魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 天界に移動すると、元々神だったが、転生し人になった人が神に戻る為の手続きする場所に到着しました。
 そして、受付に着くと、受付に立っているうさぎ神に、
「神に戻る手続きをお願いします。」
 と言うと、うさぎ神は、
「では、神の力を使うことが出来るか確認させて下さい。・・・この、水晶玉に触れて下さい。」
 と言うと、水晶玉を取り出したので、わたくしは、言われた通りに、水晶玉に触れました。
 すると、水晶玉からビンクゴールドの光が溢れ出しました。
 その光を見たうさぎ神は、こちらを見て、
「失礼ですが、神だった頃の名を教えて下さい。」
 と言われたので、わたくしは、恐る恐る自分の前世の名を名乗りました。 
「牡丹姫神です。」
 と言うと、うさぎ神は、
「あ、貴女様が、あの有名な、冤罪なのに毒を賜った悲劇の女神様なのですね。」
 と、言われたので、わたくしは戸惑いながら、
「はい?確かに、わたくしは、罪を擦り付けられて、毒杯を賜り、女神人生を閉じて仕舞いました。・・・
ひょっとして、わたくしが冤罪だと判明したのですか?」
 と、聞いてみると、うさぎ神は、わたくしの言葉に頷いて、
「勿論で御座います。牡丹姫神様、こちらに来られたということは、神に戻らなければならない事態が起こってしまったんですね。」
 と言われたので、わたくしは、これまでのことを説明しました。
「なんと、あの罪人が、また、牡丹姫神様を狙い、夏鷹様の生まれ変わり様に記憶を無理矢理、思い出させて、殺そうとしているとは。」
 と、ハデスと名乗る邪神に呆れたうさぎ神は、
「これは、思ったよりも大変な事態になっておりますな。」
 と言うと、電話に手を伸ばし、どこかに電話をかけ出しました。
「もしもし、天照大御神様に繋げて下さい。・・・はい。神市役所、神戻し課担当うさぎ神・蓮と申します。牡丹姫神様の生まれ変わり様が神に戻りにいらっしゃいました。」
 それだけを伝えると電話を切るうさぎ神に、わたくしが疑問に思っていると、うさぎ神は、こちらを見て、
「牡丹姫神様の生まれ変わり様、お名前をお教え下さい。」
 と言われたので、わたくしは今世の名を名乗りました。
「飛龍咲良です。」
 すると、入り口から、誰かが駆け寄り、わたくしに抱きついてきました。
「お姉様、久しぶりです。お元気でした?」
  と、聞かれましたが、わたくしは、相手の顔が、見えなくて、顔が分からないので戸惑って、
「えっと、ひょっとして、桜子姫神ですか?」
 と言うと、彼女・桜子姫神が泣きながら頷きました。
「お姉様。申し訳御座いません。わたくしが神質にされていたせいで、あの男に囚われ罪を擦り付けられて毒杯を賜り、女神人生を閉ざさせてしまって。」
 と言われて、わたくしは、首を横に振って
「いえ、貴女が謝ることではないわ。でも、ありがとう。わたくしの冤罪を晴らして下さって。」
 と言うと、桜子姫神は、
「ところで、お姉様。今のわたくしの名は、天照大御神ですわ。で、どうして、こんな所に。」
 と聞かれたので、これまでのことを説明しました。
 すると、彼女は、目を吊り上げて、
「大変ですわ。お姉様。今すぐ、夏鷹様の生まれ変わり様をこちらに連れて来て下さいまし。夏鷹様の生まれ変わり様も、神に戻らなければならないのです。」
 と、言われたのでので、わたくしは、良く分かりませんが、妹神を信じてみようと思います。
「分かりましたわ。ちょっと、魔界に戻って、夏鷹様の生まれ変わりを連れて来ます。」
 と言うと、一度、班家に戻りました。




 班家に戻ると、お母さんが火夏の隣にいたので、声をかけました。
「お母さん。帰りました。・・・あのう、火夏も神に戻らないといけないらしいので、神界に連れて行っても良いですか?」
「咲良、火夏君を神に戻すかどうかは、直子ちゃんに言いなさい。私に言われても困るわ。」
 と言われたので、その場にいた、直子さんに聞きました。
「直子さん。本当にすみません。火夏も神に戻らなければならないので、神に戻しても良いですか。・・・神に戻っても、普通に人間界や魔界にいてもいいので、神に戻させて下さい。」
 と言うと、直子さんは、
「咲良ちゃん、貴女も神に戻るの?」
 と、聞かれたので、わたくしは頷くと、直子さんは、
「そう。咲良ちゃん、いえ、牡丹姫神様、火夏をよろしくお願いします。」
 と言われたので、わたくしは頷きました。
「分かりました。火夏は、わたくしにお任せ下さい。
必ず、二人で帰って来ます。火夏を連れて行きます。」
 と言うと、わたくしは自分の身体に肉体強化の呪文を唱えると、そのまま火夏を抱き上げると、神界の市役所に転移しました。


 


 


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