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いつでも側に〜一途な両片想い〜

せいとも

成長⑥

 鈴には悪いが、直人はチャンスだと思った。高校生とはいえ放ったらかしにして、更には鈴の収入で遊んでいるのだろう。

「生活はどうしてる?」

「えっ、適当に……」

「お金は?食費とか掛かるだろう?」

「たまに、一万円札が一枚置いてある」

「なっ!?」

 玲子は、鈴の収入で贅沢三昧の生活をし、鈴にはそれだけしか渡していないのか…

 すぐには無理だが、母親から解放しなければと思う。

 これから、証拠集めも必要だろう。

 まずなりより、鈴を保護しなければ……。

 前社長である父親に連絡した。体調も安定し、引退した今は実家で、母とのんびり過ごしている。

 鈴のことを心配していた父は二つ返事で連れてくるように言っている。


「鈴、うちの父親わかるよな?」

「社長?」

「ああ、前社長だ」

「うん」

「今はのんびり過ごしてるから、そこで一緒に生活しないか?母もいるから食事の心配もない。仕事にはマネージャーをつけるから、今よりも仕事に専念できる」

 敢えて、仕事の話を出した。普通に住まないかと聞いたら、きっと断るだろう。仕事に真面目な鈴だからこその質問だ。

「でも、お母さんが……」

「いつ帰ってくるかわからないし、鈴が仕事に行っていたら、文句はないだろう。あとは、俺に任せろ」

「よろしくお願いします」

 直人は、自分が引き取りたいが、鈴の職業はスキャンダルが命取りだ。いくら保護と言っても通用しない。今は、実家にお願いするしかない。

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