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今日も期間限定彼氏に脱がされています

ぴよももし

第1話 この男に利用されているのかもしれない!?

「だったらなるか……お前の彼氏に」

 そう言って彼は力強く私の下着に手をあてがう。私の胸先は彼の指に転がされて翻弄されていく……。
 ここは会社の更衣室。他部署では皆勤務中なのに、何でこんなところでこんなことに!?と混乱しつつ、私は彼を止めるべく手で押しのけようとした。

「ま、待って!そんな……!冗談でしょ!?」

 しかし私の抵抗は虚しく空を切り、彼の愛撫は続く。

「本気だよ」

 彼はそう言ってぐっと私の下着を剥ぎ取ると、胸元にそっと唇を当てて吸い始めた。

「あっ……」

 弱いところをいきなり責められ、全身に走る快感に抗えず混乱する私の耳に、小さく響く彼の声。

「……嘘でもいいから」
「え……?」

 この時はまだわからなかった。この男に利用されているのかもしれないなんて――。
私は沖村おきむらゆう、27歳。大手下着メーカー「fracta」でジュニアインナーのデザインを担当している会社員である。
 このブランドは婦人服向けの下着から男性インナーなど、幅広い世代に支持されていて、私は年頃の女の子たちに寄り添える下着を作りたくて、入社以来ずっとデザイナーとしてジュニアインナーを担当している。
 今日は私がデザインを企画した商品の評価が上司から報告される日。上司から呼び出しを受け、今回の商品は自信があるからきっと…と期待に胸膨らませて私は話を聞きに行った。

「新作も評判いいわね。店舗での売れ行きも好調だし、次もこの調子でお願いね!」と私に告げると、上司はにこやかに微笑む。
「はいっ!」

 私は嬉しさいっぱいに返事をしてオフィス内を上機嫌で歩く。頑張って制作したデザインの評判が良く、上司に認められて評価も上々。こうしてデザイナーとしてやりがいのある日々送っていた。
が――楽しい気分に水を指すような男の冷めた声が聞こえる。

「……楽しそうでいいな」

 ふと声のする方を見ると、営業一課の古賀こが涼太りょうたが、疲れた表情で私をジロリと見つめていた。

「古賀!?随分疲れた顔してるけどどうしたの?また営業先で怒られたりしてんの?」
「おまっ!!それいつの話だよ!?」

 私はふと、入社当時のことを思い出して、少しからかい気味に古賀にアメを差し出した。

「入社当時は怒られてよーく凹んでたもんねぇ。ほら、アメちゃんあげるから元気だしなよ」
「…うるさい」

 と古賀に睨まれていると、背後から前から仲良くしてくれている先輩の大谷さんに呼び止められた。

「沖村、お昼行かない?」
「行きます!あ、古賀。じゃーね」

 私は大谷さんからの誘いを受け、いまいち冴えない顔の古賀に軽く別れを告げて、ランチへ向かった。

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