツはバカだからな! 俺、カッコイイとか思ったんだろう?」
「ぐっ……」
リクの煽りが、図星だけに辛い。
俺はブラウニーさんに相談し直し、魔物の皮を使った革鎧、革製のブーツ、鋼鉄製のロングソード、剣を吊るすベルトを買うことにした。
予備と拠点で待つ仲間用に、色々な種類の武器や防具も買い込む。
俺は手入れの仕方をブラウニーさんに聞いた。
「装備品は汚れたらどうすれば? 布で拭くんですか? 水洗いですか?」
ブラウニーさんは、答えない。
ブラウニーさんの顔には、『何言ってんだ?』と書いてある。
あれ?
俺は、そんな当たり前のことを質問してしまったのか?
「あの……、手入れの方法を質問しているんですが? 何かおかしかったですか?」
「えっ……! ミッツ殿は、真面目に質問していたのか? 汚れたらクリーンをかければ良いだろう?」
「クリーン?」
またも謎の異世界常識にぶち当たってしまった。
クリーンって何だ?
猫獣人ココさんは商業ギルドを出ると、俺たちを武器と防具の店に案内した。
冒険者ギルドに近い通りにある店で、店に入ると剣や革鎧が所狭しと置かれていた。
「おお! ファンタジー!」
「スゲエな! こんなに沢山の武器は見たことがない!」
「なかなか興味深いですね……。日本では銃刀法があるので、刀剣の所持は許されませんが、ここでは日常的なアイテムなのですね」
「コートやマントもあるんだね! これなんかカワイイ!」
日本人組四人は、大興奮だ!
「はあ~。オマエら落ち着くニャ。オマエたち四人は、冒険者ニャ。剣や革鎧を見たぐらいで、はしゃぐのは止めるニャ。それより、ミッツたちは、剣を持ってないのかニャ?」
猫獣人ココさんが、三角耳の後ろ側をかきながらため息交じりに俺たちを諭す。
俺はアイムボックスから、オークのミートチョッパーを取り出した。
「いえ、持ってますよ」
「オークのミートチョッパーだニャ……。よくそんな重い物を振り回せるニャ!」
猫獣人ココさんは呆れ、盾役のブラウニーさんが頭を抑える。
そんなにダメなのかな?
これはこれで使える武器だったけど。
「まず、装備品をキチンと身につけているだけで、犯罪に巻き込まれる可能性が減るニャ。剣をぶら下げて、革鎧を装備しているヤツを襲うバカな強盗はいないニャ。だから、四人ともここで装備を買うニャ」
「「「「はい!」」」」
装備品に防犯効果があるとは、思わなかったが、ちょっと考えてみれば、丸腰で歩いているのは危ない。
俺たちはアイテムボックスがあるので荷物を持たずに手ぶらで歩けるが、武器は見えるところに装備しておいた方が良いな。
猫獣人ココさんからの指導が続く。
「装備は自分に合った物なら何でもかまわないニャ。ただし! 靴だけは、良い物にするニャ!」
えっ!? 靴!?
俺たちは自分の足下を見た。
俺、リク、柴山さんは、履き慣れた感じのスニーカー。
マリンさんは、ビジネス用の革靴だ。
「ココさん。俺は今はいている靴が履き慣れているんですけど、この靴じゃダメですか?」
猫獣人ココさんは、チラッと俺のスニーカーを見て手を振った。
「ダメニャ! その靴は布製ニャ! もっとしっかりした靴じゃないと、戦闘の時に足を踏まれて大怪我をするニャ!」
俺はココさんが言いたいことがわかった。
現場系のアルバイトをした時に、似たことを言われた。
足先が重い物の下敷きになった時に、安全靴だと足の指が無事だが、スニーカーじゃ足の指がつぶれてしまうと。
「わかりました。丈夫な靴を選びます」
「ニャ! それぞれ装備を選ぶニャ! ウチたちが手伝うニャ!」
日本人組四人と現地組四人が、それぞれペアになり装備品を選ぶことになった。
俺には、盾役のブラウニーさんがついてくれた。
「ミッツ殿は、見事な剣術でオークを倒したとケインが言っていたぞ! どんな剣がお好みか?」
「そうですね……」
困ったな。
スキルに剣術はあるけれど、どんな剣を選べば良いかわからない。
日本刀があれば、日本刀を選んだけれど、この店にはない。
「えーと……。私の国の剣術は、こんな感じでソリのある片刃の剣を使うんです。それで、こんな感じで振ります」
俺は身振り手振りで日本刀を説明して、シャドーで素振りをしてみせた。
「ほう、なるほど! 斬ることに重きを置いた剣術だな! それならば、この剣はどうだろうか? 丈夫で長持ち! 大きな魔物も斬れるぞ!」
ブラウニーさんが、壁に掛けてあった剣を手にした。
刀身は幅が合って、厚みがある。
俺の身長と同じくらいの長さだ。
言葉にすると……、青竜刀のお化け!
ブラウニーさんが、ニコリと笑って俺に青竜刀のお化けを渡す。
握ってみる。
ズシリと手のひらに重さが伝わってくるが、スキル身体強化のおかげで落とすことはない。
俺は日本刀について説明をしたのだが、出てきたのは繊細な日本刀とは真逆の剣だ。
剣が大きいので、日本刀のように腰に差すことは出来ない。
「ブラウニーさん、この剣はどうやって装備するんでしょうか?」
ブラウニーさんは、無言で背中にある自分の剣を指さした。
なるほど、背中に背負うのか!
俺は自分が巨大な青竜刀を背負った姿を想像した。
ファンタジー感いっぱいで、なかなかカッコイイぞ!
俺はブラウニーさんに勧められるまま装備を選んでいった。
試着させてもらうと、なかなか立派な戦士が出来上がった。
「なあ、みんな! どう?」
日本人組に俺の勇姿を見せる。
これでマリンさんも俺に惚れ直すはずだ。
「ブッ! ギャハハ! ミッツ! イカツ過ぎるだろう! ヤベエ! 腹が痛い! オマエ、どんなセンスしてるんだよ!」
リクは、なぜ笑うのか!
こんなにセンスが良いのに!
きっとマリンさんなら、この男前を理解してくれるはずだ。
「マリンさん! どうでしょう? カッコイイですかね?」
「ププ……。あっ! カッコイイですよ! でも、方向性が違う気がします。 クスクス!」
あれ?
マリンさんにまで笑われている。
何で?
「ミッツさん! 僕が思うに、重装備にし過ぎです。ミッツさんの戦闘スタイルは、スピードを武器に相手を翻弄するスタイルです。ですので、その大きすぎる剣や重そうな鎧は、戦闘の邪魔になるのではないですか?」
「あっ! そうか!」
柴山さんが指摘する通り、重装備過ぎだ。
「ミッツはバカだからな! 俺、カッコイイとか思ったんだろう?」
「ぐっ……」
リクの煽りが、図星だけに辛い。
俺はブラウニーさんに相談し直し、魔物の皮を使った革鎧、革製のブーツ、鋼鉄製のロングソード、剣を吊るすベルトを買うことにした。
予備と拠点で待つ仲間用に、色々な種類の武器や防具も買い込む。
俺は手入れの仕方をブラウニーさんに聞いた。
「装備品は汚れたらどうすれば? 布で拭くんですか? 水洗いですか?」
ブラウニーさんは、答えない。
ブラウニーさんの顔には、『何言ってんだ?』と書いてある。
あれ?
俺は、そんな当たり前のことを質問してしまったのか?
「あの……、手入れの方法を質問しているんですが? 何かおかしかったですか?」
「えっ……! ミッツ殿は、真面目に質問していたのか? 汚れたらクリーンをかければ良いだろう?」
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