今日も期間限定彼氏に脱がされています
第6話 仕事のため……だからな
その後、一応古賀に言われたとおりにサンプルの下着の着用感を試そうと、私はサンプルを着用したまま仕事を続け、業務を終えた。帰宅するために会社のエントランスに向かうとそこには古賀が立っていた。
無視するわけにもいかずに、古賀に声をかけると、古賀は無言で外を指さした。その方向に目を向けると、外は土砂降りの雨。
「えっ、今日雨降るんだっけ」
「お前、傘持ってなさそうだな……」
と、チラッを私を見る古賀。古賀の顔を見て今日の出来事がさっと脳裏を過る私。
「近くのコンビニに傘くらい売ってるでしょ、行こう!」
気まずくなった私は、そう言い放って古賀を置いて外に思わず走り出す。しかし、間もなくしてバサっと頭に布が被せられた。驚き、振り向いて目にかかる布を上に上げて見ると、古賀が自分のジャケットを雨よけに私にかけてくれていた。お礼を言おうとしたが、古賀は私の顔を見るなりハッと何かに気づいたように、私の手を取って、早歩きで歩き出す。
「えっ!?ちょっと何?ねぇ!」
雨足はどんどん強くなって道路に雨水が勢いよく跳ねる。視界は強い雨に遮られて見づらい。
「このジャケットありがたいけど……古賀、濡れちゃってるよ?大丈夫なの?」
激しい雨音が響く中、聞こえているのかいないのか、呼びかけても古賀は無言で私の手を離すこと無くどんどん歩き続ける。私は先の見えない古賀の行動に動揺しながらも、ただただ付いていくしかなかった。
強い雨の中をずぶ濡れになりながら暫く歩き続けていると、突然古賀の足が止まった。
「入るぞ」
見上げると眼の前にはシティホテル。
「なっ、なんで!?コンビニは?」
「その格好で帰るつもりか……?」
古賀は私の姿を見て胸元あたりを指す。私は胸元を確認すると、着ている白いブラウスは体に当たる雨水によってひどく濡れており、中に着用しているものが透けて見える状態になっていた。
そう、古賀に勧められて着用したままの、あのいやらしい感じのサンプルの下着が見事に透けていたのだ。
「ただの雨宿りだ、いいな」
「は、はい…」
透けた下着の状況から、恥ずかしさもあり抗うことなどできなくなった私は、仕方なく古賀と目の前のホテルに入り身なりを整えることにした。
古賀は部屋に入るとすぐ、雨に濡れて冷え切った体を拭くためのタオルを私に差し出しながら話しかけてきた。
「着替えるのも惜しいくらい、そんなにあのサンプルが気に入ったのか?」
「そういうんじゃなくて!もう、着用感を試せって言ったのはアンタでしょうが!」
「だからってそのまま着て帰るかよ?」
「あの後そのままラフの修正してたら集中しすぎてつい……」
古賀と自然に会話をしていたが、見回すとホテルの部屋に男女が二人きりというこの状況……。やはりこれは普通じゃないと感じた私は、ふつふつと古賀に対して怒りが湧き上がってきた。
「大体ね、初めからちゃんと言ってくれたら良かったでしょ?こんなに強引にホテルに連れ込むようなやり方ってある!?」
勢いよく問い詰めると、古賀はあっさりと非を認めた。
「それは……悪かった」
てっきりまた予想外の返答をするに違いないと構えていた私は拍子抜けしてしまい、スっと怒りが引くのだった。
「一応お礼は言っとく……ありがと」
すると古賀は口を開いた。
「やっぱりお前は知らなすぎるんだよ、もっと教えてやる」
そう喋り終わるや否や、いきなり私の方へ伸びてきた古賀の手は、ブラウスのフロントボタンを外し始める。私はあまりに突然の行動でまたもや思考が停止してしまった。
「え?」
古賀はそのまま手を止めずに言葉を続ける。
「そうしたらもっともっといいデザインが描ける」
「ちょっ、何してるのよ!?」
私は全て開けられてしまったブラウスのボタンに気づいて、咄嗟に古賀を押しのけようとする。しかし古賀は私の背後に回って、うなじの下にあるサンプルの下着の紐をスっと解き、耳元でこう囁いた。
「確か彼氏になれば問題ないんだったよな」
古賀に下着を剥がれ、顕になった私の胸。私は胸を古賀に両手で鷲掴みにされ、声が上ずった。
「問題あるに決まって……あっ、やっ……!」
「お互いに仕事のためだと割り切ればいいだろ」
古賀は真剣な声色で、背後から私を説得するように話し続ける。
「お前はただ俺を利用すればいい」
古賀はそう言うと、私の体をまさぐり始めた。古賀を利用する!?いくら仕事のためだからってこんなの絶対おかしいってわかってるのに、やめて欲しいのにどうしてなの?気持ちよくて仕方がない……。
こんなの私の方がおかしいみたいだと思いながらも、古賀の愛撫に私は流されていく。古賀はあの日のように、私の胸先を舌で転がしてじゅっと強く吸った。
「あっ……」
その吸い方から生み出される快感に思わず私は口から甘い声が漏れてしまう。古賀は下腹部に指を滑らせて湿っているショーツを剥ぎ取ろうとして手を止めた。
「抵抗しないなら、それが答えだと受け取るぞ」
古賀は私を見つめて答えを待っていたが、私はどうしてだかきちんと拒むことができないでいた。もしかしたら、触られることへの理由が欲しかったのかもしれない……。
「……いいな」
そう古賀は静かに言うと自分の服を脱ぎだした。
「今度はちゃんとイカせてやるよ」
全裸になった古賀はさっきより激しく私の全身を愛撫し始めた。
「あ……んぁっ……」
胸先を吸われ続け、下腹部の敏感なところを指でかき回されていやらしい音が部屋中に響く。私の下腹部が十分にとろけて溢れるものが止まらなくなって来た頃、古賀はコンドームの封を切って着用すると、私の中にゆっくりと入ってきた。
久々のその感覚に私は、んっと声を上げた。古賀の荒々しくなっていく吐息を感じながら、彼が激しく腰を動かすたびに私は、甘く切ない声を上げる。私の声はどんどん高まり、古賀は口を塞ぐように激しく舌を入れて深くキスをしてきた。ますます激しくなる古賀の動き。私はただ、ベッドのシーツを握りしめながらその快感に溺れ続けていた。
やがて交わりは激しさを増し、古賀と私は頂点に達して果てた。その直後、古賀は気まずそうに私をじっと見つめてつぶやいた。
「……その、仕事のため……だからな」
何、その「やっちまった」みたいな顔。
いやいやそれより事後にいう言葉がそれってありえないんですけどと、快感も興奮も一気に冷めてしまった私は、あまりの驚きに声が出ず、心の中でひとり饒舌に語りながら考えを巡らした。
もしかすると利用されているのは私の方では?と、そんな嫌な予感が湧いて出てくる。古賀は前に『俺にはお前を推薦した責任がある』なんて言っていたけど、自分が推薦したデザイナーが出来損ないだなんていうことになったら、会社での出世に響くこと間違いないのだ。つまり私はコイツの出世のためのコマなのでは!?
様々な考えが頭の中で渦を巻いて絡み合う。そんな事を考えながら私は、ホテルのベッドの上でため息をつきながら私の上に乗っているこの男を、目をまんまるにして眺め続けるのだった。
無視するわけにもいかずに、古賀に声をかけると、古賀は無言で外を指さした。その方向に目を向けると、外は土砂降りの雨。
「えっ、今日雨降るんだっけ」
「お前、傘持ってなさそうだな……」
と、チラッを私を見る古賀。古賀の顔を見て今日の出来事がさっと脳裏を過る私。
「近くのコンビニに傘くらい売ってるでしょ、行こう!」
気まずくなった私は、そう言い放って古賀を置いて外に思わず走り出す。しかし、間もなくしてバサっと頭に布が被せられた。驚き、振り向いて目にかかる布を上に上げて見ると、古賀が自分のジャケットを雨よけに私にかけてくれていた。お礼を言おうとしたが、古賀は私の顔を見るなりハッと何かに気づいたように、私の手を取って、早歩きで歩き出す。
「えっ!?ちょっと何?ねぇ!」
雨足はどんどん強くなって道路に雨水が勢いよく跳ねる。視界は強い雨に遮られて見づらい。
「このジャケットありがたいけど……古賀、濡れちゃってるよ?大丈夫なの?」
激しい雨音が響く中、聞こえているのかいないのか、呼びかけても古賀は無言で私の手を離すこと無くどんどん歩き続ける。私は先の見えない古賀の行動に動揺しながらも、ただただ付いていくしかなかった。
強い雨の中をずぶ濡れになりながら暫く歩き続けていると、突然古賀の足が止まった。
「入るぞ」
見上げると眼の前にはシティホテル。
「なっ、なんで!?コンビニは?」
「その格好で帰るつもりか……?」
古賀は私の姿を見て胸元あたりを指す。私は胸元を確認すると、着ている白いブラウスは体に当たる雨水によってひどく濡れており、中に着用しているものが透けて見える状態になっていた。
そう、古賀に勧められて着用したままの、あのいやらしい感じのサンプルの下着が見事に透けていたのだ。
「ただの雨宿りだ、いいな」
「は、はい…」
透けた下着の状況から、恥ずかしさもあり抗うことなどできなくなった私は、仕方なく古賀と目の前のホテルに入り身なりを整えることにした。
古賀は部屋に入るとすぐ、雨に濡れて冷え切った体を拭くためのタオルを私に差し出しながら話しかけてきた。
「着替えるのも惜しいくらい、そんなにあのサンプルが気に入ったのか?」
「そういうんじゃなくて!もう、着用感を試せって言ったのはアンタでしょうが!」
「だからってそのまま着て帰るかよ?」
「あの後そのままラフの修正してたら集中しすぎてつい……」
古賀と自然に会話をしていたが、見回すとホテルの部屋に男女が二人きりというこの状況……。やはりこれは普通じゃないと感じた私は、ふつふつと古賀に対して怒りが湧き上がってきた。
「大体ね、初めからちゃんと言ってくれたら良かったでしょ?こんなに強引にホテルに連れ込むようなやり方ってある!?」
勢いよく問い詰めると、古賀はあっさりと非を認めた。
「それは……悪かった」
てっきりまた予想外の返答をするに違いないと構えていた私は拍子抜けしてしまい、スっと怒りが引くのだった。
「一応お礼は言っとく……ありがと」
すると古賀は口を開いた。
「やっぱりお前は知らなすぎるんだよ、もっと教えてやる」
そう喋り終わるや否や、いきなり私の方へ伸びてきた古賀の手は、ブラウスのフロントボタンを外し始める。私はあまりに突然の行動でまたもや思考が停止してしまった。
「え?」
古賀はそのまま手を止めずに言葉を続ける。
「そうしたらもっともっといいデザインが描ける」
「ちょっ、何してるのよ!?」
私は全て開けられてしまったブラウスのボタンに気づいて、咄嗟に古賀を押しのけようとする。しかし古賀は私の背後に回って、うなじの下にあるサンプルの下着の紐をスっと解き、耳元でこう囁いた。
「確か彼氏になれば問題ないんだったよな」
古賀に下着を剥がれ、顕になった私の胸。私は胸を古賀に両手で鷲掴みにされ、声が上ずった。
「問題あるに決まって……あっ、やっ……!」
「お互いに仕事のためだと割り切ればいいだろ」
古賀は真剣な声色で、背後から私を説得するように話し続ける。
「お前はただ俺を利用すればいい」
古賀はそう言うと、私の体をまさぐり始めた。古賀を利用する!?いくら仕事のためだからってこんなの絶対おかしいってわかってるのに、やめて欲しいのにどうしてなの?気持ちよくて仕方がない……。
こんなの私の方がおかしいみたいだと思いながらも、古賀の愛撫に私は流されていく。古賀はあの日のように、私の胸先を舌で転がしてじゅっと強く吸った。
「あっ……」
その吸い方から生み出される快感に思わず私は口から甘い声が漏れてしまう。古賀は下腹部に指を滑らせて湿っているショーツを剥ぎ取ろうとして手を止めた。
「抵抗しないなら、それが答えだと受け取るぞ」
古賀は私を見つめて答えを待っていたが、私はどうしてだかきちんと拒むことができないでいた。もしかしたら、触られることへの理由が欲しかったのかもしれない……。
「……いいな」
そう古賀は静かに言うと自分の服を脱ぎだした。
「今度はちゃんとイカせてやるよ」
全裸になった古賀はさっきより激しく私の全身を愛撫し始めた。
「あ……んぁっ……」
胸先を吸われ続け、下腹部の敏感なところを指でかき回されていやらしい音が部屋中に響く。私の下腹部が十分にとろけて溢れるものが止まらなくなって来た頃、古賀はコンドームの封を切って着用すると、私の中にゆっくりと入ってきた。
久々のその感覚に私は、んっと声を上げた。古賀の荒々しくなっていく吐息を感じながら、彼が激しく腰を動かすたびに私は、甘く切ない声を上げる。私の声はどんどん高まり、古賀は口を塞ぐように激しく舌を入れて深くキスをしてきた。ますます激しくなる古賀の動き。私はただ、ベッドのシーツを握りしめながらその快感に溺れ続けていた。
やがて交わりは激しさを増し、古賀と私は頂点に達して果てた。その直後、古賀は気まずそうに私をじっと見つめてつぶやいた。
「……その、仕事のため……だからな」
何、その「やっちまった」みたいな顔。
いやいやそれより事後にいう言葉がそれってありえないんですけどと、快感も興奮も一気に冷めてしまった私は、あまりの驚きに声が出ず、心の中でひとり饒舌に語りながら考えを巡らした。
もしかすると利用されているのは私の方では?と、そんな嫌な予感が湧いて出てくる。古賀は前に『俺にはお前を推薦した責任がある』なんて言っていたけど、自分が推薦したデザイナーが出来損ないだなんていうことになったら、会社での出世に響くこと間違いないのだ。つまり私はコイツの出世のためのコマなのでは!?
様々な考えが頭の中で渦を巻いて絡み合う。そんな事を考えながら私は、ホテルのベッドの上でため息をつきながら私の上に乗っているこの男を、目をまんまるにして眺め続けるのだった。
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