いつでも側に〜一途な両片想い〜

せいとも

両片想いの行方③

「私、学校もあまり行けず友達もいなくて、芸能界では仲良くなっても明日はライバルの世界で……。恋愛もしたことないけど、役になりきって青春も恋愛も経験した。だから、好きって気持ちはわかるの。私が好きなのは直人さんだけ」

「ありがとう。嬉しいよ。俺は、普通に学生生活もしてきた。恋愛も、鈴を好きな気持ちを打ち消すようにしてみたが、上手くいかなかったのは、自分の気持ちを偽ってきたからだな」

 直人は、一度目を閉じ深呼吸した。

「畑中鈴さん、俺は鈴を愛しています。結婚して下さい」

 鈴は、自分の気持ちを伝えたことで満足していて、まさか直人からフロポーズをしてもらえるとは思いもしていなかった。

 涙が溢れて止まらない。
 
「鈴が女優さんで俺が事務所の社長である以上、中途半端は許されないと思っている。お互い独身で疚しい事はなにもないが、有る事無い事好き勝手に記事にされる。だから、鈴が誕生日で十八歳を迎えた日、籍を入れて発表しないか?付き合い0日で結婚。結婚するまでは、変わらず社長と女優で」

「うん」

 鈴の誕生日は七月七日。

 誕生日までは、後一ヶ月と少し。

 事務所の社長として、鈴の夫として、籍を入れるまでに、やるべきことが溢れている。

 

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