いつでも側に〜一途な両片想い〜
成長⑨ SIDE鈴
「どうしたの?わからないところがある?」
「うん……」
「見てあげる」
お母さんは、おしゃべりに夢中で気づいていない。同じ年の子達は、遊びに夢中だ。
「あっ、わかった」
「良かった。困ったらいつでも聞いて」
時々だが現れるお兄ちゃんが、丁寧に勉強を教えてくれた。
事務所スタッフからは、直人くんと呼ばれているお兄ちゃん。
撮影で、すでに人気の芸能人とたくさん共演しているが、私の中では一番のイケメンだと思う。
私にとっての王子様……。
お兄ちゃんが、私の初恋だ。
後に彼が兵藤アカデミーの社長の息子だと知る。
撮影は、お母さんの喜ぶ顔が見たくて頑張っていた。
いつからか、お母さんの視界に私が入っていないことに気づいた。ただただ、周りに自慢したいだけの娘。
物心ついた時から、どうしたら大人が喜ぶかがすり込まれている。自分がやるべきことが……。
嫌だと言っても聞いてもらえないだろう。
いつからだろう?気づいていた。私が、働いたお金で生活していることを……。
ただ、お母さんが笑っているならいいかと、子供の私にはそれ以上どうすることも出来なかった。
無性に辛くなるときもある。そんな時は、心を無にする。すると何も感じなくなる。
毎日が決められた日々……。
それでも、カメラの前では演じ続ける。
辛くなったら、私の中のヒーロー直人お兄ちゃんを思い出す。
「うん……」
「見てあげる」
お母さんは、おしゃべりに夢中で気づいていない。同じ年の子達は、遊びに夢中だ。
「あっ、わかった」
「良かった。困ったらいつでも聞いて」
時々だが現れるお兄ちゃんが、丁寧に勉強を教えてくれた。
事務所スタッフからは、直人くんと呼ばれているお兄ちゃん。
撮影で、すでに人気の芸能人とたくさん共演しているが、私の中では一番のイケメンだと思う。
私にとっての王子様……。
お兄ちゃんが、私の初恋だ。
後に彼が兵藤アカデミーの社長の息子だと知る。
撮影は、お母さんの喜ぶ顔が見たくて頑張っていた。
いつからか、お母さんの視界に私が入っていないことに気づいた。ただただ、周りに自慢したいだけの娘。
物心ついた時から、どうしたら大人が喜ぶかがすり込まれている。自分がやるべきことが……。
嫌だと言っても聞いてもらえないだろう。
いつからだろう?気づいていた。私が、働いたお金で生活していることを……。
ただ、お母さんが笑っているならいいかと、子供の私にはそれ以上どうすることも出来なかった。
無性に辛くなるときもある。そんな時は、心を無にする。すると何も感じなくなる。
毎日が決められた日々……。
それでも、カメラの前では演じ続ける。
辛くなったら、私の中のヒーロー直人お兄ちゃんを思い出す。
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