童貞のまま異世界転生したら童帝になってました

みょんちー

(19)心理戦_開始



〜フルトロン 商店街〜
ロボット襲撃の事態が収まり、一件落着……だが。
同時にハツが俺たちの寮に泊まる羽目になった。
まぁ壊せと言った俺が悪いし、仕方ないというのと後悔も少ししていた。

そして今、俺は1人で食材の買い出しをしている。
事の経緯はハツが腹減ったといい飯を作る予定だったが、食材が無いので買い出しじゃんけんを行なった。
1人負けだったし多分ウィドウさんがめっちゃ喜んでた。

「……買い出しっつっても何作るか決まってねぇし……インスタント食品はないのかよ」

ぶつぶつと文句を言いながら歩き続け、店を見て回る。

「料理わかんねえから適当に買おう」

目に入った野菜売り場に立ち入る。
店長の友好的なおばちゃんが歓迎して来てくれた。

「いらっしゃい!珍しいねぇ、タケル君がおつかいだなんて」
「まぁ……じゃんけんで負けたからしゃあなしですよ」

新人戦から俺達の知名度が上がり、すれ違った人達からは挨拶されるぐらいだ。

「あんた料理するのかい?」
「しないですよ、めんどくさいし」
「栄養バランスも考えて食べなよ〜?太るよ〜?」
「あはは……どうも……」

母親見たいなことを言いやがる……。
苦笑いして振る舞ってしまった。コミュ障が発動してしまう自分に腹が立つ。

暫くして食材をカゴに入れておばちゃんに渡す。

「んじゃあこれで、会計よろしくです」
「あいよ。3500ガロンね」
「あんがとなおばちゃん。また来るよ」



〜フルトロン 商店街抜け〜

大きな欠伸をする俺。早く帰って食材渡して寝たい俺であった。

「ガルド大丈夫かな。全然音沙汰ねえけど……」

そんな事を考えていたら後ろから肩を叩かれ振り返る。

「ねえ君、新人戦で優勝したタケル君だよね」

メガネをかけた俺と同じぐらいの歳の男が立っていた。

「……?」
「あぁ、失礼。僕の名前はリョウ」

メガネをクイッとあげ笑顔で自己紹介してきた。
こういう奴の裏の顔が腹黒いんだよな……偏見だけど。

「ところでタケル君。君……日本人だよね」

日本人という言葉でゾワッとした

「は……?あんた……」
「名前を見て、親近感が湧いたんだよ。僕も同じ……転生者だからね」

リョウ・シライ(本名 白井 凌也)
1年前にこの世界に転生してきた日本人。
学校帰りに駅で待っていると背中を押され電車に引かれてしまい、転生した。
元々真面目で大学も偏差値が高いところに行っていた。
それに不満を持っていた中学の同級生が突き落とした……と転生する時に状況を教えてくれた。

「新人戦、楽しませてもらったよ!ハラハラする戦いを見せてくれて面白かったよ!」
「……見せたくて見せたわけじゃないけどな」

同じ日本人だからか、話しやすかった。
日本人と話せてすごく懐かしい気持ちになっていた。

「ところでタケル君。トランプ好きかい?」
「まぁ一応……ババ抜きとかは」
「あはは!!ババ抜きという単語久しぶりに聞いたよ!やっぱり日本人と喋るのって楽しいね!」

確かにババ抜きって言ってもここの奴らは分からないだろう。トランプも知らないと思う。

「そこでタケル君、僕と遊ぼうよ」
「……ババ抜きなら負けないぜ俺」
「違うよ。ポーカーさ」

ポーカーも少しはかじってる。出来ないことは無い。
だがいきなり俺を誘ってポーカーするか……?
同じ日本人だがどこか裏を感じる……。

「場所は確保してる、行こうか」
「拒否権ないの?」


〜フルトロン 小さな家〜

歩いて4分、小さな家がぽつんと立っていた。
入るとそこにはパーティーメンバーらしき人が2人座っていた。

「リョウさん、その人確か……」
「そう、新人戦で優勝した鈴木タケル君」

すると金髪で清楚系の女性が挨拶をしてきた。

「はじめまして。オーラン・ヒエラと申します」
「ど、どうも、鈴木タケルです……」

キラキラしてて眩しいな。性格は良さそうだけど……。

「どうぞ、座ってください。オーラン、まずは対戦お願い致します」

椅子を引き、2人を座らせるリョウ。

「まずは私とポーカーをしてもらいます」

するとオーランは髪を括りポニーテールにした。
キリッと顔を変え、俺に宣戦布告をしてきた。

「私達のパーティーは直接的な戦闘を行いません。ですが……心理戦が得意なんです」
「……俺達が脳筋野郎だとでも言いたいんですか?こう見えて見てるんすよ」

オーランがそういうと目を閉じ精神を統一し始めた。
リョウがカードを配って、ルールを説明する。

「ポイント制で行きます。役にそれぞれのポイントが付いており、勝利すると成立した役のポイントを貰えるという形で行きましょう」

ワンペア:10
ツーペア:20
スリーカード:30
ストレート:30
フラッシュ:30
フルハウス:30
フォーカード:40
ストレートフラッシュ:50
RSFロイヤルストレートフラッシュ:60

クローバー=○(小説に反映されない為)

「4回勝負と行きましょうか。それではオープンしてください」

タケル
✦︎ ♡ ○ ♤ ✦︎(A/9/3/Q/4)
オーラン
♤ ✦︎ ✦︎ ♡ ✦︎(3/7/8/2/2)

「……」
「……」

お互い沈黙する。当然だ、これは心理戦。
相手の仕草、表情、癖……あらゆる物を見て勝たないといけない。
俺の手札は現状何も役が無い。最低でもワンペア揃えればいいが……。
賭けるしかない。頑張ってもワンペアだ。
俺は✦︎ ♤ ✦︎(A/Q/4)を捨て、オーランの状況を待った。

鈴木タケルさん。私はこう見えてポーカー等の運要素が強いゲームは強いんです……!
タケルさんは3枚捨て……。おそらく何も揃ってないノーハンドと言った所でしょうか。
おそらく最低でも揃ってワンペア。1回戦目は私の勝ち…でいいのでしょうかね。
私の手札は現状ワンペア状態。スリーカードを狙いに行きましょうか……。
♤ ✦︎ ✦︎(3/7/8)を捨てた。

両者捨てたのを確認したリョウは2人に捨てた分だけカードを渡した。

タケル
♡ ✦︎ ♤ ✦︎ ○(4/9/3/A/3)

オーラン
♤ ♤ ✦︎ ♡ ✦︎(A/9/2/2/2)

「タケル、ワンペア。オーラン、スリーカード」
オーランの勝利だ。

0-30

タケル君。君はおそらくこの試合に勝てない。
彼女は……豪運の持ち主だからね。

オーラン
能力:ハイラック
天文学的数字の確率を発動させることも可能な運の持ち主。
常時発動型の為、抑えることは出来ない。

つまりタケルは勝てない相手に勝とうとしているのだ。

「……運が悪かったな。ワンペア揃っただけマシだ」
「えぇ、そうですね」

彼女の笑顔を見るが眩しくて見れなかった。
引き続きリョウがカードを配る。

「では、オープンしてください」

タケル
♡ ♤ ○ ✦︎ ✦︎(4/4/8/9/K)

オーラン
♤ ♡ ♡ ♤ ✦︎(7/9/9/7/2)

ワンペアのみ……。スリーカードか。8/9/Kのいずれかを引いてツーペアにするのもありだな。
どうする……?スリーカードの方が役的に強い。前者を選んで3枚捨てるか……?

タケルさん……貴方は癖があるのを自覚していない。
貴方は考える時……"瞬きの回数が増える"。
恐らく手札が弱いのでしょう……私の手札は現状ツーペア。2を捨てフルハウスを狙いましょう……。
運は豪運に勝てない。それを貴方にお見せしましょう!

✦︎(2)を捨て、タケルを待った。

……ほとんど考えずに捨てたな。強い手札か、あるいは捨てか……。
だが1枚……ツーペアか?ならフルハウスを狙っているかもしれないな。
ツーペアよりスリーカードの方が強い。……賭けるか。
♤ ✦︎ ✦︎(8/9/K)を捨てた。

リョウは2人に捨てた分だけカードを配る。
タケル
✦︎ ✦︎ ♤ ♡ ♡(4/4/J/10/3)

オーラン
♤ ♡ ♡ ♤ ✦︎(7/9/9/7/7)

「タケル、ワンペア。オーラン、フルハウス」
オーランの勝利。

0-60

「惜しかったですね。」
「……あぁ。」

オーラン、なんか裏があるな……
今なんで惜しいと思ったんだ?俺の手札がまるで見えているような……。
透視?何かしらの能力を発動しているな。
賭けるか・・・・

リョウがカードを配る瞬間。タケルはオーランの足に自分の足をコツンと当て続ける。
本人は気づいていない。むしろ目を閉じて笑顔で待っている状態だった。

「両者、オープンしてください」

さて………次はストレートフラッシュでも……!?

オーラン
♡ ♤ ○ ♡ ✦︎ (6/9/2/Q/7)

ノーハンド……!?

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