勇者デリバリー~毒舌少女と純情王子の冒険譚~

花宵

15、完璧王子

 冒険の準備を整えるため、あたいが訪れたのは武器兼防具屋。


「ねぇ、シェド。アンタが得意なのは剣術?  それとも魔法?」
「どちらかと言えば剣術ですね。簡単な回復魔法と攻撃魔法も一応使えますが」
「へ~。王子って中々ハイスペックな職業やってんな」
「惚れ直しました?」
「最初から惚れてない」


 魔法剣士タイプか。

シェドの現在の装備は 

武器:エクスカリバー
頭    :王族のかんむり
体    :伝説の法衣ほうい
装飾:金のロザリオ
特殊:精霊のお守り


 なんかめっちゃ、強そう。
 もう装備完璧やん、ととのってんやん。
 こんな初期の町の弱い装備とかいらへんやん。
 てか、レベルは……100?!
 カンストしていらっしゃる。

 あいつ一人で魔王倒せるんとちゃうんのん?

「マコト様、僭越せんえつながらマコト様にぴったりの装備を選んで参りました」


 こいつが選んだ……嫌な予感しかせぇへんのは何でやろ。
 そしてそのどやがおめてくれ。
 無駄にイケメンなのがなんか腹立つ。

「勇者デリバリー~毒舌少女と純情王子の冒険譚~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く