私を変えるチカラ ②

なにか新しいことを始めよう。
今はTikTokなのかな。
自分の動画は無いけど見てみたい。
私の知らない世界。
世の中何が起きてるの？
私はまだ気付いてなかった。
私を変えるチカラがここにあったことを。
私の中にストンって、いやズドーンって落っこちてきた。

お願い私。
どこかに行ったりしないで。
理性だけは守ろう。
でも壊したい。
今の生活じゃなく
自分の殻を壊したいの。

毎日好きな芸人さんの配信を見るのが好きになった。
ニックネームで呼び合う仲間も出来た。
ワクワクしていて何だか秘密めいていて、刺激もあった。

いつものように楽しい空間。
そんな日々に突然、異変がおきた。

その日は芸人さんの後輩くんが参加した。
32歳のイケメン。
こんな有名な芸人さんに可愛がられてスゴいなぁって素直に思った。

ただ、それだけだった。

整った顔立ち。笑顔もかわいい。
いい意味で芸人さんっぽくない。
その日から後輩くんが気になって仕方ない自分がいた。

先輩のYouTubeの撮影もしているから、めちゃめちゃ観るようになったし、動画の中にも出たりして嬉しくて、仕方ない私。
この映りって見やすいって褒めまくる私。
例え｢そうですね｣の一言でも必死で拾う私もいる。

もちろん本人のSNSもフォロー済。
1年前の動画の中の女の子までチェックしたりして。この時は知らない人なのに、どこかですれ違ったかもしれないのに。

なんだろう、この気持ち。
ちょっとチクチクする。

後輩くんの配信も観るようになった。
名前も覚えてもらってコメ欄で会話する。
1人ニコニコ、いやニタニタしてる私。
こんな顔、ダンナさまにも見せたことないと思う。
目の前に鏡があったら見てみたい。
自分の顔がどんなに乙女顔してるのか。

TikTokはフォロワーが一定数いないと配信したり小窓に上がれない。
知らない人からのフォローは断ってたけど、小窓に上がりたいがために、今では誰でも受け入れている。

話なんて上手く出来ないけど、間が空いたり、困ったりしたら、私を呼べばいい、そんな気持ち。

私の名前には後輩くんの名前が入っているから、ほかの動画にコメする時はものすごく気を付けている。
いい言葉で優しいコメをする。
そしたら後輩くんの名前を見た人の記憶に残るし、将来テレビで活躍する日が来た時に｢あれ？この名前見たことある。あの時のコメの人の名前だ｣って思われるかもしれない。
乙女はそんなことまで考えてるのだ。