【3.7万PV】女性に憧れていた私が転生して悪役令嬢に!?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキミックスで成り上がる~

近衛 愛

【男の娘051】アカネと牧場防衛後片付け

「ところでアカネ少し聞きたいことがあるんだけど」


「いいですよ。何ですか?」


マッシュ兄さんは、私の手を引いて、牧場から少し離れていった。


「ここまで来れば大丈夫だろう。アカネさっきの牧場での防衛で何かしなかったか?」


「何かとは何でしょうか?」


「そうだな。大狼の行動を遅くしたり、僕の反応速度を上げてみたりかな。なにやらボソボソと小声で呪文を唱えてた気もするから」


「そのことでしたら、しましたね。遅延と加速の魔法を使って支援しましたよ。」


「やっぱりそうか。これまでにみたことのない事態だったから、出来るのはアカネしかいないと思ってたんだ。アカネ。ありがとう。お陰で、父さんも致命傷を負うことも、ペレトンが死ぬこともなく、無事に防衛出来たよ。」


「いえ、そんな。当然のことをしたまでですよ。みんなが無事で良かったです。」


「父さんには、僕から説明しておくよ。命の危機があったから、しょうがないとはいえ、約束を破って使ってしまったのも事実だからね。」


「はー、やっぱりそうなりますか。でも、マッシュ兄さんに説明してもらう訳には行きませんわ。私が自分で決めて、自分でやったことですもの。私がお父様に報告しますわ。


 ただちょっと口添えしてもらえると助かりますわ。」


「アカネはいい子だね。うん、弁護くらいお安いものさ。なに、父さんもそこまで怒らないよ。約束を破ったことに対する注意で済ませるはずだよ」




話し合いが終わったようでお父様がこっちにやってきた。


「二人も援護しにやってきてくれたんだな。ありがとう。」


「お父様、それで一つご報告しておくことがあります。実は、さっきの防衛で魔法を使いました。約束破ってごめんなさい。’」


「じゃー、さっきの運動能力が加速したように感じたのは、気のせいや感情の昂りで、思考時間が加速したわけじゃなかったんだな。アカネの魔法だったわけかい?」


「ええ、その通りですわ。お父様、今回の防衛で使った魔法は、遅延と加速の二つの魔法です。対象の時間を早くするものと、遅くするものですわ。」


「なるほどね。それでは、ペレトンが体勢を崩した時に大狼がゆっくりになったのもアカネのおかげということか。どうやら我々が無事に勝利することが出来たのはアカネのおかげみたいだね。


 皆を代表して、礼を言おう。しかし、だな確かに私との約束を破ってしまったわけだな。はー、どうしたものかな。今回の件に感じては、我々の命を救ってくれた礼として、不問としよう。ただ、覚えておいて欲しい。約束を破れば、その時は、家に一週間ほと、謹慎してもらう予定だったということを」




「お父様寛大なご配慮ありがとうございますわ。」


「ふーっ」と私もマッシュ兄さんも息をついた。良かったお咎めなしになったよ。


「安心しているところ悪いが、確認したいことがある。その魔法は、私と大狼以外に誰に使ったんだい?」


「それ以外ではマッシュ兄さんに加速の魔法をかけただけですわ。」


「ふむ。それなら知らぬ存ぜぬで通せるかもしれんな。あー、あの場にいたもので不信に思っているものも何人かいよう。何を聞かれても知らないことにしなさい。」


「「はいっ、わかりました」」


「それで、父さん狼たちとの話し合いはどうなったんですか?」


「ふむ、それなら、ペレトンと狼達が森の動物達に頼んで、魔熊の現状の生活圏、寝床、人数などを調査すてくる用に頼んでたよ。グラファンの方も鳥たちに頼んで、調査してもらう手筈になっている。


 後はその報告待ちだな。その情報をもとに対策をたて、魔熊の討伐に打って出る積もりだ。会議は情報が出揃ってからだな。それまでは、各自いつも通りの作業をしながら、対策案を各々考えて来ることになっている。」


「やはり、そのようになりましたか。」


そして、お父様はチラッと私を見る、それをマッシュ兄さんは見て理解したようだ。


「では、僕とアカネは、これで失礼して、サンドイッチの昼食と養蜂箱作りに専念することにしますね。」


「ちょっ、ちょっと待てマッシュ。これから、あの朝出てきたサンドイッチを食べるのか?わしの分は?」


「父さん、これは僕たち二人の分だけですから、残念ながら、父さんの分はありませんよ。」


と言って笑った。


「まーまーお父様、そんなに気に入ったのでしたら、また、今度作りますから。」


「ほんとうだな。アカネ!いつだ今度はいつ作るんだ!」


「それは、、、気が向いたらでしょうか?他にも新しい料理も作りたいですからね。」


「そんな、殺傷な。」


とお父様は、泣き崩れてしまいました。私とマッシュ兄さんはおかしくて笑ってました。マッシュ兄さん、お父様二人とも、ありがとう。







コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品