魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 周囲から殺気を放つ魔物が現れたのでわたくしは、無詠唱で聖剣を取り出した。
 そして、その聖剣を構えると、火夏に話かけた。
「火夏、わたくしの戦い方を見ても引かないで下さい。お願いします。」
 と言うと、火夏は口を開いた。
「ああ。分かった。・・・咲良、頼りにしている。だから、無茶をするな。頼むから、結界膜を解くな。」
 と、最後まで心配していたのでわたくしは、苦笑を零す。
「もう。過保護なんだから。でも、ありがとう。わたくしを頼りにしてくれて。・・・お互いに頑張りましょう?」
 と伝えると、魔物の群れに突っ込んで行った。
 そして、迫りくる魔物の首元を躊躇い無く神剣で刎ねていく。
 その間、結界膜と火夏が何をしているかが分かる魔法を掛続ける。
 最初は、魔物の首元を狙っていたが、魔物の方が多いので明らかに、人手が足りない。
 なのでわたくしは、一度、魔物の群れから離れると、火夏が範囲内にいないことを確認すると、手を天に向って伸ばす。
「結界!!」
 と唱えるとイメージ通り、巨大な檻の様な結界が2つ出来ている。
 勿論、その結界の中には、魔物がいる。
 その結界の中に入り自分の周りに小さな結界を張る。
 そして、大きい氷柱を大量に天から出すと、魔物に向って落下させる。
 わたくしは、結界を張っているので無傷なのだ。
 だか、氷柱は結界を張っていない魔物の肉体をどんどん穿いていく。
 そして、2分後、氷柱を放った結界の中にいた魔物達は絶命した。
 だが、わたくしは念の為念入りに魔物達が絶命したことを確認する。
 確認が終わると、その結界から出て結界を解く。
 そして遠くで戦っている火夏が怪我をしていたのが分かったわたくしは次の戦いのために火夏に近づいた。
 なぜ、せっかく張った結界を解いたのかと言うと火夏の怪我を癒やす為である。
 結界を張ると、その範囲内だけにしか効果が出ない為、火夏の所にまで効果を出す為には火夏の近くで舞わないといけないのだ。
 魔物は、先程の壊した結界の光景を見ていたのかとっさに逃げ出したので、わたくしはちゃっかり火夏の近くに誘導する。
 そして、声が届く範囲内に火夏が入るとわたくしは、舞う為に扇を出す。
 そして、舞を始める。
『仏は常にいませども、現ならぬぞあわれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見えたもう・・・』
 すると、人に仇なす魔物にとっては呪いの歌になり、火夏にとっては癒やしの歌になる為、わたくしの声が届く範囲内にいた魔物達は絶命していた。
 そして、火夏の方は怪我が治り元気そうに戦っていた。
 なのでわたくしは、彼の近くに移動すると、
「火夏、怪我は治りましたね。」
 と話掛けると、火夏は、
「・・・・・・。咲良、いや、牡丹姫神、かなり強くないか。俺よりも強いんだが。」
 と言われたので、わたくしは苦笑を零すと、
「そうなのですか?わたくしよりも強くなりたいのですか?」
 と聞いてみると火夏は、苦笑し頷いた。
「ああ。やっぱり、俺はお前を守る為に強くなりたい。なのに、今日は逆にお前に助けられてばかりだ。」
 と言われたのでわたくしは火夏に本音を伝えた。
「たまには良いのですよ。わたくしもいつも自分の無力さに腹を立ててたんですもの。だから、2人で強くなりましょう?」
 と言うと、火夏は、
「あ、ああ。分かった。」
 と言われたので、わたくしは
「さて、これで休憩は終わるわ。とりあえず、わたくしが火夏の背中を守るから、わたくしの背中を頼んだわ。」
 と言うと、火夏の背後にいた魔物を狩りに行った。


 魔物を全て狩りとると会場に戻っていた。
 なので、わたくしは女神の力を解除すると火夏を探しました。
「火夏、大丈夫でした?」
 と、火夏を見つけたので話しかけると、火夏は、
「咲良、すまない。本当は俺が守りたかったんだが、結局は、お前に守って貰ってばかりだった。だが、俺もお前を守れる様に強くなるから、俺を見捨てずに一緒に強くなろう。」
 と言われたので私は、首を傾げると口を開いた。
「火夏?強くなりたいならいいんですけど、強くなってどうしたいんですか?」
 と気になったことを聞くと、火夏は、
「俺が、陰陽師だから。危険と隣合わせだし、いつ死んでも可笑しくは無い。だから、強くなってお爺さんになるまでお前と暮らしていきたい。だから、強くなりたい。」
 と少し照れた様に言われました。
「分かりました。では、私と一緒に強くなりましょうか。」
 と微笑んで言うと火夏は、
「ああ。よろしく。」
 と言ってくれたので私は火夏に訓練をつけることにしました。
 あと、こっそり火夏の陰陽師の仕事を手伝いたいと思います。
 と思っていると、火夏は、無表情で口を開いた。
「咲良、何を企んでいるかは知らないが、程々にしろ。じゃないと、夜が怖くなるぞ。」
 と言われたので私は「夜?ですか?」と聞くと、火夏は、
「ああ。避妊すればお前が困ることにはならないだろう。だから、お前が俺の程々レベルを超えたら、抱き潰して動け無い様にする。それが嫌なら超えない様に気をつけておけ。」
 と恐ろしいことを言われたので私は
「は、はい。気をつけます。」
 と素直に言うと、火夏は更に恐ろしいことを言いました。
「あっ、そういえば、練習がまだだったな。」
「!!」
 と、思わず火夏を見ると、火夏は、恐ろしい笑み(私にとって)を浮かべていました。
 なので、私はその場から逃げ出しました。
 が、やはりすぐに確保され、そのまま客室に連れて行かれたのでした。
(だ、誰かーーー!!助けて下さーーーい。)


 


 

 

 

 
 
 
 
 



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