いつでも側に〜一途な両片想い〜

せいとも

ハッピーウェディング①

 まずは、鈴が今住んでいる直人の実家に行き、二人揃って両親に話をした。

「直人、先に一言言わせてくれ」

「ああ」

「社長として、所属タレントと結婚とは言語道断だ」

「わかってる」

「世間はそういう目で見る」

「ああ」

「ただ、直人の親としては、最高の相手を選んだと褒めてやる」

「本当に……。鈴ちゃんがお嫁に来てくれて、私達の娘になるなんて夢のようだわ」

 父親も、立場上厳しい言葉を言うが、母親と同様喜んでいる。

「おじさま、おばさま、ありがとうございます」

「鈴ちゃん、ぜひお義父さんお義母さんと呼んでちょうだい」

「いいんですか?嬉しいです」

 次は、鈴の父親だ。

 まだ、二人は再会を果たしていない。

 鈴の父親には、兵藤アカデミーの社長室に来てもらった。このあと、仕事が終わった鈴が来る予定だ。

「こちらまでお呼び立てしてすみません」

「いえ。鈴と会わせていただけるだけで感謝です」

「鈴さんが来る前に、私からお話が」

「何でしょう?」

「鈴さんの十八歳の誕生日に入籍したいと考えております。結婚をお許しいただけますか?」

「……。許すもなにも、私は一目兵藤さんを見たときから、鈴を託すならあなたしかいないと思っていました。鈴の父親とは偉そうに言えないが、鈴のことをよろしくお願いします」

「ありがとうございます。必ず幸せにします」

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