童貞のまま異世界転生したら童帝になってました

みょんちー

(32)占領地_突撃


〜チャルエ 集会場〜

時刻は現在21:30になろうとしていた。
五人は村長室で作戦会議を行っている。
タケルの考えがあっていたなら、チャルエにある巨大な城にカイルとエテルナ、そしてアグアナがいるはずだ。

作戦は22:00頃決行。
タケル・オウガ・ガルドは前衛で四天王を相手し、レミィとフーガは護衛に回り、攻めてくる雑魚軍を倒す作戦で行う。

「アグアナの能力は言った通りだ。弱点はあるし倒せないこともない」
「あの姉妹はワシと兄で倒す。タケルの能力では多分勝てないんじゃろ?」

タケルはこくりと頷き、続けて作戦内容の続きを話す。

「あいつらの能力は、個体を浮遊させて色々な能力を発動させる……それをどう対処するかだ……」
「俺の能力で多少は防げる。その間にガルドとタケルが攻撃すればいい」
「通用しないと感じた時はもう逃げるからな、俺」

タケルの能力が通用しないのなら戦うのは避ける。その思いは五人全員把握していた。
作戦会議をしていると、後ろから残された救護班の一人が話しかけてきた。

「あ、あの……私達も協力します……!もし怪我をされた方がいたら……」
「頼もしいな!!流石喧嘩村!!根性が違う!!」

フーガは立ち上がり、救護班に抱きつく。
胸が触れていたが女性同士だからダメージが無いのか。
そんなことを思いながら、タケルは立ち上がって救護班に話しかける。

「村長は向こうの部屋で寝てるんだっけか」
「はい!今傷を塞いで休ませております!」
「ありがとう。村長にも俺達が守ることを伝えなきゃな」

タケルはニヤニヤしながら、村長がいる部屋に向かう。
レミィはなぜニヤついてるかわからなかった。

「なんでタケル……ニヤついてるの?ガル姉ぇ」
「守って報酬金をたんまり貰うためじゃろ、あのバカ」

ガチャっと部屋を開ける。
窓が空いており、カーテンが靡いていた。
ベッドが荒らされており、そこら中に飛び血が広がっていた。
タケルの思考はぼーっと一瞬止まっていた。
ガタンという棚から本が落ちる音で、我に返る。

「……お前ら!!」

タケルは振り向き、座っている四人に向かって叫ぶ。
当然四人は今の状況に気づいていない。

「村長が……いねぇ!!」

すぐに出撃の準備をして村長室を出るタケル。
オウガがタケルの方を抑え、呼び止める。
勿論、今の状況を聞いてすぐに把握するのは難しい。

「タケル!……どういうことだ!」
「どうもこうもねぇよ!村長が攫われたんだよ!」

ようやく事の重大さに気づく。
救護班も皆部屋に行って、口を押えるものや驚いて静止している人もいた。

「出撃早めるぞ!」
「……ちっ、やられたか……わかった。行くぞお前ら!」
オウガがそう言うと、妹達は頷き村長室を出ていく。


〜〜〜〜〜

〜チャルエ  戦闘城付近〜

五人はただひたすら城を目指して走っていく。
タケル達が走る音以外何も聞こえない。
それが妙に恐怖で身構えてしまう。

「……!タケル……!」
「なんだ……!?」

タケルの隣で走っていたレミィが話しかけてくる。
それと同時に何も音が聞こえなかった理由もわかった。
魔王軍の手下達が石垣から、複数人で見ていたのだ。
レミィとタケルが気づいた瞬間、手下達が降りてタケルたちを囲んだ。

「……随分と豪華なお出迎えだな」
「フーガ、レミィ。作戦通りに行くぞ」

するとフーガは右手に力を込め、地面に叩きつけた。
バコォと爆音が鳴り、クレーターが出来た。
手下達が驚いている時に、ガルドとオウガが思い切り城に向かって走っていく。

通過した時、衝撃波で大半の手下が飛ばされた。
風圧でタケルは飛ばされそうになるが、レミィが受け止める。

「ありがt……あれ?」

タケルはレミィを見てから走っていくオウガ達を見る。

「おい!!作戦初っ端から間違えてんじゃねえか!!」
「二人とも……タケル忘れてる……」
「なにしてるんだよ兄貴達〜!!」

二人のドジには付き合いきれないと思ったタケル。
溜息をつき、フーガに提案をかける。

「フーガ、俺を城まで吹っ飛ば」
「分かった!!行くぞ〜!!」
「え、ちょっ」

提案して決断までが速すぎて覚悟がまだ出来ていない。
食い気味で了承したフーガはタケルの襟を掴む。

「ち、ちょっと待てちょっと待てちょっと待てぇぇ!」
「行ってこぉい!!」
「うわぁあああああああ!!!!!!!」

ブンと音を立て、城まで投げられるタケル。
ぐるぐると不規則に周り、視点のせいでちょっと吐きそうになる。

「……あ!タケル忘れてしもおてた!」
「そういえばそうだった……」

あいつら絶対後でしばく……!
着地のことも考えてないフーガも入れる!!
思うがまま振り回されるタケルは心でそう誓った。

「ガルドォォォォォ!!!!!!!!!」

入口付近に落ちそうになった時、ガルドが受け止めてくれた。

「ふぅ、タケルは無茶ばかりするんじゃのう」
「お前らが俺を忘れるからだろうが……!!」

タケル達は城の入口に到着していた。
魔王軍の手下は全員フーガ達の方に向かって、タケル達の周りにはいなかった。

タケルはガルドに無理矢理立たされ、フラフラで視界がぐわんぐわんしていた。

「……覚悟決めろよ。オェ……」
「ゲロを決めてどうするんじゃ」
「ガルドが立たせたんだろ」

城内からは何も音沙汰は無かった。
恐らく、あの姉妹四天王とアグアナのみが居ると思う。

「……そんじゃあ、行くか」
「四天王さーん!お届け物でーす!!!」

タケルがそう叫ぶと、バコォとオウガが門を開ける。
真正面にある階段の踊り場に、エテルナとカイルが立っていた。

「……貴方達が最近暴れてる新人冒険者達ね?」
「魔王撲滅宅急便だばーか。大人しく倒されろ姉妹共」
「……!!」

エテルナは今の言葉を聞き、青色の個体をタケルに向かって放った。
すぐにオウガがタケルを庇い、個体を拳で殴り消した。

「村長を返してもらおうか」
「……そんなこと?いいわよ、返してあげる」

カイルがポンとピンク色の個体を出現させた。
その中には村長がぐったりした様子で入っていた。

「ふふ……村長はもう死んでるかもしれないわね」
「なに……!?」

ポイッと投げ、タケル達のそばに村長を地面に落とす。
スネを斬られており、息の呼吸が速くなっていた。
外傷はスネだけであるが、撃たれた時の体力はまだ回復しきっていない。

つまるところ、非常に危険な状態だ。

「……そいつ、チャルエを守るって言ってうるさかったわ。だから半殺しにしておいた」
「……ヌシら……!!」

ガルドの殺気に気づくカイルとエテルナ。
それと同時にファステル襲撃を思い出し、無償に腹が立つカイル。

「探したわよ……私をコケにしたカス女……!!」
「コケにされて腹が立って村襲撃か。ヌシら相当な悪じゃな!」
「カイルお姉様、ここは私が……」

するとカイルはエテルナを止める。
イライラの方はエテルナよりカイルの方が勝っていた。
復讐が出来る興奮とコケにされた屈辱で感情が高まっていた。

「エテルナ、貴方はあの男を相手なさい」
「ですがカイルお姉様は?」
「私はあの女をぶっ殺すわ……!!」

カイルはそう言うとピンク色の個体を出現させる。
個体から小さい個体がもぎ取られ、見えない速度でガルドに付く。

「な……なんじゃこれ!」
「……type:20」

そう言うとガルドとカイルがその場から消えた。
タケル達は消えたのを見て、唖然としていた。

「……ガルド!!」
「ワープ魔法か……!」
「……カイルお姉様は勝手です……」

エテルナは青色の個体を出し、オウガの方を見る。
ガルド同様オウガにも青色の個体が付く。

「……待てよおい!!」
「タケル、大丈夫だ。任せてくれ」
「type:20」

その場から消えるオウガとエテルナ。
残されたのはタケルと村長だけだった。
二人をサポートしに探すか……。それとも村長を村長室に急いで帰るか……!!
考えているうちに村長のダメージも増えていく。

「……ちっ!戻るか……!!」
「待ちなさい」

タケルは聞き覚えのある声が聞こえ、後ろを向く。
それと同時に、重要な人物を忘れていた。
城内にいるのはあの四天王だけではない。

領域テリトリー

そこにはアグアナもいた。

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