【推測不能!?】AIノベルちゃんにホラーを任せてみた件について

清泪(せいな)

第18話 女体化

 やはり私は人見知りする性格なのだろう。
 まぁ、そんなことは置いておくとして、私はまず最初にトイレへと向かった。

 用を足すと手を洗い、そのまま食堂へと向かう。
 そこでは何人かの男性たちが朝食をとっていた。
 私は空いている席に座ると、パンとスープ、サラダといったメニューの中から、サンドイッチを選んだ。
 飲み物にはコーヒーを選ぶ。
 ちなみにこの施設では、基本的に食事は自室でとることになっているらしい。
 そのためか食堂にはそれほど人がいなかった。
 おかげでゆっくりと食事をすることができた。
 ただ困ったこともある。
 それは周囲の視線だ。
 皆、チラチラと私の方を見てくる。
 おそらくは珍しいのだろう。
 だけど中には不快そうな表情を浮かべている人もいて、私は居心地の悪さを感じていた。
 たぶん私が男だった頃の知り合いがいたら、同じような反応をしていたと思う。
 でも今の私は女。
 つまり彼らにとっては見知らぬ他人ということだ。
 きっと興味はあるけれど、関わりたくないと思っているに違いない。
 現に今も、私に話しかけてくるような人は一人もいない。
 正直言って、あまり嬉しくない状況だった。

 そんなことを考えながら、私は黙々と食べ続けた。
 やがて食事を終えると、私は食器を持って立ち上がった。
 そのまま返却口に持っていくと、さっさと部屋に戻ろうとする。
 だがそんなとき、後ろから声をかけられた。
 振り返るとそこには遠藤さんが立っていた。
 彼はどこか申し訳なさそうにしながら、私のことを見つめてきた。
 何か話でもあるのだろうか?
 そう思って待っていると、彼は意外なことを言ってきた。
 よかったら一緒に行かないか? 
 どこへ? 
 そう尋ねようとしたところで、私は思い出す。
 そうだ。今日は確か健康診断の日だ。
 そして私は女になったばかりで、まだ検査を受けていない。
 恐らくそのことを心配して誘ってくれたのだと思う。
 とはいえ、ここで断っても仕方がない。
 私は承諾することにした。
 分かったわ。行きましょう。
 そう答えると、私は彼に案内される形で移動を開始した。

 それから私達は診察室へとやってきた。
 中に入ると、医師と思われる男性が待っていた。
 白衣を着た初老の男である。
 名前は山瀬と言うらしい。
 私は挨拶を済ませると、早速身体測定を行うことになった。
 身長や体重を測るためである。
 その結果、身長が縮み、体重が大幅に減っていた。
 おまけに胸が大きくなっていた。
 そのせいか、衣服のサイズも変わってしまっている。
 これは後で新しい服を用意してもらわないと駄目ね……
 そんなことを考えながら私は質問に答えていった。

 一通り終わったあと、私は山瀬先生に尋ねた。
 あの……
 性別が変わる病気とかってあるんですかね? 
 すると彼はこう言った。
 聞いたことがないな。
 それに君は女性になったばかりじゃないか。
 だったら気にする必要なんてないだろう。
 そう言われて私は納得した。
 確かに彼の言うとおりだと思ったからだ。
 そうですね。
 私は苦笑すると、お礼を言って部屋を出た。

 それから私は、用意された部屋で着替えを行った。
 サイズは違うものの、用意してくれたのは女物の衣類だったので、特に問題なく着ることができた。
 しかし下着だけはどうしようもなかった。
 男性用のものはサイズ的に履けない。
 だけどこのまま裸でいるわけにもいかない。
 どうしたものかしらと悩んでいると、ふと遠藤さんのことが思い浮かんだ。
 そこで私は彼に相談することに決める。

 部屋を出て、遠藤さんの部屋に向かうことにした。
 すると途中で偶然、彼に出会うことができた。
 ちょうどいいタイミングだった。
 そこで私は相談を持ちかけることにする。

 実は……
 私は事情を説明した。
 すると彼は真剣な表情で聞いてくれた。
 それから彼は考え込むように顎に手を当てる。
 少し待っていてくれ。
 彼はそれだけ言い残すと、その場から去っていった。
 いったい何をするつもりなんだろう? 
 疑問に思ったが、私は大人しく待つことに決め、自分の部屋に戻った。
 5分ぐらい経っただろうか。
 部屋の扉をノックする音が聞こえた。
 私は立ち上がると、ゆっくりと歩いていき、ドアを開ける。
 そこにいたのは遠藤さんだった。
 どうやら彼の手には紙袋があった。
 中身は私の着る物だろう。

 ありがとうございます。
 そう言って受け取ろうとしたが、遠藤さんはそれを渡そうとしなかった。
 代わりに彼はこんなことを言ってきた。
 少しだけ君に頼みたいことがあるんだけど、大丈夫かな?
  私は首を傾げた。
 えっと、何でしょうか? 
 尋ねると、彼は少し恥ずかしそうにしながら口を開いた。

 君の身体を見せてほしい。

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