魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。
海に行った日からしばらく経った8月1日、俺は朝から憂鬱だった。
その理由は、2つあった。
1つ目は、今日は登校日で授業と部活があり、部活で女装をしなければならないこと。
2つ目は、咲良が高熱で学校を休んだこと。
その2つのことがあって俺は帰りのショートホームルームが終わるまで憂鬱だった。
(はぁぁ。咲良の舞は見えないし、女装はしなければならないし、もう帰るか。)
 ここで復習なのだが、俺と咲良が所属している部活は、雅楽部と言って10世紀頃に寺院や宮中で行われていた舞と演奏されていた雅楽をする部活なんだ。
そして、俺は笙で、彼女は舞(白拍子)担当。
そこまでは良かったんだ。
そう、本番の衣装が女装だと言うことを知る前までは。
そのことを俺は去年知ったのだが、嫌過ぎて何度部活を辞めようと思ったか。
だが、咲良の舞を見る度にまだ頑張れると思ったのでいたのだが、今日は咲良がいないのだ。
ああ、やっぱり部活はサボって帰ろう。
じゃないと俺は部活を辞めるかもしれない。
と、思っていると隣のクラスの花崗が話しかけてきた。
「火夏、早く部活に行こう。」
 と言われて俺は一瞬固まると口を開いた。
「・・・。お前、女装をするのに行くのか?あと、咲良が心配だから帰る。」
と咲良を理由にして帰ろうとすると花崗は苦笑して口を開く。
「火夏、女装は今更だよ。あと、咲良は火夏に部活に参加して欲しいって。だから、逆に今帰ったら咲良に怒られるよ。」
「どういうことだ?咲良が俺に部活に出て欲しいだと、花崗、咲良の名を出したら部活に出ると思ったら大間違いだ。」
 と花崗を睨みつけると、花崗は、
「そうじゃなくて、本当に咲良に頼まれたんだって!!」
 と焦ったように言われて俺は花崗に、
「咲良に?一体いつ頼まれた?」
と試しに聞いてみると、花崗は、
「知りたいか?」
 とニヤニヤしながら聞かれて俺は少し腹を立てながら渋々頷くと花崗が口を開いた。
「さっき、メールで頼まれたんだよ。」
 と、言われて俺は花崗に、
「見せろ。」
 と言うと、花崗はスマホを出して俺に渡してきた。
なので、俺は勝手に操作し咲良から送られたメールを開く。
[花崗君、今日の部活は、絶対に火夏も参加させて下さい。お願いします。]
 それを見て俺は自分でも顔が険しくなっていくことが分かった。
「じゃあ、観念して部活に行こう。
「・・・・・・。分かった。行こう。」
 と言って渋々、花崗と部室に向かった。
部室に着くと自分の席に行くと、いつも通り机の上には女装の用意があった。
因みに服は、楽人が着る衣装(男物)だが、その上にはウィッグが置いているのだ。
そして、俺には無いが、何人かは化粧箱が置いてあるのだ。
俺は、それを持って更衣室に向かった。
着替えが終わって部室に行くと黒板に『楽器を持って第2音楽室に集合!!』と書かれていたので俺は笙を出すとそれを持って第2音楽室に向かった。
咲良目線
火夏が部活にいる頃、私は浅い眠りを繰り返していました。
(もう、起きましょうか?)
 と、思っていると突然ケータイが鳴ったので私は起きることにしました。
「うーん。誰からでしょうか?」
 と呟いてケータイを開いてメールの画面を出すとメールが送られていました。
そのメールの送り主は、花崗君でした。
内容は、火夏のことでした。
そのメールの返事を打っていると、玄関が開いて誰かが帰って来ました。
(?誰でしょう?・・・。まさか、火夏ですか?・・・い、いえ、火夏は今汽車の中のはずです。)
 と思っていると、隣の部屋(火夏の部屋)の扉が閉まる音がしました。
「えっ、ひ、火夏が帰って来ました。早い、早すぎです。と、とりあえずケータイをどうにかしなくては・・・。」
 と、一人慌ててケータイを閉じると、扉をノックする音がしました。
「咲良、入っても良いか?」
 と火夏に声をかけられたので
「ど、どうぞ。」
 と火夏に言うと、火夏が部屋の中に入って来ました。
「咲良、起きていたのか?」
 と聞かれて私は、頷いて口を開きました。
「はい。さっき目が覚めたんです。・・・。学校は、どうでしたか?」
 と聞いてみると彼はため息をついて
「やった事はいつもと同じだったが、俺はつまらなかった。だから、部活を休もうとしたら、花崗が来て部活に連行された。」
 それを聞いた途端、私は"ゔっ"となりました。
何故"ゔっ"となったり、火夏が早く帰って来て慌てていたのかと言うと、今日、私は花崗君にとある頼みごとをするためにメールを送りました。
その頼みごとはというと、火夏のことでした。
火夏は心配性だから、きっと私を理由に部活を出ずに帰って来るでしょうと思ったので、花崗君に火夏が部活を出ずに帰ろうとすると止めて部活に参加させて貰う役を頼んだんです。
まさか、私が送ったメールも見られたんじゃ・・・。
と冷や汗をかいていると案の定
「咲良、何故花崗にあんなメールを送ったんだ。」
 と聞かれて私は
「えーっと、やっぱりあのメールも見たんですね。・・・そもそも火夏が部活を出ずに帰ろうとするからいけないんだと思うんですが・・・。」
 と言うと、火夏はそっぽを向いて呟きました。
「仕方ないだろう。お前がいないとつまらないのだから。」
「でも、だからといって部活を出ずに帰ったらいけませんよ。・・・ところで帰ってくるのが早いですねぇ。どうされたんですか?」
 と聞くと、彼は真顔で口を開きました。
「異空間で最短ルートの道を作ってその道を通って帰ってきた。」
 と魔法使いでも難しいことをサラリと言われたので私は驚きました。
「み、道を作ったんですか?す、すごいですねぇ。」
 と言うと難しいことをやってきた彼はむすっとして
「別に。」
 と言いました。
「それよりも、何故お前にかけた術が効かないんだろう。・・・まさか!!」
 と言ったきり黙り込んでしまった火夏に私は
「まさか?ど、どうされたんですか?」
 と聞いてみましたが、火夏は首を横に振ると
「なんでもない。何か食べたい物でもあるか?」
 と優しく聞かれても私は食欲が全くなかったので罪悪感でいっぱいで俯いて口を開きました。
「すみません。食欲がないので良いです。」
 と言うと、火夏は私の前髪をはらい、額に手を添えた。
火夏の手はひんやりとしていて、とても気持ち良かったです。
ですが、それは一瞬でした。
火夏は手を離すと
「まだ熱がある。寝ていた方が良い。」
 と言って部屋から出て行こうとしたので私は慌てて火夏の服の裾を握りました。
振り向いた火夏に私は言いました。
「ご、ごめんなさい。・・・あのぅ、私が寝るまでここに居てくれませんか?・・・あと、出来たら、額に手を乗せて頂けませんか?」
 と言うと、火夏は
「あ、ああ。分かった。だから、ちょっと手を離してくれないか?」
と言われたので私は火夏の服の裾から手を離しました。
火夏は私の椅子をベッドの近くに置きました。
そして、その椅子に座ると、私の額に手を置いてくれました。
「ありがとうございます。火夏。」
 とお礼を言うと火夏は真っ赤になって口を開きました。
「咲良、すまない。キスをしても良いか?」
 と今言うことではないことを言われたので私は真っ赤になって口を開きました。
「駄目です。キスをしたら、熱が移ってしまいます。」
 と言うと、火夏は小さく微笑むと口を開きました。
「冗談だ。良く寝て早く治せ。」
「はい。・・・おやすみなさい。」
 
火夏目線
その時は、咲良の家族はただの熱だと思っていたが、俺だけはこれは咲良の身に何かが起こっていると思っていた。
なぜなら、俺が咲良にかけた術はただの熱なら、5分で治る術だったのだから。
それなのに未だに健康ではないイコールただの熱では無いと教えていた。
だから、俺はどうにかしたい。
 
 
その理由は、2つあった。
1つ目は、今日は登校日で授業と部活があり、部活で女装をしなければならないこと。
2つ目は、咲良が高熱で学校を休んだこと。
その2つのことがあって俺は帰りのショートホームルームが終わるまで憂鬱だった。
(はぁぁ。咲良の舞は見えないし、女装はしなければならないし、もう帰るか。)
 ここで復習なのだが、俺と咲良が所属している部活は、雅楽部と言って10世紀頃に寺院や宮中で行われていた舞と演奏されていた雅楽をする部活なんだ。
そして、俺は笙で、彼女は舞(白拍子)担当。
そこまでは良かったんだ。
そう、本番の衣装が女装だと言うことを知る前までは。
そのことを俺は去年知ったのだが、嫌過ぎて何度部活を辞めようと思ったか。
だが、咲良の舞を見る度にまだ頑張れると思ったのでいたのだが、今日は咲良がいないのだ。
ああ、やっぱり部活はサボって帰ろう。
じゃないと俺は部活を辞めるかもしれない。
と、思っていると隣のクラスの花崗が話しかけてきた。
「火夏、早く部活に行こう。」
 と言われて俺は一瞬固まると口を開いた。
「・・・。お前、女装をするのに行くのか?あと、咲良が心配だから帰る。」
と咲良を理由にして帰ろうとすると花崗は苦笑して口を開く。
「火夏、女装は今更だよ。あと、咲良は火夏に部活に参加して欲しいって。だから、逆に今帰ったら咲良に怒られるよ。」
「どういうことだ?咲良が俺に部活に出て欲しいだと、花崗、咲良の名を出したら部活に出ると思ったら大間違いだ。」
 と花崗を睨みつけると、花崗は、
「そうじゃなくて、本当に咲良に頼まれたんだって!!」
 と焦ったように言われて俺は花崗に、
「咲良に?一体いつ頼まれた?」
と試しに聞いてみると、花崗は、
「知りたいか?」
 とニヤニヤしながら聞かれて俺は少し腹を立てながら渋々頷くと花崗が口を開いた。
「さっき、メールで頼まれたんだよ。」
 と、言われて俺は花崗に、
「見せろ。」
 と言うと、花崗はスマホを出して俺に渡してきた。
なので、俺は勝手に操作し咲良から送られたメールを開く。
[花崗君、今日の部活は、絶対に火夏も参加させて下さい。お願いします。]
 それを見て俺は自分でも顔が険しくなっていくことが分かった。
「じゃあ、観念して部活に行こう。
「・・・・・・。分かった。行こう。」
 と言って渋々、花崗と部室に向かった。
部室に着くと自分の席に行くと、いつも通り机の上には女装の用意があった。
因みに服は、楽人が着る衣装(男物)だが、その上にはウィッグが置いているのだ。
そして、俺には無いが、何人かは化粧箱が置いてあるのだ。
俺は、それを持って更衣室に向かった。
着替えが終わって部室に行くと黒板に『楽器を持って第2音楽室に集合!!』と書かれていたので俺は笙を出すとそれを持って第2音楽室に向かった。
咲良目線
火夏が部活にいる頃、私は浅い眠りを繰り返していました。
(もう、起きましょうか?)
 と、思っていると突然ケータイが鳴ったので私は起きることにしました。
「うーん。誰からでしょうか?」
 と呟いてケータイを開いてメールの画面を出すとメールが送られていました。
そのメールの送り主は、花崗君でした。
内容は、火夏のことでした。
そのメールの返事を打っていると、玄関が開いて誰かが帰って来ました。
(?誰でしょう?・・・。まさか、火夏ですか?・・・い、いえ、火夏は今汽車の中のはずです。)
 と思っていると、隣の部屋(火夏の部屋)の扉が閉まる音がしました。
「えっ、ひ、火夏が帰って来ました。早い、早すぎです。と、とりあえずケータイをどうにかしなくては・・・。」
 と、一人慌ててケータイを閉じると、扉をノックする音がしました。
「咲良、入っても良いか?」
 と火夏に声をかけられたので
「ど、どうぞ。」
 と火夏に言うと、火夏が部屋の中に入って来ました。
「咲良、起きていたのか?」
 と聞かれて私は、頷いて口を開きました。
「はい。さっき目が覚めたんです。・・・。学校は、どうでしたか?」
 と聞いてみると彼はため息をついて
「やった事はいつもと同じだったが、俺はつまらなかった。だから、部活を休もうとしたら、花崗が来て部活に連行された。」
 それを聞いた途端、私は"ゔっ"となりました。
何故"ゔっ"となったり、火夏が早く帰って来て慌てていたのかと言うと、今日、私は花崗君にとある頼みごとをするためにメールを送りました。
その頼みごとはというと、火夏のことでした。
火夏は心配性だから、きっと私を理由に部活を出ずに帰って来るでしょうと思ったので、花崗君に火夏が部活を出ずに帰ろうとすると止めて部活に参加させて貰う役を頼んだんです。
まさか、私が送ったメールも見られたんじゃ・・・。
と冷や汗をかいていると案の定
「咲良、何故花崗にあんなメールを送ったんだ。」
 と聞かれて私は
「えーっと、やっぱりあのメールも見たんですね。・・・そもそも火夏が部活を出ずに帰ろうとするからいけないんだと思うんですが・・・。」
 と言うと、火夏はそっぽを向いて呟きました。
「仕方ないだろう。お前がいないとつまらないのだから。」
「でも、だからといって部活を出ずに帰ったらいけませんよ。・・・ところで帰ってくるのが早いですねぇ。どうされたんですか?」
 と聞くと、彼は真顔で口を開きました。
「異空間で最短ルートの道を作ってその道を通って帰ってきた。」
 と魔法使いでも難しいことをサラリと言われたので私は驚きました。
「み、道を作ったんですか?す、すごいですねぇ。」
 と言うと難しいことをやってきた彼はむすっとして
「別に。」
 と言いました。
「それよりも、何故お前にかけた術が効かないんだろう。・・・まさか!!」
 と言ったきり黙り込んでしまった火夏に私は
「まさか?ど、どうされたんですか?」
 と聞いてみましたが、火夏は首を横に振ると
「なんでもない。何か食べたい物でもあるか?」
 と優しく聞かれても私は食欲が全くなかったので罪悪感でいっぱいで俯いて口を開きました。
「すみません。食欲がないので良いです。」
 と言うと、火夏は私の前髪をはらい、額に手を添えた。
火夏の手はひんやりとしていて、とても気持ち良かったです。
ですが、それは一瞬でした。
火夏は手を離すと
「まだ熱がある。寝ていた方が良い。」
 と言って部屋から出て行こうとしたので私は慌てて火夏の服の裾を握りました。
振り向いた火夏に私は言いました。
「ご、ごめんなさい。・・・あのぅ、私が寝るまでここに居てくれませんか?・・・あと、出来たら、額に手を乗せて頂けませんか?」
 と言うと、火夏は
「あ、ああ。分かった。だから、ちょっと手を離してくれないか?」
と言われたので私は火夏の服の裾から手を離しました。
火夏は私の椅子をベッドの近くに置きました。
そして、その椅子に座ると、私の額に手を置いてくれました。
「ありがとうございます。火夏。」
 とお礼を言うと火夏は真っ赤になって口を開きました。
「咲良、すまない。キスをしても良いか?」
 と今言うことではないことを言われたので私は真っ赤になって口を開きました。
「駄目です。キスをしたら、熱が移ってしまいます。」
 と言うと、火夏は小さく微笑むと口を開きました。
「冗談だ。良く寝て早く治せ。」
「はい。・・・おやすみなさい。」
 
火夏目線
その時は、咲良の家族はただの熱だと思っていたが、俺だけはこれは咲良の身に何かが起こっていると思っていた。
なぜなら、俺が咲良にかけた術はただの熱なら、5分で治る術だったのだから。
それなのに未だに健康ではないイコールただの熱では無いと教えていた。
だから、俺はどうにかしたい。
 
 
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