転生守銭奴女と卑屈貴族男の結婚事情
24
気持ち悪い。軽いめまいと吐き気が止まらない。夕食を終え、さっさと風呂を済ませたわたしは一人ベッドに寝ころんでいた。
原因は分かっている。
わたしの慢心のなれの果て(クソマズクッキー)を一気に食べたからである。
胃もたれダウンです。
いやだって、手作りで保存料とか入ってないし、早めに食べた方がいいよなあって昼食後と夕食後に食べたが、普通に消化不良を起こしている気がする。
マルルセーヌにいた頃はこんなことなかったのだが、よくよく考えれば村で暮らしていたときは普通に働いていた。飲食店のウエイトレスで、立ち仕事だった。
対して、今は何もすることがない生活だ。消費カロリーが雲泥の差である。
そんな中、三食がっつり食べるだけでもお腹いっぱいなのに、大量のクッキーを食べたらどうなるか。
普通に考えたら分かるものである。
今にも吐きそう、という程ではないが、ずーっと胸がむかむかしているし、ベッドから起き上がりたくない。
いやもう、これディルミックの相手するの無理じゃない? 今は平気だけど、それはゆっくり横になっているからで、いざ始まったら吐くかもしれない。そこまでひどいわけではないので、吐かないかもしれないが、吐く可能性がある以上、相手はしたくない。ディルミックの上にゲロっちゃったら可哀そうが過ぎるでしょ。
あと普通に洗濯も面倒だし。酒で酔っ払ってるとか、体調が悪くて戻しまくってしまうとかならまだしも、吐瀉物の処理を他人にされたくない。
避けられる嫌な未来は避けるべきである。
「…………」
わたしが早くベッドに来すぎたのか、ディルミックが普段より遅いのか。それとも、何もしていないから時間が過ぎるのが遅く感じるのか。
どれかは分からないけど、今日のディルミックは寝室に来るのが遅くて、少しだけ、うとうとしてきた。
気分は悪いままだが、寝たら直る気がする。そんなまどろみ。
半分以上寝て、現実と夢をふらふらしているとき、扉が開いたような音がした――気がする。ようやくディルミック、来た? それとも夢?
そっと頬をなでられたような気がして、わたしはその手を掴む。
「今日は……気持ち悪いから、いや……」
そう言うと、ぱっと手が離れていく気配がした。わたしはもう、眠くて、手に力が入らない。簡単にするりと、ベッドの上へわたしの手が落ちる。
「食べすぎなんて、子供みたいですよね」という呟きが彼に伝わったか、分からない。そもそも、これが夢か現実かすら判断がつかない。
わたしはそのまま、眠りについた。
原因は分かっている。
わたしの慢心のなれの果て(クソマズクッキー)を一気に食べたからである。
胃もたれダウンです。
いやだって、手作りで保存料とか入ってないし、早めに食べた方がいいよなあって昼食後と夕食後に食べたが、普通に消化不良を起こしている気がする。
マルルセーヌにいた頃はこんなことなかったのだが、よくよく考えれば村で暮らしていたときは普通に働いていた。飲食店のウエイトレスで、立ち仕事だった。
対して、今は何もすることがない生活だ。消費カロリーが雲泥の差である。
そんな中、三食がっつり食べるだけでもお腹いっぱいなのに、大量のクッキーを食べたらどうなるか。
普通に考えたら分かるものである。
今にも吐きそう、という程ではないが、ずーっと胸がむかむかしているし、ベッドから起き上がりたくない。
いやもう、これディルミックの相手するの無理じゃない? 今は平気だけど、それはゆっくり横になっているからで、いざ始まったら吐くかもしれない。そこまでひどいわけではないので、吐かないかもしれないが、吐く可能性がある以上、相手はしたくない。ディルミックの上にゲロっちゃったら可哀そうが過ぎるでしょ。
あと普通に洗濯も面倒だし。酒で酔っ払ってるとか、体調が悪くて戻しまくってしまうとかならまだしも、吐瀉物の処理を他人にされたくない。
避けられる嫌な未来は避けるべきである。
「…………」
わたしが早くベッドに来すぎたのか、ディルミックが普段より遅いのか。それとも、何もしていないから時間が過ぎるのが遅く感じるのか。
どれかは分からないけど、今日のディルミックは寝室に来るのが遅くて、少しだけ、うとうとしてきた。
気分は悪いままだが、寝たら直る気がする。そんなまどろみ。
半分以上寝て、現実と夢をふらふらしているとき、扉が開いたような音がした――気がする。ようやくディルミック、来た? それとも夢?
そっと頬をなでられたような気がして、わたしはその手を掴む。
「今日は……気持ち悪いから、いや……」
そう言うと、ぱっと手が離れていく気配がした。わたしはもう、眠くて、手に力が入らない。簡単にするりと、ベッドの上へわたしの手が落ちる。
「食べすぎなんて、子供みたいですよね」という呟きが彼に伝わったか、分からない。そもそも、これが夢か現実かすら判断がつかない。
わたしはそのまま、眠りについた。
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