【推測不能!?】AIノベルちゃんにホラーを任せてみた件について

清泪(せいな)

第1話 カーテンの隙間から覗く女

  
 駅から徒歩5分という立地なのに、やたらと安い家賃が気に入って俺は少しだけボロいこのマンションに引っ越してきた。
 多少ボロいとは言え、住むには不便もなく、駅から近くても騒音被害もない。
 その条件からすると破格なんではないかと思える家賃に友人は、幽霊でもいるんじゃないか?、と冷やかしていた。


 このマンションに引っ越してきて、早3ヶ月。
 ある朝、目が覚めるとカーテンの隙間から女がこちらを見ていた。
 カーテンの向こう側、窓の向こう側には狭いがベランダがある。
 ベランダがあるとは言え俺の部屋は、4階だ。
 そのベランダに何処かからよじ登ったのかそこにいて、女はじっと、ずっと、カーテンの隙間からこちらを覗き込んでいる。
 俺は気味が悪くて、窓に近づけずにいた。
 怯えてしまい、何も考えれずに仕事に出かける事にした。

 仕事から帰ってきても、女はじっとカーテンの隙間からこちらを覗き込んでいた。

 こちらを覗く以外何もしないのか、無防備にも無人になっていた部屋に侵入した形跡は無い。

 変な安堵を感じて、俺は女を気にしないように無視する事にした。

 次の日も、女はこちらを覗き込んでいた。
 その次の日も、女はこちらを覗き込んでいた。

 女は覗き込む以外に何もしないが、たまに目を合わせてやらないと窓を叩いてこちらを脅かしてくる。

 いつしか、覗き込む女を見てやる事が俺の日課になった。


 ある日、俺は夢の中で女を追いかけていた。
 現実では、女に怯える俺が、怯える女を必死に追いかけていた。



 その朝、目が覚めるとカーテンの隙間から女がこちらを見ていた。
 女は、2人に増えていた。そしてまた別の日には、3人になっていた。
 さらに別の日には、4人になって、6人になり、8人になって、10人になり……。
 気がつけば女は30人ほどになっていて、いつの間にか部屋を埋め尽くしていた。
 女達は皆一様にこちらを見つめていて、まるで俺がここにいる事を喜んでくれているようだった。

 しかし、それは間違いで、俺がいる事が嬉しいのではなく、俺を食う為に喜んでいるのだ。
 そうして、1週間程経った頃だろうか。
 いつものように目を覚ますと、目の前にあの女達が立っていた。
 女達は一斉に口を開き、何事かを呟きながら、俺に迫ってきた。
 何を言っているのかはわからないが、どうせロクでもない言葉だろう事はわかった。
 恐怖に耐えかねた俺は逃げ出そうとしたが、何故か身体が全く動かない。
 声も出せず、ただ女達が迫ってくるのを待つしか出来なかった。
 女達の手が触れようとした瞬間、急に動けるようになった俺はその場から逃げ出した。
 玄関まで走った所で背後を振り返ると、そこには誰もいなかった。
 ホッとしてドアを開けると、外には大量の女達が待ち構えており、そのまま俺は飲み込まれてしまった。
 それからというもの、毎日悪夢を見るようになり、毎晩、目覚めると全身汗まみれになっている。
 こんな日々が続くなら死んだ方がマシだと思い、今日は勇気を出して部屋の電気をつけようとスイッチに手を伸ばす。
 だが、やはり押せない。
 押す前に手を止めてしまう。
 怖いからだ。
 結局押していないにも関わらず、部屋に明かりがついた。
 振り返ってみると、部屋の隅っこの方にあの女がいた。
 薄暗い部屋の中でもわかるくらい顔色が悪かった。
 血色が悪いとかそういう話ではなく、本当に真っ白なのだ。
 唇の色なんて、透けて見えそうなほどだ。
 肌も青白くて不健康そのものに見える。
 髪だってボサボサで手入れされておらず、艶がない。
 よく見ると服もボロボロだし、所々ほつれている部分もある。
 とてもではないが、まともな生活を送れるような格好ではない。
 そんな女の視線は真っ直ぐに俺に向けられていた。
 見つめ合うこと数秒、意を決して俺はスイッチを押した。
 パッと明るくなった部屋。
 そこにいたのは紛れもなくあの女だった。
 昨日まではいなかったはずだし、今朝見た時には間違いなくいなかったはずなのに、今は当たり前のようにそこにいた。
 その女はこちらをじっと見つめていたが、やがて何か言いたげな表情を浮かべたかと思うと、ふっと消えてしまった。
 それと同時に、今まで感じなかった疲れが一気に押し寄せてきて、俺はその場で意識を失った。

 次に目覚めた時、俺は自分の部屋にいた。
 カーテンの隙間から覗く太陽の位置から察するに、恐らく朝だろう。
 ベッドの上で上半身だけ起こしながら、俺はぼんやりと天井を眺めていた。
 あぁ、そうだ。俺は確か部屋に入ってすぐ倒れたんだっけ?
  思い出した途端、ゾッとした。
 俺は、いつから倒れてたんだろう……?
 そもそもあれは何だったんだろうか……。
 思い返せば返す程にわからなくなる。
 夢なのか現実なのかすらわからない。
 ただ一つ言えるのは、もう二度とあの部屋に入りたくないという事だけだ。

コメント

  • ローソニアン

    表紙の絵を見たあとにストーリーを読むと光景が目に浮かび怖さ倍増でした!

    0
  • ブラックファントム

    表紙のインパクトで読みました!
    ドキドキして面白かったです!

    1
  • ノベルバユーザー602625

    怖いけど見ちゃう!

    1
  • るうあ☁️

    イラストもすごいリアルでもう、その時点で鳥肌が立ちました!凄く、題名の『カーテンの隙間から覗く女』っていうのも凄いなあとおもいます!自分では、こんな作品は書けないので、お手本にしてみたいです!

    2
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