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今日も期間限定彼氏に脱がされています

ぴよももし

第21話 あぁ、なんて愛しいんだろう

行為が終わった直後、息を荒げながら私たちは見つめ合い、くすっと笑いあった。

「ふふっ、すごく気持ちよかった」
「俺も」
「好きな気持ちってすごいね。何倍にも気持ちよく感じるんだもの」
「あぁ、そうだな」

古賀はそう言って視線を落として真剣な顔で少し考えてから口を開いた。

「沖村」
「ん?」
「あの、次はもっと……いいところでセックスしないか?」
「!?」

 私はまた突然何を言い出すのかと驚いた顔で古賀を凝視した。古賀は慌てて言葉を続ける。

「あ、いや、変な意味じゃなくて……いや、変に聞こえるよな」

 古賀はそう言ってコホンと咳払いをすると、私をまっすぐ見つめて言葉を続けた。

「お前が好きすぎてここでしてしまったけど、次はもっと柔らかくてリラックスできるところでお前と――したい」

 古賀は恥ずかしそうに私に微笑んだ。

「うん、ありがとう」

 相変わらず言葉が足らない古賀だったが、思いを一生懸命伝えて私を想ってくれていることが嬉しくて私は微笑み返した。

「じゃ、今夜もう一度――」

私は古賀の困った顔が見たくなり少しイジワルに突っ込む。

「え、今日また!?古賀のエッチー」
「いや、あーもう、そういうんじゃなくて」

 古賀は私の突っ込みに頭をかきながら慌てる。私はそんな古賀を見つめながら、あぁ、なんて愛しいんだろう、と思った。いつもは無愛想でポーカーフェイス気味なのに、実はいろんな彼がいる。仕事の時の凛々しい彼、セックスしている時の熱っぽい彼、想いを伝えようと一生懸命な彼、こうしてイジワルされて慌てる彼――そして、私に愛を告げてくれる優しい彼。

「冗談。今夜一緒にすごそ」

 私はそう言って、古賀にそっと抱きついた。そして古賀は小さく頷くと私を優しく抱きしめ返した。

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