ビンボー領地を継ぎたくないので、全て弟に丸投げして好き勝手に生きていく
345話「森にいたSSランクモンスター」
「これが、伝説の薬草か」
「いや、そこまで大層なものじゃないわよ?」
「……これが幻の薬草か」
「まあ、間違っちゃいないけど……んぐっ」
「お前は空気を読むことを覚えた方がいい。だから、ハブられるんだ」
「っ!?」
あれから、当初の目的であったこの辺り一帯にしか自生しないという薬草を探して森を突き進んでいた。そして、とうとう目的の薬草が自生する群生地を見つけたのだが、俺の言葉にいちいち突っ込んでくるルルミーレがうるさかったので、手で口を押さえるのと同時に精神的にダメージを与えるような言葉をぶつけておいた。
口で反論してくることはなかったが、その表情は明らかに俺の言葉にダメージを受けており、悲しい顔を浮かべながら涙目になっていた。
そんなこともありつつ、気を取り直して改めて群生地を見てみると、そこに生えていたのはハート型の葉を持った白色の植物であった。緑一色の場所に白い植物が生えていることに違和感はあったが、目立っていたこともあって問題なく発見することができたのは僥倖だった。
さっそく、採取していこうと近づいたその時、俺の足元に何かが叩きつけられたような衝撃が起こった。俺の気配察知にも引っ掛からなかったので若干びっくりしたが、それはすぐに正体を現した。
「あらあら、可愛らしい坊やとエルフさんがこんなところに何の用かしら?」
「……アルラウネか」
「そうよ。でも、ただのアルラウネだと思っていたら痛い目見るわよ」
「なるほど」
その見た目は人型の植物系モンスターといった感じで、緑色の肌をした半裸の女性だ。ただそれだけであるならばただの痴女判定なのだが、その体からは無数の蔦が生えており、それがまるで意志を持っているかのようにクネクネと動いていた。
俺はすかさずアルラウネを自称するそいつを調べてみたが、得られた結果は興味深いものであった。
【名前】:エルダークイーンアルラウネ
【年齢】:133歳
【性別】:
【種族】:アルラウネ族
【職業】:なし(SSランク)
体力:507000
魔力:681000
筋力:SSC-
耐久力:SSE-
素早さ:SSB
器用さ:SSA-
精神力:SSA
抵抗力:SSA
幸運:SSD
【スキル】: 身体強化・改Lv6、魔道の心得Lv3、土魔法LvMAX、大地魔法Lv8、木魔法LvMAX、闇魔法LvMAX、蔦操作LvMAX、
超集中Lv4、威圧Lv6、魔法耐性Lv8、物理耐性Lv4、毒無効LvMAX、幻惑無効LvMAX、麻痺無効LvMAX、パラメータ上限突破Lv2、
蜜生成LvMAX、痴女Lv5、性豪Lv2
【状態】:なし
調べてみると、驚いたことにSSランクのモンスターだったことが判明する。確かに人の言葉を操っている時点で、高位のモンスターであるという証明ではあるが、まさかここにきてSSランクのモンスターが現れるとは夢にも思わなかった。
能力自体は俺の敵ではないものの、このアルラウネが薬草の群生地を陣取っているせいで大規模な魔法が使えない状態となっており、物理的な攻撃で何とかしなければならない。さりとて、物理的な攻撃では手加減ができないため、下手をすれば周りの地形を変えてしまいかねないというどちらに転んでもいい結果にはならないということが予想される。
「これでもくらいなさい!」
「だが断る!」
アルラウネが自身の蔦を使い攻撃を仕掛けてきたので、結界を張って物理攻撃を防いだ。しばらく攻撃し続けていたが、諦めて次の手を打ってくる。
「【チャームパヒューム】」
「いけない。ローランド君、あの煙を吸ってはいけないわ」
「まあ、元よりそんなつもりはないがな」
アルラウネの相手を催淫する闇魔法を使ってきた。それに注意するようルルミーレが警告を出し、俺はさらにもう一枚結界を張ることで対処した。一枚目の結界がひび割れ、パリンと音を立てて消失する。続いて新しく張った二枚目にもひびが入り始め、このままだと突破されてしまう。
仕方なく、さらに追加で三枚の結界を張るも、込められている魔力が強力なのか一向に魔法の効果が切れることなく、俺たち目掛けて突き進んできている。
「であれば。【ドレインウォール】」
これでは埒が明かないと踏んだ俺は、魔力を吸収する結界を新たに作り上げる。すると、効果は覿面だったようで、瞬く間に煙が小さくなっていき、最後には目に見えないほどの大きさとなってようやく消失する。
俺の弱点としてこういった状態異常系の効果をもたらすスキルに対抗する手段が少ないため、今後は耐性系のスキルを育てていく必要があるのだが、残念なことに日々の生活の中でその時間が取ることができず、なかなか手を出せずにいる。実に歯がゆい状況だ。
「ちぃ、しぶといわね。ならこれでどう? 【ロックザハンド】」
痺れを切らしたアルラウネが岩でできた巨人の腕を模した大地魔法を発動する。まるで某ゲームに登場するあの腕のようなモンスターっぽいが、こっちの方は岩でできている分、能力的には上位の存在だろう。
「チャームパヒュームで操って生気を搾り取ろうと思ったけど、もういいわ。私の思い通りにならないのなら、潰れてちょうだい」
「言ったはずだ。“だが断る”と」
「なっ、なんですって!?」
巨大な岩の腕が握り拳の状態のままこちらに向かって振り下ろしてくる。だが、物理的に攻撃してくれるのであれば、俺としても対処は容易い。振り下ろされた拳を片手で受け止めると、あまりの出来事にアルラウネが目を見開いて驚愕する。
受け止めた状態のまま手刀を突き入れてやると、案外脆かったようでそのまま粉々になって崩れていく。
「そろそろ鬱陶しくなってきたから、とどめを刺しても構わないか?」
「っ!? ま、待って! 降参、降参するわ! だから、命ばかりは助けてちょうだい!!」
自分の有効な攻撃手段をすべて封じられてしまったため、手詰まりとなったアルラウネが降参してきた。俺としても無駄な争いは避けるに越したことはないため、アルラウネの降参を受け入れる。
それから、薬草をいくつか採取し、これで目的は達成されたのであった。
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