今日も期間限定彼氏に脱がされています

ぴよももし

第11話 お前か~! ―今村の心の叫び―

 休憩室で同僚たち数人で飲み物片手に話していると、向こうから沖村さんが歩いてくる。

「沖村さん、お疲れ様です~」

 元気ないけど大丈夫かなと思いながら沖村さんに声をかけると、沖村さんはそっけない挨拶を返して足早に通り過ぎてしまった。そういえばいつかもこんな感じの様子みたなと思い返してみると、一つ思い当たることがある。

 ――古賀さんだ。いつかの時も古賀さんが一緒にいたような気がする。もしかして沖村さんは古賀さんをさけてる!?となんとなくモヤモヤと考えていると、問題の古賀さんがすごいことを言い始めた。

「あのさ、セックスしたら付き合ってることにはならないのか?」
「はっ!?」

 私は口にしていた飲み物を思わずリアルに吹き出してしまった。そのまま古賀のすごい発言は止まらず続く。

「それとも女ってのは好きじゃなくてもセックスできるのか?」

 古賀さんが真剣な表情でとんでもない発言を連発するので、皆うろたえながらも各々返答をしていく。

「待て待て!お前なぁ、ここ会社!あと昼間!」
「古賀やっぱり女いるの!?」

 私は何言ってんのこの人?と思いながらも正直に思ったことを伝えることにした。

「私はですねー、好きでもない人とはできないです」

 すると古賀さんは言葉を詰まらせながら答える。

「そう……だよな」
「だいたい体だけの関係なん……あ!」

 私はピンと閃くものがあり、古賀さんに思い切って質問してみることにした。

「あの~、つかぬことをお伺いしますが、お相手は私も知ってる人ですか?」
「えっ、いやまぁ……」

 古賀さんはゴニョゴニョと口ごもりながらボソボソと答える。

「そんなのセフレと変わらないですよ!?何やってんですがいい大人が!」

 お前か~~~~~!と私はすべてを察し、古賀さんを問い詰める羽目に。

「何も言わなくても伝わるなんて、そんな都合のいい話があるわけないでしょう?」

 ポカンと呆気にとられたような表情で呆然としている古賀さんに、私はけしかけるように言葉を投げた。

「その人のことが好きなら、ちゃんと言葉にしないとダメにきまってるじゃないですか!」

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品