いつでも側に〜一途な両片想い〜
成長②
仕事でスケジュールが詰まっていても、時間があれば兵藤アカデミーのレッスンは受けている。
幼児部になると、レッスンが週一になる。クラスも、普通クラス、選抜クラス、推薦選抜クラスに分かれる。
普通から選抜クラスはオーディションで決まる。ただ、推薦選抜はすでに活躍している子のみで、兵藤アカデミーに通わせる親たちが憧れるクラスなのだ。
鈴の意思とは関係なく、玲子のプライドと収入のために、辞める選択肢を与えられない。
レッスンスタジオに入ると、幼いが女優という名が相応しいほど、完璧に演技にダンスに歌にとこなす。
直人は、レッスンスタジオに通う鈴を見かけては、年齢より成長している内面に切なくなる。
そして、最初に見た時と変わらず、天使の鈴にドキドキする。
活躍すれば、嫉妬の眼差しを受けるのは鈴だ。
玲子からは、期待のプレッシャーを受けるのも鈴だ。
小さいながらに、カメラの前やスタジオでは完璧な女優となるが、いつからかそれ以外では笑わなくなった。感情も表に出さない。
ところが、玲子は鈴が売れることに必死で、全く鈴自身を見ようとはしない。笑わない鈴に気づいてもいない。
褒められればわが子の自慢に鼻高々になるが、実際の鈴には興味がない。
レッスン中は、羨望の眼差しで寄ってくる親達に、鈴の自慢を聞かせる。仕事の内容は、絶対に漏らしてはいけないルールは辛うじて守っているが、本当は自慢したくてしょうがない。
休憩で鈴が出てきても、わが子を気にする様子もない。
隅のベンチに座る鈴は今にも消えそうだ。
「鈴ちゃん、楽しい?」
「……」
たまたま、鈴に話しかけるチャンスがあった直人が聞くが、返事はなかった……。
幼児部になると、レッスンが週一になる。クラスも、普通クラス、選抜クラス、推薦選抜クラスに分かれる。
普通から選抜クラスはオーディションで決まる。ただ、推薦選抜はすでに活躍している子のみで、兵藤アカデミーに通わせる親たちが憧れるクラスなのだ。
鈴の意思とは関係なく、玲子のプライドと収入のために、辞める選択肢を与えられない。
レッスンスタジオに入ると、幼いが女優という名が相応しいほど、完璧に演技にダンスに歌にとこなす。
直人は、レッスンスタジオに通う鈴を見かけては、年齢より成長している内面に切なくなる。
そして、最初に見た時と変わらず、天使の鈴にドキドキする。
活躍すれば、嫉妬の眼差しを受けるのは鈴だ。
玲子からは、期待のプレッシャーを受けるのも鈴だ。
小さいながらに、カメラの前やスタジオでは完璧な女優となるが、いつからかそれ以外では笑わなくなった。感情も表に出さない。
ところが、玲子は鈴が売れることに必死で、全く鈴自身を見ようとはしない。笑わない鈴に気づいてもいない。
褒められればわが子の自慢に鼻高々になるが、実際の鈴には興味がない。
レッスン中は、羨望の眼差しで寄ってくる親達に、鈴の自慢を聞かせる。仕事の内容は、絶対に漏らしてはいけないルールは辛うじて守っているが、本当は自慢したくてしょうがない。
休憩で鈴が出てきても、わが子を気にする様子もない。
隅のベンチに座る鈴は今にも消えそうだ。
「鈴ちゃん、楽しい?」
「……」
たまたま、鈴に話しかけるチャンスがあった直人が聞くが、返事はなかった……。
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